ゆき丸の鉄道日記

鉄道旅行や雑記を綴ります。

紀勢本線1、紀州鉄道、和歌山県御坊市寺内町

5月25日(金)から27日(日)まで、和歌山県三重県の、所謂、紀勢地区の鉄道旅をしてきました。

日程を簡単に示すと、

25日(金)

26日(土)

27日(日)

このうち難物は、1日目の紀州鉄道線で、紀勢本線との接続がうまくいかなかったり、西御坊駅で1時間以上の折り返し待ちなどがあったりして、今まで3回紀勢本線に乗ってきたのに、このローカル線を放置していた自分に若干苛立ちを覚えましたが、一方で、観光ができるというメリットも生まれるので、ここは積極的に捉えていこうと思います。

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1日目と2日目は、この乗車券を使い、他に必要な特急券を購入しましました。

前回の山口旅行のように、経由で印字しきれない部分が出ました(苦笑)

みどりの窓口で発券するのに10分弱かかり、駅員さんや後ろのお客さんには申し訳ない思いですが、このおかげで途中下車ができますので、感謝です。




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9時32分発の特急「くろしお5号」、新宮行きです。

この車両は、元々、北陸本線の特急「しらさぎ」で使われた車両で、2015年から「くろしお号」に投入され、既存の国鉄型車両を置き換えました。

これに乗って、紀州鉄道線のある御坊駅を目指します。

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淀川を渡った先で、大阪環状線へとつなぐ「梅田貨物線」に入っていきます。

梅田貨物線は将来、地下化されるらしく、その時に現在の大阪駅付近に駅を設置する予定で、工事の方も進んでいます。

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この踏切もいずれなくなり、歩行者や車のスムーズな流れが期待されます。

列車は、福島駅、野田駅としばらく大阪環状線と並走します。

西九条駅手前で、合流。

この大阪環状線は、環状線をぐるぐる回る普通列車の他、大和路快速関空・紀州路快速、これにユニバーサルシティ方面と関空特急「はるか」が加わる過密路線です。

ここで環状線へ入る時、いったいどんなダイヤを組んでいるのか、個人的に興味深いです。

西九条駅では、上下線に挟まれた中線(2・3番のりば)を、そろそろと通り、ホームにいた乗客がこちらをじっと見たりします。

天王寺駅に着き、ここから阪和線に入ります。

阪和線も、途中までは普通列車の他、区間快速関空・紀州路快速関空特急「はるか」が通り、すぐ先行する列車に追いついてしまうためか、あまりスピードを出しません。

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山中渓駅(やまなかだにえき)付近から、府県境の和泉山脈、雄ノ山峠をトンネルで抜け、和歌山県へと入ります。

一級河川紀の川を渡り、10時34分、和歌山駅に到着。

引き続き、紀勢本線きのくに線)へと入っていきます。

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冷水浦駅(しみずうらえき)付近で、ようやく海(紀伊水道)が見えてきました。

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この辺りは、工業地帯でもありますね。

紀勢本線はすぐに山里の中へ入り、中には海から少し遠いのに「広川ビーチ駅」なんてのもあります。

11時16分、御坊駅に到着し、跨線橋を渡って改札口へ向かうと、中学生の男の子3人程が改札業務をしていました。

おそらく、職業体験という授業で、数日、お仕事(といっても中学生なので簡単なもの)を通して、自分の将来や働く人々の思いを考えるのでしょう。

特急券は回収してもらい、乗車券を見せて「途中下車します」と言うと、傍にいた駅員さんが気付いて、私の乗車券に途中下車印を押してくれました。




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次の紀州鉄道線が、11時53分と中途半端に時間が空きましたので、駅周辺を少しぶらぶらしてみます。

