ゆき丸の鉄道日記

鉄道旅行や雑記を綴ります。

函館本線(砂原支線)

イメージ 1

イメージ 2

小幌駅から普通列車に乗車した私は、16時9分、洞爺駅に着き、16時37分発、特急スーパー北斗16号、函館行きに乗り換えます。



イメージ 3

7両編成で、私が乗車した先頭の指定席車は満席でした。

たぶん他の車両も満席か、それに近かったでしょう。





列車は海沿いでも山中でもお構いなしに、振り子制御を発揮してぐんぐんスピードを増していきます。

先ほど滞在した小幌駅には、ほんの一瞬で通過し、やはり知らないと駅の存在に気が付きません。





長万部駅、17時1分着。

これで室蘭本線は乗車済み区間も含めて完乗しました。

ただ、この先は函館本線という名前に変わるだけで、特急スーパー北斗16号は1分も経たないうちに駅を出発しました。



イメージ 4

左窓をのぞくと、内浦湾の向こうに、うっすらと駒ケ岳が見えてきます。

函館本線は森駅まで内浦湾の縁をなぞるように、ぐるりと弧を描きます。

この辺りも古い木造家屋が多く、漁村らしい鄙びた雰囲気が出ています。



イメージ 5

森駅に近づくと、海の向こう側に半島のような形が見えてきます。

室蘭市の絵鞆半島(えともはんとう)です。

17時42分に森駅に着き、渡島砂原経由の普通列車に乗り換えます。

のりばが隣とはいえ、1両の普通列車は後方にあり、先頭車から移るのにちょっと時間がかかりました。




イメージ 6

おや?

国鉄気動車に違いありませんが、なんか外観の色が変わっていますね~。

調べてみると、つい1週間前の6月18日に運用され始めたばかりの「道南 海の恵み」という車両で、水色を内浦湾に見立て、様々な魚たちのイラストが施されています。



イメージ 7

イメージ 8

車内は、木材のフローリングで落ち着いた雰囲気を演出しています。

座席の背もたれにも木材が使われ、シートは青とオレンジと、新しいものに交換されています。

簡易改造した車両で、まあこの程度で飛びつくのは、モノ好きな鉄道マニアぐらいだろうと思っていたら、車内に入ってきた女子高生たちが私の対面のロングシートに座るなり、

「え、なにこの電車?」

「ちょっと(良い意味で)ヤバいんだけど~。初めて乗った~。」

と、テンション上げ上げのようでした。




名物の駅弁「いかめし」を買いたかったのですが、6分で跨線橋を渡り、改札口を出て買えるかどうか心許なかったので、やめました。

もっとも、「いかめし」は函館駅にも売っているのですが。





イメージ 14

これから乗る普通列車は、通称「砂原線」と呼ばれ、海側を回る支線です。

森駅から大沼駅までの35.3kmの区間で、本線より12.8km長いです。

本線が急こう配のため、それを緩和する目的で「砂原線」ができたのですが、現在は全ての特急列車と一部の普通列車、下りの貨物列車が本線を通り、「砂原線」経由は上り貨物列車と、大半の普通列車が通っています。





たくさんの高校生たちを乗せ、17時49分に森駅を出発した列車は、市街地をゆっくり走ります。

右側に駒ケ岳がそびえ、だんだんと近づいてきます。

はじめは地平で海が少し見える程度でしたが、だんだんと高度を上げていき、次第に林の中へと分け入ります。




男子高校生が「あっつ!」と言って、窓を開けました。

列車はずいぶん森の中を走るようになり、これでは虫が入ってくるではないかと思いましたが、かといって、わざわざ男子高校生に「虫が入ってくるから、窓を閉めてください。」なんて言うこともできません。

日が山かげに隠れ、暗くなり始めたから、虫が明かりのあるこの車両に寄ってこないか心配でしたが、渡島砂原駅で大半の高校生たちが降りて行き、いなくなったのを見計らって、窓を閉めました。



イメージ 9

イメージ 10

民家は駅前に点在するぐらいで、列車は鬱蒼(うっそう)と生える木々を縫いながら、さらに上っていきます。



イメージ 11

灰色のくもり雲の下に入りました。

こんなに森ばかり見せられると、なんだか森の中を彷徨っている気分になります。

しかも、貨物列車も走るはずの重要幹線なのに、線路の状態が悪いのか、やたらトロトロ進むものですから、なおさらその気持ちを増幅させます。



流山温泉から右手に大沼がありますが、ちょっと暗いし、木々が柵になって、視界を遮ります。

そのうち先ほど森駅で分かれた本線と合流し、18時40分、大沼駅着。

列車は下りの勾配にかかり、七飯駅でようやく町らしくなり、それに伴って乗客も増えてきました。

19時17分、函館駅に到着。




イメージ 12

列車から降りると、1人の女子高生がこの車両にカメラを向けて、熱心に写真を撮っていました。

将来、有望な鉄道ファンになりそうですね。

撮り終わると、この車両を運転していた運転士と親しげに話し、改札口を出ていきました。




イメージ 13

これで6日目の旅程は全て消化できました。

明日は函館市電函館本線の藤城支線に乗って、北海道の鉄道路線完乗です。

同時に、北海道を発ち、青函トンネルを抜けて東北へと足を踏み入れます。(続く)