美祢線、仙崎支線、山陰本線(長門市~益田)、山口線
まず、3日目(5月17日)の旅程を晒します。
9:30 長門湯本駅で下車。湯元温泉の観光
11:37 長門市駅着。昼食
12:45 折り返し。12:49に長門市駅着。
12:52 山陰本線の益田行きに乗車。
19:22 防府駅着。3日目終了
・・・上記の通り、この日は昨日以上に観光が多めです。
最終日(5月19日)までを考慮して姫路駅までとしました。
経由が印字しきれず、手書きになってしまうあたり、趣味人としての阿保らしさがにじみ出てます。。。
なお、仙崎支線をはじめ、このきっぷの通らない路線は、別に運賃を払うことになります。
鉄道旅行好きとしては、当然、ボックスシート車を選びますが、車内にはなぜかたくさんの高校生たちが!?
みんな教科書や参考書を開いているから、やはり中間テスト期間なのでしょうが、それにしても遅い通学時間。
この8時34分の前には、7時34分の列車があるから、乗客はあまりいないと思っていたのですが。。。
厚狭川に沿って登りますが、中国地方の他のローカル線あるあるの速度制限があまりなく、軽快に走ります。
無人駅です。
次の列車まで2時間弱もありますから、ゆっくり観光します。
湯本温泉街です。
徒歩7分弱、音信川(おとずれがわ)河川公園内の足湯です。
アルカリ性で、入ってみると、ぬるめの温度がGood job!
この日は少し暑かったのですが、風が吹くと涼が取れていい感じでした。
少し上流の方へ行くと、川沿いの遊歩道に「おとずれ足湯」があります。
入ってみると・・・、あちちち!!
同じアルカリ性でも、先ほどより熱めです。
足を湯の中に入れて3分ともたない私は、早々に引き上げてしまいました。。。
音信川(おとずれがわ)というロマンチックな名称は、ある「恋伝説」が由来だとか。
叶わぬ恋に、せめて自分の想いを届けようと、文に認めて川へ流す。
翻って、今ではLineとかで簡単にネットの海に流すことができ、便利になった一方、こういう風流な恋伝説はきっと生まれないなと思いました。
由緒あるお寺らしく、敷地面積もけっこう広いです。
ちょっと見づらいですが、石段の橋「盤石橋」が架かっています。
江戸時代前期に造られたもので、もちろん接着剤(?)とかあるわけがなく、自然に積み上げただけなんだとか。
小さな橋ですが、それでも日本人の土木技術の高さには驚かされます。
ちょうど、ランチタイムをやってるお店を発見!
まるで普通の一戸建て住宅のような構えで、少し逡巡しましたが、意を決してドアを開いて入店。
中はカウンターと個室が備えられた一般的なつくりで、私はカウンターに座り、日替わりランチ(エビカツ定食)を食べました。
エビカツの衣がサクサク、エビはプリップリで美味しかったので、勢いづいて、長門市名物の焼き鳥にいこうとしましたが、「ごめんなさい、夜しか扱ってないんです」と、あっさり振られました。
この仙崎支線も旅程づくりには手強い相手で、1日の運行本数が6往復しかありません。
沿線は基本的に住宅街です。
あっという間に仙崎駅に到着。
これで支線も含めて、山陰本線完乗です。
仙崎と言えば、詩人金子みすゞですね。
近くにみすゞ記念館があったり、もっと足を延ばして景勝地「青海島」があったりと、観光に興味をそそられますが、折り返し列車が7分後という、はかない空き時間です。
12時45分発に乗り、12時49分に、今旅行3度目の長門市駅へ。
次の山陰本線、益田行きが12時51分と絶妙この上ないのですが、仙崎駅が自動券売機のない無人駅のためにきっぷが買えず、急いで橋を渡って改札口で駅員さんに帰りの運賃140円を払い、さらにポケットからあの複雑な経路が書かれたきっぷを見せ、「あー、どうぞ」と半ば呆れ顔で言われても気にする暇なく、また橋を渡って、益田行きの列車に飛び込みました。
2度目の区間は、曇りや雨という、前日の天気予報の予想を大きく裏切り、晴れ間が広がりました。
本数は線内で最も少ない区間ですが、それだけにこの車窓の希少性が高まります。
次が17時18分と、またしても2時間以上の空きがありましたので、市内観光です。
ちょうど医光寺行きのバスがありましたので、何も下調べせずにそのまま医光寺へ行きました。
中には、雪舟庭園があり、池の中央に鶴と亀をかたどった島を置いています。
観光客がほとんどおらず、心が落ち着きます。
続いて、医光寺から徒歩8分程の、萬福寺。
ここ、私が高校2年生の時の宿泊旅行(地域研修プロジェクトという名前だった)で来たことがあり、今回は2度目です。
こちらが、もう一つの雪舟庭園で、仏教の「極楽浄土」の世界を表現しているそうです。
すると、ここで1つの疑問が浮かんできます。
なぜ雪舟は近くに庭園を2つも造ったのか。。。
その疑問を先ほどのおばあちゃんに投げかけたところ、医光寺は武士向け(主にこの辺りを治めていた益田氏)であり、鶴亀は長寿を示しています。
時代背景をもとに、2つの庭園を比べてみると、なかなかおもしろいものですね。
・・・観光客が誰もおらず、一度個人的にやってみたかったのが、縁側に座ってボーっとすること。
胡坐で静かに庭園を眺めていると、サーーッと薫風が吹いて、心地いい気分に浸れます。
ひょっとすると、昔の人々も同じ時期に、仏教の極楽浄土の願い抜きに、初夏の風に当たりながら、いろいろ思いを馳せていたのかもしれません。
そう思うと、過去の人々と「つながっているな~」と感じてきます。
庭園を見るだけでなく、五感で体感した時間がどんどん過ぎていき、16時過ぎに萬福寺を後にしました。
バス停の場所が分からないので、とりあえず益田駅まで歩くことに。
三宅御土居跡(みやけおどいあと)です。
途中、帰宅してどこかへ遊びに行くであろう小学生に「こんにちは」と挨拶されました。
唐突で一瞬の間が空いた後、私も挨拶を返しました。
子どもに挨拶されるのは久しぶりで、嬉しくなったと同時に、大人としてちゃんとしなければいけないなと襟を正す気持ちになりました。
こういう挨拶のやり取りがどこでも気軽に行われたらいいのになと思うのですが、今月上旬に起こった新潟市の小学生女児殺害事件をはじめ、無垢な子ども達を狙う不審者が多く報道されているこのご時世、寂しい限りです。
特急列車は、深い森の中だろうが、広大な水田地帯だろうが、町の中だろうが、お構いなしにスピードを出します。
18時51分、新山口駅に到着。
19時22分、防府駅に到着し、3日目が終了。
夕食は、ホテル近くのラーメン屋で、あっさり牛骨ラーメンを食しました。