ゆき丸の鉄道日記

鉄道旅行や雑記を綴ります。

岩手県北バス、岩手交通バス、三陸鉄道南リアス線、大船度線(BRT)

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13時10分に宮古駅に到着後、これから14時20分発、田の浜行きのバスに乗り、途中の「道の駅やまだ」にて、15時43分発の釜石高校行きのバスに乗り継いで釜石駅前まで行きます。

並行するJR山田線は、2011年の震災以降、不通のままですので、釜石駅までは2つのバスを使わなくてはなりません。

そこから三陸鉄道南リアス線に乗り換えて盛駅まで行き、さらに大船度線(BRT)で今晩泊まる宿がある気仙沼駅まで乗ります。

次のバスまで1時間10分ありますから、駅のみどりの窓口で、翌日から使う予定の「週末パス」(8730円)を購入しようとしました。

ところが、駅員にそのきっぷを伝えても、「シュウマツキップ・・・?」といった風で、どうも様子がおかしい。。。

こちらがきっぷの内容をいろいろ説明すると、ようやく理解したようですが、「ここでは売れません」と返事されました。

なぜか、と理由を訊ねると、フリーきっぷエリア内でしか発売されず、エリア外の宮古駅では発券できないとのこと。。。

まさかと思い、時刻表のトクトクきっぷのページを見ると、確かに下の方に小さく、「うりばはフリーエリア内・・・」という文言が記されているではありませんか!

今日泊まる気仙沼駅もエリア外ですし、このきっぷの発売日は「利用開始日の前日まで」とあるから、明日土曜日は絶対に買えない・・・

目の前が真っ暗になったような気持ちになり、こんなことなら、大宮駅での乗り換え時間の間に、いったん改札を出て、指定席券売機で買っておくべきだった。

10分しかありませんでしたが、もし券売機が空いていたら、急げばゲットできたかもしれない。。。

自分が見落としたせいで、今回の旅行はマルマルモリモリ通常のきっぷで乗らざるを得ないことに、すっかり肩を落としました。






宮古駅前を少し散策しようと外に出ると、雨がしとしとと降っていて、とても歩こうという気持ちにはなれない。

三陸景勝地浄土ヶ浜」へ行こうにも、バスで片道20分もかかり、あと1時間でじっくり観光できるとは思えない。

お昼ごはんにしても、先ほど車内で「鯖の押し寿し」を食べてしまったため、お腹も空いていない。

結局、待合室で、年配の人達とともに、じっと待つことになりました。




14時を過ぎ、そろそろと重い腰を上げ、田之浜方面のバス停へ向かうと、すでに行列ができていました。

特に高校生が多く、中間テストの帰りなのでしょうか。

これだけ多くの利用者がいれば、今度旧JR山田線の不通区間三陸鉄道が引き取って再開されるそうですが、それなりに需要があるような気がします。

とにかく高校生達に交じって並ぶこと10分・・・




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バスがやってきました。

前扉しかないタイプですので、座席は多く、海側に座ることができました。




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バスは市街地を抜けると、海沿いを走ります。

防波堤の建設が進んでおり、三陸特有のリアス式海岸を眺めようにもできないのが残念ですが、津波対策である以上、仕方ありません。


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とはいえ、まったく見えないわけではなく、道路が高台を通るときに、時々、見ることができます。

バスが停留所に着くたびに高校生が降りていき、だいぶ空いてきました。

そして、15時22分、バスは道の駅やまだに到着し、降りた私はトイレを済ませた後、店内を歩き回り、値引きされていた手づくり団子を買う。




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15時43分発のバスは、私の他、あと2名ほどの高校生を乗せて発車。

雨が窓に強く打ちつけ、景色を眺めるどころではなかったです。

そもそも、この日は低気圧が去って、全国的に晴れてくるはずなのに、なぜここだけいつまでも雨が続くのか。。。

気になって、スマホの天気予報アプリを見ると、日本列島のほとんどが晴れているのに、なぜか私のいる所だけが雨マーク。

しかも、雨雲レーダーで1時間後までの推移を見ると、どういうわけか、これから私が釜石方面へ南下するのを見こして雨雲も下がってくるではないか。

このルートは去年の夏にも通ったことがありますが、その日もこの地方特有の冷夏「やませ」に見舞われて、お盆なのに気温が20℃、周囲は真っ白の霧雲に覆われて、肌寒い思いをしたのを覚えています。

