豊肥本線1(大分~阿蘇)
10月30日(火)、午前9時。
九州・沖縄鉄道旅行3日目は、大分駅スタートです。
今日も爽やかな秋晴れが広がり、自分の旅行で3日続けて晴れることは滅多にありませんから、清々しい気持ちになります。
しかし、今日の旅程は非常に出来が悪く、未乗路線乗破はあまり進みません。
かといって、その次の15時50分発に乗ろうものなら、阿蘇駅着が16時20分で、10分の差で逃してしまう。
乗り換え時間も含めて、この15分をなんとかならぬものかと、あれこれ思案しましたが、結局どうにもならず、こんな中途半端な出来になってしまったのです。
なお、今日は「旅名人の九州満喫きっぷ」は使わず、自動券売機で阿蘇駅まで買った通常のきっぷで乗ります。
ラッシュ時は過ぎていますが、大分大学の学生も乗ってきて、ほぼすべての座席は埋まりました。
川沿いを走るときは、線路脇の背の高い草木がふさいでおり、時々、切れ目から覗ける程度です。
その一方で、川から離れれば刈り終わった田んぼが広がり、藁(わら)を三角に積んだものが点々と置かれています。
どこか牧歌的な景色のようですが、列車はそれに反して意外と速く、あまりゆっくりと眺めることはできません。
豊後竹田駅までは1~2駅に1回の頻度で行き違いもあり、本数もそれなりにあるようです。
ホームのスピーカーから滝廉太郎作曲の「荒城の月」が流れ、下車客を迎えてくれます。
下車客がいなくなっても、まだ曲は流れますが、これがアカペラの合唱ということもあって、ガランとしたホームにいっそう寂しさを際立たせます。
駅の裏手には落差40mの「落門の滝」があり、鉄道駅ではめずらしくホームから眺めることができます。
さて、乗客が少なくなったディーゼル車は、さらに山深い所を進み、駅周辺を除いて民家も少なくなります。
県境の山間地ということもあって、先ほどのような平地は見られず、段々畑が目立ちますね。
そして、標高754mと九州の鉄道駅で最も高い波野駅を過ぎると、2283mの坂の上トンネルに入り、それを抜けると、阿蘇の盆地を一望できる所に来ます。
外輪山が続き、ひときわ高くそびえ立っているのは、中岳でしょうか。
残念ながら、すっかり曇ってしまいましたが、雨は降っていないようですね。
11時30分、阿蘇駅に到着です。
が、冒頭でも記した通り、16時10分までないので、阿蘇山の観光で時間をつぶします。
構内踏切を渡って改札口を抜け、でかいキャリーバッグはコインロッカーに預けます。
身軽になったところで、11時45分発の阿蘇山西駅行きのバスに乗ります。(続く)