京都散策(京都駅、高瀬川、鴨川など)
12月10日(金)、金沢駅8時5分発の特急サンダーバード10号に乗車。
サンダーバード号に乗るのは2年3ヶ月ぶりで、この10号がまさかの臨時化されたり、北陸新幹線の高架工事が進められたりして、すでに浦島太郎のような気分です。
指定席の車内には私のほかに数名の乗客のみで、臨時化されたのもやむなしかなと思いました。
雲の合間からの陽が湖面に照らし、キラキラと輝く姿が私の心を捉えます。
湖西線の白眉ですね。
10時10分、京都駅に到着。
当列車の隣の乗り場には、毎回全身緑の車両が停まっています。
国鉄型車両がどんどん駆逐されている現在において、貴重な存在といえるでしょう。
今朝は6時50分に家を出発し、小腹が空いたので、駅地下のカフェに入り、ホットコーヒーと京野菜を挟んだハンバーガーを注文。
京野菜が思ったより歯ごたえがあり、またバンズももっちりしているので、食べ切るのに時間がかかりました。
コーヒーを飲みながら読書するのが、最近のお気に入り。
優雅な時間が流れます。
午前11時、これから清水寺に向かいます。
駅前のバス停には長い行列ができており、とても乗りたい気にはなれませんから、歩いて行きます。
後日、職場で京都に住んだことがある同僚にこのことを話すと、清水寺まで歩いたことに驚かれました。
駅前の市街地図やgoogle mapで確認しても、5km強ぐらいですから、旅慣れている私にとってはものの数ではありません。
いや、北陸はもう冬景色で、イチョウはとっくに落ちきっているのです。
しばらく歩いていると、右手に林ほどではない木々を見つけ、長年旅で培われた「第六感」的なものが働きました。
なにかおもしろそうな所だな・・・
そこは人通りの少ない閑静な所で、小川の両側にはすっかり赤く色づいた
楓が見られました。
これがかの有名な「高瀬川」で、実は調べもせずにたまたまたどり着いたのです。
1611年(慶長16年)、角倉了以によって開削され、京都と伏見の物流を結んだという。
ご覧の通り、水深は浅く、「高瀬舟」という小舟で行き交っていたそうです。
南天や柚子など様々な植物を見て、北陸の鉛色の冬景色に染まった自分の心に彩を添えてくれました。
今頃、バスに乗ってたら、車内の混雑+渋滞に巻き込まれて、心身ともにすり減すところだったのが、歩いたおかげで、素晴らしい景色に出逢うことができました。
さて、五条通りに出て、鴨川を渡ります。
大半が曇り空だったのが、少しずつ晴れ間が見えてきました。
引き続き、清水寺まで歩いて行きます。(続く)
関西鉄道旅行(プロローグ)
半年ぶりのブログ更新です。
4月の別所温泉以来、まったくどこにも行かなかったわけではなく、砺波チューリップフェアや魚津の東山円筒分水槽、滑川の行田公園など、時々出かけてはいましたが、すべて富山県内にとどまっていました。
さらに夏に入ると、新型コロナの感染者数が一気に広がって、旅行どころではなくなりましたから、自宅と職場の往復のみとなりました。
これほど抑圧的な生活を強いられたにもかかわらず、8か月間も鉄道旅行を封印できたのは、もちろん新型コロナの感染状況がそれを許さなかったのもあります。
が、それだけではなく、やはり一度完乗を果たして、乗るべき路線がほとんどなくなったことが大きいでしょう。
たしかに自分にとって最大の趣味を奪われましたが、代わりに資格勉強に注げる時間が生まれましたので、とくに暇を持て余すこともありませんでした。
なので、ストレスに陥ることなく、平々凡々と過ごしましたが、それにしても8ヶ月も鉄道旅行しなかったのは人生初で、新型コロナの影響とはいえ、自分でも驚いています。
秋から続く感染状況の落ち着き、私のワクチン2回接種、そしてたまたま3連休がとれたことが重なり、今なら大阪に住む妹夫婦に会いに行けるだろう。
昨年7月に子どもが生まれ、以来、私は写真と動画でしか見たことがないので、直に会えるチャンスです。
富山から大阪まではおよそ5時間で行けますが、せっかくの機会、どこか「寄り道」をしたいところ。
ところが、この「寄り道」が思った以上に難題でした。
なにしろ、私の興味は鉄道から見える景色にあり、だからこそ「乗り鉄」に血筋を上げて取り組んだわけです。
しかるに、一度乗車済みの路線にはなかなか興味がわかず、かといって「京都観光」にしても広すぎて、どこに焦点を合わせればいいか見当がつきませんでした。
それでいろいろ検討した結果、今回は12月10日(金)と11日(土)の1泊2日とし、初日に京都の清水寺と八坂神社を周ってから妹夫婦のところに行くことにしました。
