ゆき丸の鉄道日記

鉄道旅行や雑記を綴ります。

映画『翔んで埼玉』と郷土愛

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映画『翔んで埼玉』を見に行きました。

東京生まれ、埼玉育ちの私でも十分楽しめる内容で、確かに埼玉県を色々とディスっていましたが、嫌味な感じはありませんでした。







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映画はいちおう原作の内容も盛り込んでいますが、ほとんど別物と言っていいです。

なので、原作を読んだ人も新鮮な気分になれると思います。

原作も映画も、埼玉県を散々こき下ろすようなことを言ってますが、元埼玉県民の私からすれば、非常にごもっともなことなので、ちっとも頭には来ることはありません。

この態度は「度量が広い」「鷹揚だ」というよりは、元から郷土愛が低い、もっと言えば、本当にこれと言ったものがなく、とくに私が住んでいた県南地方なぞは東京のベッドタウンだと割り切っているので、「まあ、そうだよね」で済ませられるのです。

これが他の都道府県ではまず出来ないでしょう。

たとえば今私が住んでいる富山で、こういうことをすれば、米騒動どころじゃないクレームの嵐が吹き荒れること必定です。(でもその割に、「田舎だし、何にもないよ」と言われる)







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ちなみに、私が育ったのは、埼玉県さいたま市中央区という所で、旧与野市に相当します。
(わずかに旧浦和市と大宮市も入っている)

与野市は浦和と大宮に挟まれた影の薄い街ですが、何気にさいたま芸術劇場とさいたまスーパーアリーナという大規模なイベントに欠かせない箱モノを擁していました。

映画でも「与野」が僅かですが取り上げられており、出身者としてはちょっと嬉しいですね。

この「与野」という地名は鎌倉時代にはすでに使われていたらしく、なかなか由緒ある地名と言えました。

それにもかかわらず、2003年(平成13年)に政令指定都市に移行した際、どういうわけか「与野区」とせずに、よりにもよって何の独自性もない「中央区」という自治体名にしてしまいました。

行政ですらこの体たらくですから、郷土愛もへったくれもありませんね。









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しかし、何もない何もないと言ってばかりだとあんまりなので、1つだけ東京からすぐに行ける名スポットを挙げるとすれば、見沼の湿地帯(ちなみに写真の自治体は「緑区」)ですね。

この湿地帯はかなり広大で、しかもそこを流れる3本の川(見沼代用水西縁、芝川、見沼代用水東縁)は江戸時代の新田開発の頃に開削された歴史あるもの。

しかも、その3本の川をつなげる「通船堀」は、高低差をクリアする技術が詰まっており、日本の土木技術の高さを誇ります。

これからの時期は桜が綺麗に咲き乱れ、花見にもピッタリ。

にもかかわらず、全国的な知名度はイマイチなので、隠れ名スポットだと思います。

アクセスは武蔵野線東浦和駅から徒歩5分だし、お手軽に散策できます。

そう、埼玉は全国的に有名な観光スポットや伝統芸能、郷土料理が少ない分、意外にも隠れスポットが多いのかもしれませんね。