これまで何度も東北地方を訪れましたが、来るたびに雨に当たっている気がして、どうもお天道様に嫌われているのか、それとも雨雲とは運命共同体なのか。。。

「週末パス」を買い損ねたことも重なって、旅行気分がだんだん萎えてくるようでした。




バスは吉里吉里、大槌、鵜住居(うのすまい)を通り、この辺りは新しい住宅が次々と建てられ、中にはマンションも堂々と建っていました。

釜石市街地を通り抜け、16時31分、釜石駅前で下車。


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「待ってました!」とばかりに、ザーザー降りで、まことにけしからん天気だなと思いました。

宮古駅からここまでの運賃が1400円以上ちょっと。

JR時代はおよそ56kmで1140円ですから、余計にかかっています。

ただ、被災したところにバスが通っただけでも移動手段は確保できましたから、時間も運賃もかかる以上、仕方ありません。




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少し濡れながらも、三陸鉄道の駅舎に入り、盛駅までのきっぷを購入。


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ホームには、16時52分発の単行ディーゼル車が待機していました。

ちなみにこの車両は、クウェートからの支援を受けて製造されたものです。

バスから乗り換えたためか、車内が明るく広々としていて、テーブル付きのボックス席に座ると、先ほどのバスより乗り心地が格段に良いと感じます。

しかもトイレ付ですから、万が一のことがあっても安心です。



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三陸鉄道南リアス線も2011年の震災で、しばらく運行されなかったのですが、徐々に復旧していき、3年後の2014年に全線再開を果たしました。

北リアス線と同様、トンネル区間が多かったのが幸いでしたが、そうはいっても、赤字の第三セクター路線で全線復旧までこぎつけたのは、地元住民の働きもさることながら、三陸鉄道会社の並々ならぬ情熱が大きいでしょう。

旅行者としては、上の写真のように、特に吉浜の海岸をゆっくり眺められるのが、嬉しいですね。
(徐行運転してくれる。)

吉浜はアワビがとれ、香港など海外へも積極的に輸出してるとのこと。



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地上区間では、防波堤を築き、しっかり津波対策を施しています。



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南リアス線の珍駅名とえば、恋し浜駅

「愛の磯辺」という愛称が付けられていますが、もともとここの字が小石浜であり、直販されているホタテのブランド「恋し浜」にちなんで、2009年に変更したそうです。



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陸前赤崎駅を出ると、真下に岩手開発鉄道赤崎線という貨物線が見えます。

これは盛駅より先の内陸部に鉱山があり、そこで石灰石をのせて太平洋セメント工場まで運ぶ路線です。



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盛川を渡り、左手に大船度線のバス専用道路が見えてきました。

南リアス線と大船度線では、スイッチバックという形で続きます。

17時39分、終点の盛駅に到着。


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貨物線(日頃市線)は、内陸部の岩手石橋駅まで延びています。

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石炭を運ぶ貨車が留置されています。

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南リアス線のホームから駅舎へはバス専用道路をそのまま渡ればいいですが、跨線橋で渡ることもできます。

次のバスが17時49分発ですが、これは途中の陸前矢作止まりであり、その次の18時9分発の気仙沼行きに乗ります。



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バスが来ました。

乗車券は駅で買ってあるので、整理券を取る必要はありません。

車内にはこれまた部活帰りの高校生が多く乗っていました。



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大船度線も震災による被害で、海沿いの気仙沼駅から盛駅までが鉄道ではなく、BRTというバス路線として運行を再開しました。

BRTとは、「Bus Rapid Transit」の略称で、バス専用道路を有し、定時性を確保する交通システムのことらしいですが、実態は路線ごとに異なっていて、正直、私もよくわかっていません。

雨がようやく止み、景色を見ると、中まで入り込んだ大船度湾に太平洋セメントの工場地帯が見え、煙がモクモクと吐いています。


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バス専用道路には、大船度線の線路を再利用していて、所々に踏切があったり、トンネルを抜けたりします。



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全線が専用道路を通るわけではなく、小友駅より先は一般道を走行します。



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「雨降って地固まる」ほどではないにしても、雨上がりの夕焼けは、きっぷと天気で萎えた気持ちを少しずつ元気にさせてくれます。



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陸前高田の様子ですが、津波浸水時のままでしょうか、ショッピングセンターなど一部を除いて、住宅は建っていません。

重機が置いてあるぐらいで、先ほどの大槌町とは対照的です。

7年経った今でも、生々しく伝えてくれます。



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奇跡の一本松が、車内からも見えます。



長部駅から長いトンネルを抜け、宮城県気仙沼市に入ると、辺りはすっかり暗くなりました。

19時17分、終点の気仙沼駅に到着。


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1時間以上座りっぱなしで、お尻が痛くなりました。

1日目の行程はここまでで、翌日は気仙沼線(BRT)で小牛田方面へと向かいます。(続く)