黒部峡谷鉄道(黒薙~欅平)
9時45分に黒薙駅を出発すると同時に、ホームの途中から左へと分岐する線路がトンネルへと引き込まれています。
これは黒薙川上流の発電所に向かう「関西電力黒部専用鉄道黒薙支線」で、一般客が通ることはできません。
列車は右へカーブし、黒薙川を渡ります。
左手にはシェルターが見えます。
冬期歩道で、冬の間、当路線が雪で運行できなくなるため、そこを通ってダムの方へ行き来するそうです。
笹平駅で対向列車と待ち合わせ。
一般客を乗せていない業務用列車がすれ違いました。
出平ダムが見えてきました。
険しい谷とダムの構造物が同化して、1つのまとまった景色に見えます。
こんな険しい谷によく造ったなと思いますね。
森の中に位置するため、今にもクマが出てきそうな雰囲気です。
もしクマが飛び出してきたら、この時の乗客数が極めて少ないため、私が狙われる可能性が高いです。
だから、早く出発してほしいと心の底から願っていました。
進行方向右手に、まるで垂直のように屹立する岩肌が見えてきました。
「ねずみ返し」というそうで、ねずみが登れないほど険しい様を表しています。
黒部川第二発電所が見えてきて、そこから専用線がこちらへと合流し、猫又駅です。
立派な建物(宿舎)がありますが、こちらも一般客は利用できません。
おばちゃんがトイレ掃除をしているのが見えました。
列車はさらに標高を上げながら奥地へと進みます。
10時15分頃、鐘釣駅に着きました。
鐘釣温泉があり、一般客も利用できる有人駅です。
反対列車が入ってきました。
普通車両と、窓が開閉でき、転換クロスシートを備える「リラックス車両」が連結されていました。
どうも黒部峡谷鉄道の客車は、明治期から平成期までの特徴を網羅した車両が揃っており、すなわち4人1組分の座席をもつ普通車両(明治期)、木製の4人がけボックス席をもつ特別車両(大正~昭和期)、そして転換クロスシートをもつリラックス車両(昭和~平成期)ということですが、どうでしょう?
そんなマニアックなことを思い浮かべていると、当列車はいったん後ろへと下がりました。
「スイッチバック」というやつで、ホームの先の線路が途切れているため、いったん分岐のある所までバックしてから、あらためて出発して本線と合流という形になっています。
黒部川は進行方向左手に変わりました。
これから終点の欅平まではこの図が続きます。
木漏れ日が綺麗ですね。
無人駅の小屋平駅です。
小屋平ダムが目の前です。
次はいよいよ終点の欅平です。
本線で最も長いトンネルを抜け、10時39分、欅平駅に終着です。
ホームと線路はそれぞれ1面1線ですが、非常に長いホームで、列車2本を縦列停車できるようになっています。
他に側線が数本あります。
なお、本線の先はトンネルが続き、黒部ダムの方に向かう「関西電力黒部専用鉄道」となります。
「高熱隧道」が控えており、一般客はもちろん利用できませんが、例外として限定ツアーで申し込むことはできるそうです。
抽選に当たれば通ることができます。
私は比較的近所でありながら、まだ1回も申し込みをしたことすらありません。
いつか行ってみたいですね。
改札口につながるこの坂の名前を見ると、つい某アイドルグループの名前を連想してしまいます。
お土産屋はやはりこのご時世、閉まっていました。
1時間程ありますので、駅周辺を散策しましょう。(続く)