南海加太線
先ほど、和歌山港線で乗った「めでたいでんしゃ」も、本来はこちらを走ります。
ところが、加太線の沿線景色は、行楽路線とは裏腹に、住宅街ばかりを走る退屈な景色が続きます。
左窓から薄日が差してきて、車内の冷房と混ざり合い、心地よい陽気の中、しばし眠りに落ちました。
磯ノ浦駅を過ぎると、わずかながら海が見えます。
大きな白波を立てて、サーファーがサーフィンに興じていました。
と、すぐに右へ曲がって山の中へ入り込み、人家の少ない所を彷徨うように進みます。
やがて、こじんまりとした町が見え、13時50分、加太駅到着。
降りていった乗客の半分は、マイクロバスに乗って行きました。
ホテルか旅館に泊まるのでしょう。
なお、加太海水浴場や港は、駅から北西へ1kmほど行った先にあります。
私はこのまま、13時58分の電車で折り返します。
バスも走っていますが、運賃が高いうえに時間もかかるので、このまま待つことにしました。
何もすることがないので、改札を出てみると、ちょっと古臭かったあずき色の大きな駅舎は取り壊され、建て替えの工事中でした。
お知らせを見ると、どうやら新駅舎は、駅のほか、図書館などの公共施設、ホテル、商業施設、駐車棟も入った複合施設に仕立てるそうです。
2020年完成の予定で、近頃、東京でオリンピック・パラリンピックの開催が決まってから、なにかと2020年を目処にする取り組みや事業が目に付きます。
次は和歌山電気鐡道貴志川線です。(続く)