ゆき丸の鉄道日記

鉄道旅行や雑記を綴ります。

函館本線(藤城線)


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昼食を終え、函館駅に戻った私は、次に12時34分発、森行きの普通列車に乗るべく、ホームへと入ります。



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普通列車に乗る前に、8番線から12時28分に、クルーズトレイン「四季彩」が出発するので、それを見送りました。

私と同じように見送る人もいて、カメラを向けて写真に収める人も多数いました。

今度はどこへ行ったのでしょう。




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2番線に移り、1両で停まっているディーゼル車が件(くだん)の列車です。

「四季彩」を見た後だから、ずいぶん庶民的になったものだなと感ぜられましたが、これが珍妙なルートを通る列車なのです。


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※路線図は、『JR時刻表 2018年5月号』(交通新聞社)から引用。

上の図を見ると、通常、函館本線(黒線)は、函館駅より北上して七飯から左側の、新函館北斗仁山のルートを通ります。

とくに新函館北斗駅では、北海道新幹線との乗り換え駅ですから、こちらを通るのは自然なことです。

ところが、今、私が乗る列車というのは例外で、七飯から新函館北斗仁山に寄らず、大沼まで直接行ってしまうのです。

これが通称「藤城線」と言われる支線で、2016年3月25日、北海道新幹線が開業するまでは、下り特急列車も通っていました。

それが、同年3月26日、北海道新幹線開業に合わせ、すべての特急列車が新函館北斗経由に変更されたため、現在、「藤城線」へは1日2本の下り普通列車でしか乗れなくなりました。

かくして、乗る難易度が格段に上がったわけですが、新幹線と特急列車がすべて停まる新函館北斗駅を無視する、ひねくれた運用だなと、逆に感心してしまいます。

なお、「藤城線」という通称の由来は、たぶん、通過する地名によるものだと思われます。
(藤城小学校というのがあるぐらいですから。)




12時34分に函館駅を出発した列車は、五稜郭、桔梗、大中山と順当に停まっていき、次の七飯からいよいよ藤城線に入ります。

英語の自動放送でも、新函館北斗には行きませんと案内されていました。



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七飯駅を出発した列車は、高架になって、右へとカーブし、本線と分かれます。

本線は途中から急こう配になり、それを緩和する目的で敷設されたので、はじめから勾配をかせぐというわけです。



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本線の線路をたどっていくと、北海道新幹線の高架線が見え、新函館北斗駅が見えます。

線形が良く、なかなかの快走っぷりですから、上から目線で「どうだ、俺は特急や新幹線がみんな停まる駅を通過するんだぜ。すごいだろ!」とでも言いたげに走ります。

もちろん、そんなことはないのですが、しかし、ほとんどの列車がことごとく新函館北斗駅に停めさせられるのを思うと、希少性と相まって、やはり気持ちのいいものがあります。



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本線は西側の山の縁を、藤城線は東側の山の縁を走るので、景色はまったく異なります。

しかもだいぶ上ってきてますから、後ろを見ると、函館市街地が見えるのです。




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トンネルや切り通しをくり返し、最後のトンネルを抜けると、左手にぱっと大きな湖が現れます。

小沼で、その先には駒ケ岳がそびえています。

ここで本線と合流し、大沼駅、そして少し進んだ先、13時13分、大沼公園駅で下車します。

大沼駅ではなく、大沼公園駅で降りたのは、上りの特急列車に乗るためです。



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これで北海道の鉄道路線は、代行バス区間も含めて、完乗しました。



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上りの特急スーパー北斗10号、函館行きが14時ちょうど発なので、45分間は大沼公園を見物します。

残念ながら、小雨が降ってきてしまい、仕方なしに折り畳みの傘をさして行きました。



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ラムサール条約に登録されているんですね。

函館の近くに立派な湿地帯がありますから、そりゃあ、観光客に人気があるわけですな。

もう外国人観光客でいっぱいでした。


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しとしと雨に変わってきましたが、本来、6月というのはこういう天気ばかりですから、とくに気に障ったりしません。

むしろ、白い靄(もや)が幻想的な雰囲気を作り出して、かえって、味わいのある景色になっています。

他にも遊歩道が整備されていて、散策を楽しみたいところですが、引き返して、観光客向けの食堂に入りました。


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2種類の地ビールをいただきました。

こう湿っぽい日には、キンキンに冷えたビールがのどを潤してくれます。




再び駅に戻り、14時の特急列車を待ちます。

いよいよ、これで北海道とも、おさらばですね。(続く)