ゆき丸の鉄道日記

鉄道旅行や雑記を綴ります。

阪急神戸本線、甲陽線

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高速神戸駅から阪急神戸高速線神戸本線の特急列車に乗って、夙川(しゅくがわ)駅を目指します。

特急と言っても、JRとは違い、無料の速達列車で車両も通勤型です。

日本の列車種別は会社ごとに決められていて、同じ特急でも有料、無料、一部指定席・・・など、実態に応じて様々で、なんともややこしく、いちいち調べてからでないと、有料列車に誤って乗ってしまった際に料金を徴収されるという痛い目に遭いそうです。





地上に出て、神戸三宮駅を過ぎると、特急らしく快調に飛ばします。

右手にはJR東海道本線(神戸線)が見え、やがて阪急が山手の方へと離れていきますが、大阪(梅田)まで競合しています。





「なんだ、この野郎!」

突然、車内に怒声が響きました。

ふと見ると、誰に対してなのか分かりませんが、60代のじいさんが、どういうわけかブチぎれていました。

周りの乗客も、その姿を見ていましたが、中にはおっかなくて隣の車両へ移っていく人もいました。

敏感になるのも無理もないことで、つい1ヶ月前に、東海道新幹線の車内で無差別殺傷事件が起きたばかりですから、我が身に降りかからないか不安になります。

阪急沿線はお洒落で上品なイメージがあっただけに、こういう変な行動を起こす人がいるもんだと、残念な気持ちになりました。





夙川駅で降り、甲陽線に乗り換えます。



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甲陽線のホームは、神戸本線に対して、ほぼ垂直に延びており、線路がちょん切られた状態でした。

どうやって本線と連絡するんだと思って、あとで地図を見たら、反対側にちゃんと連絡線が敷かれているのが分かりました。





甲陽線は夙川駅と甲陽園駅を結ぶ全長2.2kmの短い支線で、苦楽園口駅までは夙川に沿って走ります。

おそらく、阪急の中では最も地味な路線で、沿線利用者以外では知らない人がほとんどだと思われます。

沿線にこれといった観光地がないのもそうですし、なにより「夙川」(しゅくがわ)という難読駅名がいっそうパッとしない存在感にさせている気がします。

隅に追いやられた感じの路線ですが、しかしそれに反して、3両編成の車内はそこそこ乗客がいて、座席のほとんどが塞がる様でした。




夙川駅を出発した列車は、先ほどの特急とは違い、トロトロとのんびり走ります。

苦楽園口駅で半分の乗客が降りて行きました。

この辺りは、高級住宅街が形成されています。

サクラやマツの木に覆われた夙川を右手にさらに突き進み、右へ曲がって川を渡ると、学校の校舎が見え、さらに左へ曲がって、終点の甲陽園駅に到着。


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わずか5分の乗車でした。


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駅前の地図を見ても、これといった観光地はなく、純粋に生活路線なんだなということがうかがえます。

苦楽園口駅までは0.9kmしかありませんから、そこまで歩いて行くことにします。




閑静な住宅街が広がっていますが、車の往来は多いです。

300mほど進むと、踏切に差し掛かって、甲陽園駅へ向かう電車がやってきました。


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甲陽線は、日中10分に1本の間隔で走りますから、影の薄い線とはいえ、本数は多いです。

踏切を渡り、木々に覆われた所を進みます。

左に中学校、さらに先に小学校があって、小学生が列をなして集団下校していました。

交差点では、地域の大人たちが黄色い旗を持って、児童たちの安全を見届けます。

かなり注意深く見ている様子で、先月中旬に起きた大阪北部地震で、大阪府高槻市の小学生がプールのブロック塀の下敷きになって亡くなったことからだと思われます。




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夙川沿いに入ります。

河川敷には公園が整備されていて、南北に4km、広さが20.8haにも及んでいます。

立派なマツの木が建ち並び、川のそばにサクラの木が続いています。

ここは桜の名所としても有名で、「日本さくら100選」にも選ばれています。

苦楽園口駅前まで来ると、紫陽花(あじさい)が見事に咲いていました。




15時を過ぎ、日がやや傾きながらも、やはり蒸し暑さは半端ではなく、汗をぬぐって駅のホームへ入ります。



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ホームには、ハンドバッグを掲げたお洒落なマダムたちが談笑していました。



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甲陽線に再び乗り、夙川駅へ。

この電車も立ち客がいるほど乗車率がよく、上下線ともよく利用されているのが意外に感じました。(続く)