豊橋鉄道東田本線
「駅前」というシンプルな駅名を冠した停留場から車内に乗ると、既に満員状態。
客層は老若男女様々で、恐らく何かのイベントに出かけるものと思われる。
車内は古びていて狭く、さらにドアが閉まる際のブザー音が「ジジジジ」とひび割れの音がした。
発車すると、「ブオオーーン」と吊り掛け式独特のモーター音を鳴らしながら、芝生上の軌道を進んでいく。
やがて道路上に出て、すぐに駅前大通停留場に停まる。
東田本線は概して駅間が短い。
しばらく進んで、豊橋公園前停留場でごっそり降りていった。
外を見ると、大通り沿いに出店が並んでいて、やはり公園で何かイベントがあるのだろうと思った。
前畑から道が上り坂となり、上がりきった所に東田坂上がある。
さらに進んで、競輪場前の手前で道路幅が狭くなり、ここから単線となる。
単線に入る前で上り列車と待ち合わせ、再び出発後すぐに競輪場前に停車した。
ここには車庫が分岐しているのだが、ご覧の通り、アパートの脇に車両を留めていて、まるで車の駐車場のような状態になっている。
これほど列車が身近で生活空間に溶け込んでいるのも珍しい。
競輪場前を出発したこの列車は、次の井原の手前の交差点で南へと折れ、運動公園前へ向かう。
分岐する際、半径11mと日本一急なカーブのため、一部の車両が曲がり切れずに乗り入れることができないそうだ。
交差するそれぞれの道路幅が狭いために、これほどの急カーブになってしまったものと思われる。
井原を出て線路は真っ直ぐ延び、列車は快走して、14時15分に終点の運動公園前停留場に到着。
車内から乗客がどやどやと降りてきた。
停留場の目の前が駅名の由来となっている岩田運動公園。
水神池を始め、緑地が広がっています。
この後、私は再び井原まで歩いて戻り、そこから東へ折れて赤岩口停留場に行きました。
道路沿いに椿が咲いていて春を感じさせるが、やはり風が強くて体感的には暖かく感じられませんでした。