ゆき丸の鉄道日記

鉄道旅行や雑記を綴ります。

函館市電(本線)

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ロープウェイ山麓駅から歩くこと10分、市電の十字街停留場にやってきました。

ここには、現存する最古の操車塔あり、かつてキノコ型の操車塔の中に職員が信号やポイントの切り替えを行っていました。

1939年(昭和14年)に建てられ、1995年(平成7年)6月までの56年間にわたって使われ続けました。

役割を終えると現在の位置に移され、静態保存されています。




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10時51分、函館どつく前行きの電車に乗ります。

次の末広町までは人の往来が多いです。

旧イギリス領事館や郷土資料館、北島三郎記念館など、観光施設がたくさんあるからでしょう。

しかし、その先は住宅街へと変わり、歩く人の姿はぐっと減ります。

函館どつく前停留場の手前で単線になり、11時に到着。



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線路の両側に狭いホームが設けられ、海側(乗車ホーム)のみ屋根が付いているだけの簡素なつくりです。

電停前には小さな公園があるぐらいで、あとは住宅が建ち並んでいるだけです。



ここで数名が降りましたが、どうやら外国人墓地に行ったみたいです。

私はそこまで行く時間がありませんでしたので、漁港の方へ行くことにしました。



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少し歩くと、車の往来すら少なくなり、閑散としています。



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10分弱で漁港に着きました。

白い漁船がたくさん並んでいて、もう漁は終わったのでしょう。

潮の香りが漂い、頭上にウミネコが鳴きながら思い思いに飛んでいました。


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漁港から見える半島は、松前半島です。



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防波堤は、下部が石垣、上部がコンクリートと独特な構造になっていますが、これははじめ石垣であったのを後からコンクリートを付け足したそうです。



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それにしても、ずいぶん鄙びたところで、大半は変哲のない住宅が並んでいますが、なかには古い木造の民家もあって、道路上に洗濯物を出すなど、生活感丸出しの状態でした。

ここは函館駅から3kmぐらいしか離れていないのに、こんなに生活感漂うのんびりとした雰囲気を出しているのですから、あの喧噪な市街地のイメージとはかけ離れて、ちょっと意外でした。



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あと、停留場名となっている造船所もありましたが、こちらも閑散とした様子でした。



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11時20分に停留場へ戻ると、なにやら貸し切り電車がそろそろと入線してきました。

前面の右下に、緑色のエンブレムが付いていて、「四季島」と書いてありました。

中の乗客たちはお洒落な身なりで、それぞれが会話を楽しんでいるようでした。

ここで降りることなく、そのまま折り返すのでしょうが、まさかこの先5分ほど歩いたところの道ばたに、洗濯物を出している光景があるなど、知ることもないでしょう。

続いて、湯の川行きの電車が到着し、貸し切り電車とは縦列駐車する格好となりました。




函館駅前停留場に戻ると、何やら上品な白いスーツを着た人たちが立っていました。

胸のエンブレムを見ると、やはり「四季島」と書いてあったので、もしやと思い、適当な人1人に聞いてみると、どうやら函館駅JR東日本のクルーズトレイン「四季島」が停まっていて、今、観光客は函館市内の見物をしているのでした。

じかに見る機会はあまりありませんから、さっそく函館駅に見に行ってみました。



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いちばん奥の8番線に停車中とのこと。


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アイドリング音を出しながら、10両編成の「四季島」は停まっていました。

プライバシーのこともあって、大半はカーテンが閉められていましたが、ところどころ見えるところもあって、たしか掘りごたつみたいのがありました。

ドアは真ん中の車両1ヵ所のみ開いていて、そこには何人ものスタッフが立ち、互いに情報交換をしたり、帰ってきたお客さんにお辞儀をしたりしていました。


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先頭の運転席に運転士が座っていましたが、緊張感が半端ないだろうなと思います。

ところで、クルーズトレインといえど、平日とあってか、写真を撮る人はあまりいませんでした。





函館駅の改札口を出ると、今度は修学旅行で来たと思われる高校生たちで賑わっていました。

駅舎の写真を撮ったりしていましたが、「四季島」が来ていることは知らないようでした。

私は昼食で駅前のラーメン店に入り、32万円から150万円もする「四季島」の旅行って、いったいどんなものだろうとあれこれ想像しながら、700円弱の塩ラーメンをすするのでした。(続く)