ゆき丸の鉄道日記

鉄道旅行や雑記を綴ります。

日高本線1(苫小牧~鵡川)

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苫小牧駅14時32分発、鵡川(むかわ)行きに乗ります。

乗車率は40%程度でした。




日高本線苫小牧駅様似駅を結ぶ全長146.5kmの地方交通線です。

もともとは王子製紙苫小牧工場で使用するパルプ原料となる木材を輸送するために、1909年に三井物産が専用馬車鉄道として苫小牧駅から鵡川駅区間を敷設しました。

国有化後、路線の延長、駅の新設が進み、1937年に様似駅まで開業しました。

さらに、路線は襟裳岬を回って広尾で、帯広駅から出ていた広尾線とつなげる計画もあったそうです。

しかし、1987年に広尾線が廃止され、そして日高本線も2015年1月の、猛烈に発達した低気圧による高波と土砂流入、さらに追い打ちをかけるように、同年9月の台風17号による路盤の流出で、鵡川駅から様似駅までの区間で不通になり、莫大な復旧費用が必要になることから、JR北海道は復旧を断念しました。

2020年度を目処に廃線の意向を示しましたが、今も列車が走っていませんから、事実上、廃線状態のようなものです。

そういうわけで、現在、列車は苫小牧駅から鵡川駅までの30.5kmを走り、鵡川駅から様似駅までの116km(実際はそれ以上)は代行バスが担っています。




北海道旅行の計画を立てた当初、わざわざ代行バスを使ってまで様似駅を往復せず、途中の鵡川駅で折り返してもいいじゃないかと、頭をよぎりました。

なにしろ、列車は走ってないし、往復するのに合計8時間近くかかるのですから。

でも、スケジュールを検討した結果、なんとか北海道フリーパスの有効期間内で周れることが分かり、それなら被災した現場をこの目で確かめたり、まちの風景を味わったりしてみたいと思い、様似駅まで往復する、およそ正気の沙汰ではない旅程を実行することに決めました。




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進行方向右手に2,3本の煙突が見え、煙をはいていますね。

日本製紙工場だと思われます。



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人家の少ない草原地帯を快走します。




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浜厚真駅手前で、火力発電所が見えます。



途中駅ですら周辺に住宅をあまり見かけなかったのですから、降りる人は少なく、この時点でも相当厳しい運営なんだろうなと推察されます。

やがて、住宅街が現れ、15時2分、鵡川駅到着。


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線路はこの先もまだ延びていて、今でも十分走り出せそうな雰囲気を漂わせています。

列車はここまでで、およそ110年前に建設された当初の区間と同じになってしまいましたね。


駅舎を出て、代行バスに乗り換えます。(続く)