どちらも超がつくほどの人気スポットですが、平日かつ外国人観光客がほとんどいない今なら、激混みに巻き込まれずに行けるだろうということです。
2日目の行程は、後の記事で示そうと思います。(続く)
エピローグ(上田電鉄別所線)
別所温泉駅の待合室で16時39分発、上田行きの電車を待ちます。
ベンチに座っていると、目の前に折り紙で作った赤い千曲川鉄橋が飾ってあり、上田電鉄のシンボルなんだと改め感じました。
程なく、事務室から和服姿の若い女性が出てきて、改札の案内をしてくれました。
当駅に駅員は、観光協会の方が兼務されているようです。
今度のも元東急の車両ですが、中間車を先頭車用に改造されています。
外装は真田家家紋「六文銭」をあしらっており、「さなだどりーむ号」と呼ばれています。
車内は行きの時と大きく変わった点はありませんが、座席の色が違っているぐらいでしょうか。
2両編成の車内に数名の乗客を乗せて、ゆっくり出発。
和服姿の女性駅員さんが手を振って見送ってくれました。
だいぶ日が傾いてきたものの、山の輪郭がくっきりと見えるほど綺麗に見えます。
電車は急な下り坂をのんびりと走り、換気のために開いている窓から涼しい風が入ってきます。
下之郷駅手前の留置線に、丸窓の付いた電車「まるまどりーむ号」が見られました。
ちょうど下校時刻と重なっていたので、多くの学生が乗ってくるのかなと思いきや、さほど乗ってこず、ロングシートに空席がぽつぽつ見られるなど、混雑に至ることはありませんでいた。
渡ればほんの僅かな時間だけど、利用客にとっては便利でありがたいですね。
17時10分、上田駅に到着。
新幹線ホームに移動。
17時29分発、「あさま」619号に乗車。
長野駅で「かがやき」511号に乗り継ぎ。
1年半前、別所線と同じく被害を受けた長野新幹線車両センターには、車両が1本も留まっていませんでした。
上田電鉄別所線の復旧後の乗車を果たし、別所温泉街で美味しいものを食べ、温泉に入り、古刹を観光し、桜も見られて、お土産も手に入れた。
たくさんの素敵なことに触れられ、幸せな旅行でした。(終わり)
別所温泉4(お土産など)
午後3時を回り、北向観音堂の参道にあるジェラート店で一服します。
チョコレートのジェラート。
暑い中、歩きくたびれたので、冷たくて甘く、さっぱりとしたジェラートが身体に染みわたって、爽やかさが駆け抜けます。
観光客が少ないので、参道のベンチで食べても、周囲は気になりません。
ジェラートを食べ終わった後、職場のお土産に「厄除けまんじゅう」、それから民芸品店で招き猫や流木の皿、三体の小さな地蔵を買いました。
これらの民芸品は、地元や上田在住の作家さんたちによる作品です。
再び街中を歩きながら、駅へ向かいましょう。
湯かけ地蔵にお湯をかけ、汚れを落としてあげることで、ご利益があるそうです。
桜の枝に小鳥がチュンチュン鳴きながら、ついばんでいます。
見事な開花ぶりです。
まさか4月下旬に見ることができたなんて、幸せなことです。
酒屋があったので、中に入り、上田市の地酒を購入。
「かめぐち」という春物で良さそうだったので、少々値が張ったものの、迷わず買いました。
さらに、店のおばちゃんから、余ったりんご1つをいただきました。
産地ものとはいえ、時期は外れていますから、味はさほど期待できないものの、ありがたい思いでした。
公衆浴場や由緒正しき旅館、ホテルが並んでおり、本来なら観光客で賑わっているはずが、ゴーストタウンのような風景を見るにつれ、悔しさがこみ上げてきます。
16時39分発の電車まで、まだ時間に余裕がありましたので、駅前の茶屋で味噌団子をいただきました。
五平餅に使われる甘い味噌を想像していましたが、ここでは胡椒味噌と甘くないものでした。
さすが味噌の本場、長野とあって、いろんな味噌があるんですね。
別所温泉街を時間いっぱい堪能することができました。
あとは帰るだけです。(続く)
別所温泉3(安楽寺、北向観音堂)
途中、塩田平を一望できるスポットがあり、青空の下、町並みが広がる様子は素敵ですね。
入口で深呼吸。
曹洞宗安楽寺は信州最古の禅寺として、多くの修行僧が仏法や道などを学んでいたそうで、信州学海の中心道場であったことがうかがえます。
安楽寺の先には、国宝八角三重塔が建っています。(拝観料300円)
見た目は四重ですが、一番下はひさし扱いなので、三重だそうです。
木の組み合わせが複雑で、当時の建築技術の高さに驚きます。
参道の入り口ですね。
