わたらせ渓谷鐡道2(神戸~間藤)
新型車両で、4人がけボックス席は快適です。
神戸駅を出発した列車は少し進むと、全長5342mの草木トンネルに入ります。
この間の高低差はおよそ140mで、それを10分程かけて登っていきます。
登ると言っても、延々トンネルですから、勾配はまったく感じませんが、ダムで付け替えた新線区間の割に速度は遅いです。
草木トンネルを抜けると、いきなり草木ダムが姿を現し、列車はその上を鉄橋で渡ります。
ダムを渡り終えると、またトンネル、抜けた後、沢入駅(そうりえき)です。
落石や野生動物の飛び出しに注意ですね。
進行方向左側に移った渡良瀬川には、真っ白い岩石たちがゴロゴロして異様な風景を放っています。
そういう珍しい風景ですから、私の後ろに座っていた2人組の女の子たちもスマホの写真に収めていました。
原向駅手前で栃木県に入り、さらに進むと町や工場(跡?)が見えてきました。
工場は足尾銅山関係のものと思われます。
その工場の近くに古い木造の長屋が並び、かつて足尾銅山で働いていた坑夫たちの社宅でしょうか。
通洞駅でほとんどのお客さんが降りて行き、残ったのは私を含め3人だけとなりました。
ホームは1面1線の無人駅です。
駅の待合室には『時刻表2万キロ』の自筆原稿が貼ってありますが、意外と丸っこい字なんですね。
もっとも、あれだけの分量ですから、丸文字になるのも無理はないですが。
その先はちょっとした住宅街のようです。
次のバスが13時32分と絶妙な接続ですが、私は足尾銅山にも寄りたいので、今回バスには乗りません。
銅山の採掘関係の貨物輸送で使われていましたが、1989年(平成元年)に、わたらせ渓谷鐡道に移譲したのと同時に廃線となりました。
今でも廃線跡は残っており、とりわけ枕木や釘なんかは当時のままと思われます。
ぜひ足尾本山まで行ってみたかったのですが、13時28分の折り返し列車に乗るため、今回は探訪しません。
折り返し列車に乗り、次は通洞駅に下車です。(続く)