日高本線2(鵡川~静内:代行バス)
むかわ町の市街地を通り、さらにバスは国道235号を走ります。
ふむふむ、このまま国道を通るんだな・・・
と思ったら、途中で右折して狭い道路を通りはじめました。
そうか、「代行バス」だから、路線バスと違って、ちゃんと鉄道の駅に寄るんだな。
広い畑地・更地の所を走り、どう見ても住宅街が形成されているとは思えません。
国道から外れておよそ3km、1つ目の汐見駅です。
海側に住宅がある程度で、1人乗客が降りて行きました。
ホームは待合室すらない、吹きさらしの状態ですが、線路の状態は良好でまだ使えそうです。
しかし、これから静内駅まであと8回もこうして駅に寄るのかと思うと、そりゃあ時間がかかるな~と思うと同時に、バスに乗ったことを後悔し始めました。
来た道を戻って再び国道へ出て、バスは上ったり下ったりしながら進みます。
馬が牧草を食べていて、牧歌的な景色が見られます。
この辺りは牧場が多く、サラブレットの産地ですね。
急な坂を上り、丘の上へ出ると、時刻表には乗っていない「富川高校」に停車しました。
高校生への便宜を図ってのことでしょうが、しかし、今日は日曜日で校舎は閉まっていました。
坂を下って市街地に戻り、線路沿いを進むと、富川駅に到着。
こんなにちょこまかと停まるのかと思うと、一応、終着時刻の予定はあるとはいえ、前途多難で青ざめてきます。
もっとも、折り返しの設備に1億円はかかるそうですが。
しかし、さすがに豊郷駅付近からは石かごが崩れ、線路も路盤ごと流失していました。
2015年1月の猛烈な低気圧や、その後次々と襲った台風による高潮が土砂をえぐり、変わり果てた姿になっていました。
すぐ近くが太平洋という風光明媚なところで、日高本線のビュースポットの1つだと思われますが、そういう所は天災に弱い「諸刃の剣」なんだなということが分かりました。
これで復旧を進めたとしても、乗客が増える見込みもない大赤字路線で、しかもまたいつ高波・高潮が襲ってくるか分かりませんから、そりゃあ、復旧する意欲をなくしますよね。
線路に雑草が覆い始めています。
立派な駅舎が建っていて、自動券売機のほか、窓口、そば屋、お土産屋もあります。
バスはこの駅を境に系統が分割されているため、必ず乗り換えることになります。
したがって、私も17時14分発、様似行きのバスに乗り換えます。(続く)