山交バス ~荒砥駅から山形駅まで~
それは、バスが必ずしもダイヤ通りに運行されず、予定の列車に乗り遅れてしまうことです。
私がこれから乗車する9時17分発のバスは、ダイヤ上、10時ちょうどに山形駅前に到着します。
そして、10時8分発の新幹線「つばさ123号」ときわめて良い接続なのですが、これは机上の論理であって、裏を返せば、わずかな遅れも許されないことを意味します。
ところが、バスは鉄道と違って、現実には信号やクルマの交通量などに大きく左右されます。
とりわけ地方の大都市はクルマ社会で、市街地へ入れば入るほど、信号とクルマの往来が多い傾向にあります。
だから、私としては、(前回のブログで「神旅程」なんて勇ましいことを書きましたが)この旅程が本当に有効かどうか身をもって検証したいのです。
バスが入ってきました。
時刻は9時22分と5分遅れで、この時点でイヤな予感しかない。。。
まちを抜けると、いよいよ山越えです。
白鷹トンネルと境小滝トンネルを抜けます。
この間、民家がわずかに点在するだけですが、お年寄りが乗ったり降りたりしていました。
土地が開けてくるのにともない、こまめに停留所に停車し、乗客も増えてきました。
前方には山形市街地らしき高い建物群が見えてきました。
が、この時点ですでに10時を回り、心の中で「あ、無理かも」とつぶやきました。
そして、予想通り、市街地に入ってから信号による停車が多くなり、また、クルマの交通量でなかなか前へ進みません。
しかも、大型バスですから、のっそりと加速し、カーブ時も周りの車や柵にぶつからないよう細心の注意を払って、おそるおそる進んでいきます。
赤信号で停車したバス車内で、新幹線が山形駅へ入っていく様子に、指をくわえながら見ていた私にとって、屈辱の光景でした。
・・・結局、13分遅れの10時13分に、山形駅前着。
とっくに過ぎ去ってしまった「つばさ123号」に乗れなかったことを悔やみながらも、「やっぱ、ムリゲーだったな」と悟るのでした。(続く)