・・・が、駅前にビジネスホテルや飲食店がある他、あとは学校と住宅街しかなく、これといって見るべきところはありませんでした。




駅前に戻った私は、観光案内図を眺めました。

すると、紀州鉄道線の終点、西御坊駅に、古い町並みがあるのを見つけました。

ちょうど、西御坊駅で1時間以上の空き時間がありますので、町並みを知るチャンスですね。




・・・そろそろだとベンチから腰を上げ、駅の改札口へと向かいます。

紀州鉄道線は、駅構内に自動券売機が設置されていないため、バスと同じ車内清算となります。

駅員さんに「紀州鉄道に乗ります!」と声をかけて通り、1番のりばの先の0番のりばへ。

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紀州鉄道線は、御坊駅西御坊駅を結ぶ全長2.7kmのきわめて短いローカル線で、「日本一最短のローカル線」なんて宣伝も掲げています。

ちなみに日本一保有する短い路線は、千葉県にある芝山鉄道で、東成田駅から芝山千代田駅間の2.2kmです。

しかし、あちらは全列車が京成本線と直通するため、この路線が実質的には最短ローカル線と言っていいでしょう。

それにしても、この紀州鉄道、本社が東京都中央区日本橋という、東京のど真ん中にある不思議な会社で、鉄道事業の他、ホテル事業を手掛けているそうです。

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列車出発後、進行方向左へ大きくカーブして紀勢本線と分かれ、住宅街や畑地帯をのんびり進みます。

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次の学門駅は、受験生に縁起の良い駅とされ、お守りやキーホルダーが隣の紀伊御坊駅やネットの通信販売で買うことができます。

わずか8分の乗車で、12時1分、終点の西御坊駅に到着。

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古い木造小屋みたいな感じで、ミニ鉄道にふさわしい、ローカル色溢れる駅舎ですね。

列車はエンジンを止め、折り返しの13時10分まで、ここで昼休みを取るのでしょう。

中で『寺内町散策マップ』を手に入れ、開くと散策マップとモデルコースが示されていましたので、これを見ながら、周辺を散策してみたいと思います。

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私はこちらからスタートしました。

あとでマップを見返したら、どうやらモデルコースの順路と逆方向に歩いていたそうで、当ブログでも逆方向の順に紹介したいと思います。

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人通りの少ない、地方ではよく見かける光景ですね。

一方、車の往来は多く、これも地方ではあるあるです。

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古い木造住宅が建ち並んでいます。

シーンと静まり返っています。

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蔵屋敷も散見され、昔ながらで味わいのある町並みですね。

旧中川邸という蔵邸宅があり、その隣(?)に美味しそうなカフェがありました。

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本願寺日高別院というお寺で、江戸時代には「日高御坊」と呼ばれ、これが現在の市名につながっていきました。

御坊市はこのお寺を中心に形成されたんですね。

中へ入りたかったのですが、お休みでしょうか、門が閉まっていました。

なお、本堂は御坊市指定有形文化財です。

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モデルコースには、写真でいう川の右側の狭い道も通ることになっています。

案内表示がありませんので分かりづらく、あまり観光に力を入れてないのかなという印象ですが、逆に言えば、下手に観光客に荒らされず、生の町の姿や日常風景を見ることができます。

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小竹八幡神社です。

ごくごく普通の神社ですが、静かで落ち着きます。

なお、神社から道路を挟んだ向かい側に、大きな観光案内マップがありました。

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神社の裏側には、線路跡があります。

これは紀州鉄道線がかつて、日高川駅まで走っていて、1989年に廃線になりました。

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廃線からおよそ30年経った今でも、線路が残されていますが、無断立入は禁止されています。

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西御坊駅に戻ってきました。

駅舎の右側から中へ入れそう。。。

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狭っ!!

駅舎が傾いています。

そして、天井がかなり低いです。

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すでにアイドリングしている13時10分発の列車で再び御坊駅に戻ります。

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御坊駅で車内清算後、今度はこのような清算済票をもらいます。

これを御坊駅の改札口で駅員さん(この時は中学生)に渡します。




紀州鉄道線は、これで完乗です。

今度来た時、日高別院の中の様子や中川邸のカフェでのランチ、そして日高川駅までの廃線跡とかを見てみたいですね。

鉄道の利用者は少ない(私が乗った列車は往復それぞれ数人)けれど、地元民に大切にされている路線ということが、地元民と乗務員との何気ない会話で、分かった気がします。