ゆき丸の鉄道日記

鉄道旅行や雑記を綴ります。

平成筑豊鉄道田川線・伊田線

イメージ 1

10月29日(月)の午前8時の行橋駅

九州・沖縄鉄道旅行2日目が始まりました。

今日は、いわゆる筑豊地区の未乗路線を攻略する予定です。

行橋駅から平成筑豊鉄道田川線伊田線直方駅まで行き、JR筑豊本線福北ゆたか線)に乗り換える。

黒崎駅筑豊電気鉄道に乗り換え、筑豊直方駅で下り、再び直方駅まで戻る。


さらに日田駅から久大本線大分駅まで乗って、2日目は終了という段取りです。

2回目の「旅名人の九州満喫きっぷ」が使えるので、大いに利用させてもらいます。






イメージ 2

イメージ 3

イメージ 4

本日最初の乗車は、平成筑豊鉄道田川線伊田線で、8時16分発、直方行きです。

田川線行橋駅と田川伊田駅を全長26.3kmで、伊田線は田川伊田駅と直方駅を全長16.1kmで結ぶローカル線です。

もともと国鉄筑豊炭田の輸送路線として開業し、国鉄田川線伊田線、そして糸田線という名称でした。

それが1989年(平成元年)10月に、JR九州から3路線を引き継ぎ、第三セクターとして生まれ変わったのです。

社名の「平成」は開業年から来ており、「新たなスタートを切る」という意味が込められています。

田川線伊田線は、路線名は別々ですが、実際は一本の線路でつながっていて、通しの運行もされています。

私がこれから乗る列車も、田川伊田駅で2411Dから2224Dへと列車番号が変わるものの、同じ車両のまま直方駅へと直通します。







イメージ 5

1両の単行車がホームに入ってきました。

第三セクター鉄道線ではお馴染みのラッピング車で、今回は「へいちく公式LINEスタンプ」です。

私はLINEをあまりやりませんから、LINEスタンプと言われても、いまいちピンと来ません。

車内はオールロングシートで、トイレ無し。

そして、車いすのスペースでしょうか、中央に席のない空間があり、キャリーバッグをそこに置いておくことにしました。






イメージ 6

今日も雲一つない快晴が広がり、2日目も良い感じ。

田んぼの稲刈りは終わっているはずなのに、また芽が出てきて青々としています。

通勤・通学時間帯を外したので、立ち客はおらず、のんびりと景色を楽しむことができます。






イメージ 7

新豊津駅からは、京都郡(みやこぐん)みやこ町に入ります。

名前が完全に京都府をもじったようで、周囲を見ても都らしい風景はありません。

天皇と関係があるらしく、遺跡が多く見つかっていることから、豊前国の中心地だったようですね。





イメージ 8

イメージ 11

イメージ 9

イメージ 10

列車に乗って景色を眺めていると、ある駅を境に風景が変わることがあり、それを見つけるのも「乗り鉄」のおもしろさの1つです。

ここで言えば、崎山駅から先がそうで、それまでの田園風景から谷間へと入り込み、いよいよ山越えなんだなと胸が高鳴ります。

この崎山駅から田川伊田駅までの区間は、やはり7月の西日本豪雨で被災し、およそ3ヶ月にもわたって不通が続いていました。

期間中、代行バスが走っていましたが、完乗を目指す身としてはやはり鉄道に乗っておきたいという気持ちがあり、それで九州は10月末までじっと待つことになったのです。

復旧からまだ2日ということもあり、路盤が崩壊したり、土砂が流入したりした所では、保線の人が立って列車が安全に通過するのを見守っていました。

「プアーーーン」と警笛を鳴らしながら、谷の縁をゆっくり走っていきます。





イメージ 12

柚子原駅から赤駅にかけて、気が付かぬうちに分水嶺を越えたらしく、のどかな里山風景が広がります。

そういえば、こんど観光列車を走らせるようで、名前が「ことこと列車」だとか。

コンセプトが「日本一ゆっくり・おいしい・たのしい列車」ということで、この風景にピッタリな名前ですね。

もうローカル線には、観光列車を走らせることがブームのようで、「いまだけ・ここだけ」を売りに観光客を呼び寄せようとしています。

列車に揺られながら、田舎の原風景を見て、郷土料理を味わい、そして地元の人と交流して、ゆっくりと、しかし、充実した時間を過ごす。

そういう取り組みが、さらに全国に広がると良いですね。







イメージ 13

上伊田駅の先でJR日田彦山線と合流し、線路が1本になります。

並走という形にならない、つまり線路を共用しているのは、おそらくどちらも国鉄の名残なのでしょう。

山形県のJR米坂線山形鉄道フラワー長井線も、今泉駅から坂町・荒砥方面はしばらくの間、線路を共用していますが、これも両方とも国鉄を由来としているのです。

彦山川を渡り、JR日田彦山線と線路が分岐して、9時9分、田川伊田駅に到着です。

このあたりは炭坑の町として栄え、炭坑節の発祥の地として知られています。

山田洋二監督の『男はつらいよ』の第37作「幸福の青い鳥」にも、寅次郎が島崎美保(志穂美悦子)と別れるシーンで登場します。

この駅では5分の待ち合わせ時間がありますが、その間に乗客が次々と入ってきました。

その中に、なぜか中学生と思われる男子5人が乗ってきて、携帯型ゲームで遊び始めました。

今日は月曜日なのに、なぜ中学生がと訝しく思いましたが、そういえばそろそろ文化祭(学習発表会・学芸会)の時期で、たぶんこの土日のどちらかに行われ、その振り替えなのだろうと思い当たりました。

直方まで何をしに行くのだろうと思いましたが、あまり詮索すると怪しまれるので、止めることにします。






イメージ 14

田川伊田駅より先、伊田線第三セクター線としてはめずらしい複線区間です。

石炭輸送のための貨物列車が行き交っていたからでしょう。

今はもう貨物列車は走っておらず、純然たるローカル線に成り下がっています。

行き違いのための待ち合わせをしなくて済みますが、平成筑豊鉄道に転換以来、次々と新駅を設置したこともあって、まどろっこしいぐらいこまめに停車していきます。

40分の乗車で、9時54分、終点の直方駅に到着。





イメージ 15

次は、10時2分発、黒崎行きのJR福北ゆたか線に乗り換えます。(続く)