近鉄吉野線
※路線図は、近畿日本鐡道ホームページより引用 http://www.kintetsu.co.jp/railway/rosen/A50005.html
13時48分発、急行吉野行きに乗車します。
急行といっても、吉野線内は各駅に停まります。
客層は高校生が中心で、あとは地元の人数名と大きなカメラを持った2人組の男性が座っていました。
また、沿線の木材を輸送する目的でもあったそうです。
そして、薬水駅の先でようやく本当に離別するといった感じです。
未練たらたらな別れ方ですが、和歌山線に乗っていた時はまったく気が付きませんでした。
その後、山中に入ってトンネルを抜け、大阿太という無人駅に着きます。
周囲に民家がなく、たぶん工事関係者とかが利用するのではないかと思われます。
南海高野線のときもそうでしたが、だいたい行楽線というのは終着駅のための路線で、途中駅は閑散としていることが多いですね。
右手に大きな川が見えてきました。
民家も現れはじめ、町らしくなってきました。
その理由は、吉野神宮駅を過ぎてから分かりました。
14時22分、終点、吉野駅に到着。
駅構内だけが広く、山奥にひっそりと佇んでいる趣です。
改札口を出ようとすると、カメラを持った男性2人組に呼び止められました。
「あの、すみません。テレビ朝日大阪支局の者ですが。地元の方ですか?」
私が地元民ではないのはもちろんですが、では観光客かといわれると、それも微妙です。
なにしろ、12分後の14時34分発の特急で折り返してしまうのですから。
まさに行楽用の駅といった風で、今日(7月4日)は平日の雨でガラーンとしています。
駅前のお店も閉まっていて、今から吉野山へ行く人はいませんでした。
民家が見当たらないのですから、あのテレビマンたちもそこらをウロウロして途方に暮れているようでした。
私は駅の窓口で特急券を注文しました。
3番線に停車中の特急、大阪阿部の橋行きの先頭車に乗ります。
車内は私以外、誰もいません。
特急ですから、眺望はすぐれたものです。
もっとも、カーブが連続し、駅にもこまめに停車する方ですから、あまりスピードは出しません。
巻いてある柿の葉をほどくと、鯖や鮭、鯛のネタに、ギュッと押された酢飯が可愛らしく見せます。
一口サイズですから、ぱくぱく食べられ、軽食にはもってこいの弁当です。
柿の葉の淡い香りと旨味が詰まったネタ、さっぱりとした酢飯が優しく入っていきました。
吉野口駅を過ぎると、駅間でも住宅街が目立ちます。
土地も開けてきました。
このあたりは高松塚古墳をはじめ、たくさんの古墳が点在しています。
15時21分、尺土駅に到着。
こんどは御所線です。(続く)