平成筑豊鉄道田川線・伊田線
10月29日(月)の午前8時の行橋駅。
九州・沖縄鉄道旅行2日目が始まりました。
今日は、いわゆる筑豊地区の未乗路線を攻略する予定です。
2回目の「旅名人の九州満喫きっぷ」が使えるので、大いに利用させてもらいます。
社名の「平成」は開業年から来ており、「新たなスタートを切る」という意味が込められています。
1両の単行車がホームに入ってきました。
第三セクター鉄道線ではお馴染みのラッピング車で、今回は「へいちく公式LINEスタンプ」です。
私はLINEをあまりやりませんから、LINEスタンプと言われても、いまいちピンと来ません。
車内はオールロングシートで、トイレ無し。
そして、車いすのスペースでしょうか、中央に席のない空間があり、キャリーバッグをそこに置いておくことにしました。
今日も雲一つない快晴が広がり、2日目も良い感じ。
田んぼの稲刈りは終わっているはずなのに、また芽が出てきて青々としています。
通勤・通学時間帯を外したので、立ち客はおらず、のんびりと景色を楽しむことができます。
名前が完全に京都府をもじったようで、周囲を見ても都らしい風景はありません。
ここで言えば、崎山駅から先がそうで、それまでの田園風景から谷間へと入り込み、いよいよ山越えなんだなと胸が高鳴ります。
期間中、代行バスが走っていましたが、完乗を目指す身としてはやはり鉄道に乗っておきたいという気持ちがあり、それで九州は10月末までじっと待つことになったのです。
復旧からまだ2日ということもあり、路盤が崩壊したり、土砂が流入したりした所では、保線の人が立って列車が安全に通過するのを見守っていました。
「プアーーーン」と警笛を鳴らしながら、谷の縁をゆっくり走っていきます。
そういえば、こんど観光列車を走らせるようで、名前が「ことこと列車」だとか。
コンセプトが「日本一ゆっくり・おいしい・たのしい列車」ということで、この風景にピッタリな名前ですね。
もうローカル線には、観光列車を走らせることがブームのようで、「いまだけ・ここだけ」を売りに観光客を呼び寄せようとしています。
列車に揺られながら、田舎の原風景を見て、郷土料理を味わい、そして地元の人と交流して、ゆっくりと、しかし、充実した時間を過ごす。
そういう取り組みが、さらに全国に広がると良いですね。
並走という形にならない、つまり線路を共用しているのは、おそらくどちらも国鉄の名残なのでしょう。
このあたりは炭坑の町として栄え、炭坑節の発祥の地として知られています。
この駅では5分の待ち合わせ時間がありますが、その間に乗客が次々と入ってきました。
その中に、なぜか中学生と思われる男子5人が乗ってきて、携帯型ゲームで遊び始めました。
今日は月曜日なのに、なぜ中学生がと訝しく思いましたが、そういえばそろそろ文化祭(学習発表会・学芸会)の時期で、たぶんこの土日のどちらかに行われ、その振り替えなのだろうと思い当たりました。
直方まで何をしに行くのだろうと思いましたが、あまり詮索すると怪しまれるので、止めることにします。
石炭輸送のための貨物列車が行き交っていたからでしょう。
今はもう貨物列車は走っておらず、純然たるローカル線に成り下がっています。
行き違いのための待ち合わせをしなくて済みますが、平成筑豊鉄道に転換以来、次々と新駅を設置したこともあって、まどろっこしいぐらいこまめに停車していきます。
40分の乗車で、9時54分、終点の直方駅に到着。