南海和歌山港線
12時28分発、みさき公園行きの電車に乗ります。
列車は谷合に入り、人家がまばらな所を進みます。
孝子峠(きょうしとうげ)をトンネルで抜けて和歌山県に入り、和歌山大学前駅でたくさんの学生たちを乗せ、紀ノ川駅手前で加太線と合流し、幅の広いのっぺりと流れている一級河川「紀の川」を渡って・・・、と景色の変化に富んで、なかなかおもしろいものがあります。
12時49分、和歌山市駅着。
続いて、和歌山港線が13時5分発と、乗り換えは余裕シャクシャクです。
和歌山港寄りの7番線に停まっていたのは、「めでたいでんしゃ」という車両です。
愛称は「お目出たい」「愛でたい」「めで鯛」を掛けています。
だいたい電車の車内は無機質でそっけないものですが、これはちょっと楽しくなりますね。
しかし、平日の午後とあってか、車内は私のほか、2,3名しかいませんでした。
さて、和歌山市駅を出発した電車は、紀ノ川の河口付近をゆっくり進みます。
市堀川の中州に入り、左手には工場が目立ちますが、住宅もそれなりに見えます。
こういう形態をとっているのは、和歌山県が港湾を管理しているからです。
わずか4分の乗車で、13時9分、和歌山港駅に到着。
目の前には、徳島へ行く南海フェリーの乗り場が見えます。
もともと和歌山港線は、1956年(昭和31年)のフェリー開業に合わせて開通しましたから、客層はフェリーを利用する人がほとんどです。
したがって、和歌山港線のダイヤもフェリーの発車時刻に合わせており、13時台に2本あるかと思えば、その前後の11時、12時、14時台には1本もないという、いびつなものとなっています。
2002年(平成14年)5月までは、この先の水軒駅(すいけんえき)まで線路が延びていました。
すぐそこにフェリー乗り場につながる通路が架かっており、雨でも濡れる心配はありません。