ゆき丸の鉄道日記

鉄道旅行や雑記を綴ります。

三岐鉄道北勢線

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名駅東口から徒歩5分程の所に、次の未乗線である三岐鉄道北勢線西桑名駅があります。

なぜ東側なのに「西桑名」という紛らわしい駅名なのかというと、1914年の開業当初は大山田村駅という自治体名から取ったものでしたが、その後、大山田村は西桑名町に改称し、駅名もそれに合わせました。

やがて、西桑名町が現在の桑名市編入されましたが、駅名だけは残って今に至っているそうです。




窓口で、1日乗り放題パスを購入します。

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パスは北勢線の他、近鉄富田駅から西藤原駅間を結ぶ三岐線にも利用できます。

パスの他に、利用の注意事項と北勢線沿線観光マップが付きます。

それらを駅員さんからもらうと、「北勢線の利用は初めてですか?」と尋ねてきたので、そうですと応えると、

「有人駅では、このパスを係に見せて通ってください。無人駅ではインターホンを押してください。最寄りの有人駅の係の者が出ますので、そのパスを日付面を上にして置いてください。係がパスの確認ができたら、通します。」と、詳しくもややこしい説明をしてくれました。

聞いた時点では、なんのことかよく分かりませんでしたが、実際に乗って無人駅の改札口を見ると、たしかに自動改札機があるだけで誰もおらず、改札機に通すことができないパスでは、そういう煩雑な手続きを取らなければならないことを理解しました。

もっとも、終点の阿下喜駅は、注意事項によると有人駅(一部時間帯のみ)であり、行き帰りをするだけの私には、関係のないことだと思いました。






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ホームに入ると、すでにたくさんの人が待っていました。

14時5分発の列車は、ひと回り小さく、まるで遊園地にあるようなミニ電車といった感じです。

車内に入ると、これまた狭っこく、車端部には何か機械みたいなものが設けられていました。

この北勢線は、全国でも数少ないナローゲージ(線路幅が762mm)を採用しており、しかも西桑名駅から阿下喜駅までの20.4kmの路線長は、ナローゲージ路線としては最も長いです。

ちなみに隣を走るJR関西本線の線路幅(軌間)が1067mm、近鉄名古屋線が1435mmで、すべて違う種類の軌間と列車が見られるのは、ここだけです。




西桑名駅を出発すると、列車は「ブーーーーン」と、路面電車のような吊り掛け式モーターがうなり、上下左右にガタガタ揺れます。

力強くゆっくり走り、カーブに差し掛かると、ギギギと軋む音を立てながら、曲がっていきます。




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北勢線は、員弁川(いなべがわ)河岸段丘の北岸を走り、進行方向左手から田んぼや川を見下ろすことができます。

また、楚原駅(そはらえき)からおよそ1km先で、「土木学会選奨土木遺産」の「ねじり橋」と「めがね橋」を渡ります。

歴史的に貴重な橋なので、ぜひこの目に焼き付けたかったのですが、さすがに車内からは「はしにも棒にもかからぬ」程、見ることができず、あっけなく過ぎていきました。

一方、父親と抱っこされた子供が橋を通る列車を眺めたり、カメラを持った人が写真に収めたりしていました。




北勢線沿線マップを眺めていると、どうも終点の阿下喜駅から員弁川を渡った対岸に、三岐鉄道三岐線伊勢治田駅があることが分かります。

それでスマホを取り出し、wikipedhiaの阿下喜駅を見ると、伊勢治田駅までおよそ2km、徒歩30分弱という情報が載っているではありませんか。

これが本当なら、わざわざ西桑名駅まで折り返し、近鉄名古屋線近鉄富田駅まで行って、三岐線をまた往復するという面倒くさい行程(およそ1時間半)を省くことができます。

パスを買ってしまったのが少しもったいないですが、時間が生み出せるなら、そちらを利用しない手はないでしょう。




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14時56分、終点の阿下喜駅から伊勢治田駅に向けて歩きます。



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今やスマホの地図アプリを使えば、簡単に地図を出すことができて便利ですね。

これを見ると、員弁川を渡って国道365号線を超え、真っ直ぐ進めば三岐線の線路にたどり着くという見通しが立てられます。

しかもGPS機能付きですから、自分が今どこにいるのかの立ち位置も分かってしまうので、プライベートを把握されている気はしますが、長めの徒歩乗り継ぎには大いに利用するべきでしょう。

さらにスマホ伊勢治田駅の発車時刻も調べることができます。

すると、西藤原駅方面の列車は、15時42分発が出てきます。

よしんばそれに間に合わなかったとしても、次が16時8分で、これに乗っても当初案より1時間近く早めることができます。

これだけの見通し材料があれば、安心して歩くことができますね。




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まずは員弁川を渡ります。

遠くに太平洋セメント藤原工場が見えます。



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この先、右の方へ行きます。

車の往来はありますが、歩いている人はいません。

国道365線との交差点に出ると、自転車に乗った小学生が私の右隣で停まり、歩いている人は珍しいという顔をして、こちらをチラッと見ます。


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さらに道を上っていくと、閑静な住宅街に入ります。




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三岐線の踏切が見えてきました。


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15時20分、伊勢治田駅に到着。

阿下喜駅から私の足で、およそ25分といったところでしょうか。

次の15時42分発の列車まで少し時間がありますが、周辺には特に何もなさそうなので、ホームへ入ります。(続く)