旧北陸本線散策2(筒石~能生)
このシルバーウィークはどこの観光地に行っても混雑しているでしょうけど、やはり1日ぐらいは自分も少し羽をのばしたい。
そう思い、9月21日(月)にちょっとした旅行(というより散歩)に行ってきました。
午後2時40分。
やってきたのは、新潟県の「えちごトキめき鉄道日本海ひすいライン」の筒石駅。
当駅は頚城トンネルの中にある地下駅です。
2年半前にも行きましたが、ここからお隣の能生駅までの1駅を、海岸線に沿って歩いていきたいと思います。
ホームを出るとさっそく階段が。
これを上っていきます。
1つ目の階段を上り切り、出口を示す矢印に従って進むと、さらに手強い階段が現れました。
これを見ると、気が遠くなりそうですが、ここを上り切らないと出口にたどり着けません。
人気はまったくなく、水の音がちょろちょろと音がするぐらい。
ひんやりして涼しいですが、案外明るいので、不気味さはあまり感じません。
ようやく出口に着きました。
290段も上るのは疲れます。
駅前には1台の車のみが駐車していて、あとは何もありませんでした。
ここから港の方へ向かいます。
なかなか深い谷です。
海が見えてきました。
駅から歩いておよそ10分で港をもつ集落に着きました。
ここから遊歩道兼自転車道をひたすら歩きます。
この道はかつての北陸本線が通っており、幅やカーブの具合にその名残が見られます。
富山を出発した時は晴れていたのに、どういうわけか、ここは怪しい灰色の雲が広がり、一部は黒っぽく見えます。
そして、けしからぬことに、雨が降り出してしまいました。
雨といっても、ぱらつく程度ですが、気持ち的にすっきりしません。
とある占いでは、この日あまり良くないと出ていましたが、晴れているし大丈夫だろうと高をくくっていたら、まさかこういう目に遭うとは。
しかも、行く手の先にはカラスの大群が控えていて、こちらが威嚇または攻撃とかしない限り、襲ってくることはないでしょうけど、やはり残念な気持ちにはなります。
沿道には自生しているススキがゆらゆらと風に吹かれているのを見ると、いっそう秋の雰囲気を感じ取れます。
なぜかアジサイがまだ咲いていたり、地域の人達が育てたサルビアやマリーゴールドを見たりできるのが、散歩のいいところ。
観光地みたいな派手さはないけど、ささやかな良さを味わえますね。
なかなか官能的な名前ですが、そばの階段を上ればそれがあるのでしょうね。
今回は通り過ぎました。
少しやせていますが、コスモスも咲いていました。
レンガ造りのトンネル。
旧線らしいですね。
中は明るく、肝試しには物足りないでしょう。
右隣の国道8号線には、車がひっきりなしに行き交っています。
せっかくの4連休だから、気晴らしに出掛けたいのでしょう。
そして、私が歩いているこの道にも、意外とランナーやサイクリストの姿が見られました。
ただ、私のように歩いている観光客はまったく見当たりませんでした。
海上にいくつかの岩が立ち、中でもちょっと目立っているのは、「トットコ岩」。
「トットコ」とはこのあたりの言葉で「ニワトリ」を意味していて、ニワトリが餌をついばんでいるように見えることから、この名が付いたそうです。
道の駅「マリンドリーム能生」の駐車場には観光客の車でビッシリ埋まり、お店の前では観光客が密になっていました。
とても立ち寄れる状況ではありませんでしたから、「日陰」を好む私はそのままトンネルの闇へと進みます。
小泊地区は地滑り地帯で、かつて旧北陸本線の列車が地滑りによる土砂に乗り上げ、脱線・転覆する事故がありました。
多くの犠牲者を出し、こういう事故が多かったことから、現在のトンネルばかりの新線に切り替わったわけです。
白山神社には、茅葺屋根で歴史的な風格を感じさせる建造物がいくつもあります。
歴史資料博物館は、残念ながらこの日はお休み。
つくづくついてないですね。
弁天岩にも行ってみましたが、なぜか「恋する灯台」なんて看板が立てられていて、たくさんの観光客で賑わっていました。
お相手はいないし、行った所で灰色の雲に覆われた灯台なんぞ行く末が案じられるので、結局、行くのを止めました。
能生地区に入ると、2匹の猫がゆったりと座っていました。
色が同じだから、夫婦なのでしょうか。
午後5時、能生駅に着きました。