参道の幅は狭く、両側に飲食店やカフェ、土産物屋、民芸品店などがぎっちり連なっています。
階段を上って、北向観音堂です。
長野県のお寺と言えば善光寺ですが、実は善光寺だけでは「片参り」と言われ、こちらとセットで参拝することで、ご利益があると言われています。
私は逆に今回は善光寺を参拝していないので、「片参り」すら満たしていませんが、とはいえ、厄除け・現生の利益を願う気持ちはもっています。
別所温泉観光の中心だけあって、さすがに観光客は他より多かったですが、それでもまばらなので、密にはなりません。
ここからも塩田平が見えます。
北向観音堂の脇に1本の巨木が立っており、「愛染かつらの木」と呼ばれています。
元々は名前が付いていなかったそうでしたが、この木をモチーフにした小説がヒットし、それで小説の名前をとって、「愛染かつらの木」となったそうです。
縁結びの霊木として、人気があるそうです。
時刻はまもなく午後3時を回り、そろそろおやつタイム&お土産を買うことにします。(続く)
別所温泉2(別所神社、常楽寺)
あいそめの湯で温泉を楽しんだ私は、次に別所神社と常楽寺へと行きました。
午後の日差しがだいぶ強く、湯上りの身にはなかなか堪える暑さでした。
4月19日時点で、富山ではとっくに桜は終わっていましたが、この辺りでは、まだ咲いていたことに驚きました。
おそらく最後の見頃だったのでしょう。
参道の突き当りの階段を上ると、いっそう華やかな桜がありました。
常楽寺の入り口付近を右に折れ、木々が生い茂った山道を上っていきます。
どこからかウグイスの鳴き声がして、そういえば今年初めて聞いたなと思い、また春らしさを感じました。
別所神社は縁結びの神様が祀られているとのことで、私はお賽銭を入れた後、恋みくじを引いてみました。
運勢は「中吉」で、「一心に真心尽せ授かりし縁に 愛の幸せを得ん」と書かれていました。
また、それぞれの項目に助言があり、私自身これらはあくまで参考程度にとどめておくスタンスで、機会があれば生かしていきたいと思っています。
別所三楽寺の1つで、後ほど訪れる北向観音堂を守護する寺です。
藁葺き屋根と木造を中心とした建物で、どっしりと落ち着いた構えをしていますね。
最近、神社や寺に参拝する時は、お賽銭を入れ、当地に来ることができたこと、無事健康でいられたことへの感謝の念を込めています。
やはり神社やお寺は、昔から地域を発展させるのに大きな貢献をして、地域の人々にとっても、拠り所となっていると思うのです。
そういう地域にとって大切な場に、自分が来られたこと、そして今後、ますます地域が発展することを願って、お賽銭を入れるようにしています。
ほんのわずかですが、そういう気持ちで参拝に臨んでいます。
常楽寺本坊の裏には、石造多宝塔がありますので、ちょっと見てみましょう。
両側にすでに石造の塔が並んでいます。
こちらが石造多宝塔。
国の重要文化財で、北向観世音様が出現した縁起の良い文化財です。
ちょうど土地が開ける所と山の境目にあり、こういう境界には神様や仏様が現れるというのをよく耳にします。
こういう石造の塔が大量にあるというのは、全国的にも非常に珍しいそうで、実際に見ることができただけで、ラッキーな気持ちになれますね。
さて、次は安楽寺へと歩を進めます。(続く)
別所温泉1(あいそめの湯)
別所温泉の町並みを散策します。
駅近くに留置されている旧型電車「モハ5250形」。
側面の窓が丸いことから、「丸型電車」として親しまれていました。
丸窓の形は今でも一部の電車に引き継がれています。
旧型電車の向かい側に、イタリアンレストランがあり、そこでお昼をとることにしました。
豚バラ肉とキノコの和風パスタを注文。
メインの前にサラダと焼き芋のポタージュがきて、特にポタージュの濃厚な味わいが印象的でした。
そして、メインのパスタは、豚バラ肉とキノコ、野菜の相性が抜群で、美味しくいただきました。
続いて、上田駅で購入した温泉のチケットを使うべく、「あいそめの湯」へ。
広場の上には、大きな鯉のぼりが風に乗って、ゆらゆらとはためいていました。
青空を泳いでいるみたいですね。
館内に入る前に、名前と住所を名簿に記入し、玄関で検温を済ませます。
浴室には大浴場があり、温度は42℃と、私にはちょうど良い湯加減。
また、外に出ると、露天風呂と陶器風呂があり、爽やかな風を受けながらお風呂を楽しめました。
しかも、私以外には2,3人しかおらず、一時は貸切状態。
のびのびと入ることができました。
ポカポカの体で温泉をあとにし、次は観光に行きます。(続く)