ゆき丸の鉄道日記

鉄道旅行や雑記を綴ります。

和歌山電鐵貴志川線

和歌山駅から、今度は和歌山電鐵貴志川線に乗車します。

貴志川線は、和歌山駅貴志駅を結ぶ全長14.3kmの路線で、岡山県両備グループに属する完全子会社です。

なぜ岡山県の企業が和歌山県貴志川線を持っているのかというと、廃線の危機に陥った南海貴志川線を、両備グループが引き継いだからです。

2006年(平成18年)4月に再スタートして以来、猫の駅長「たま」がメディアに取り上げられたりして、有名な路線となりました。





駅の有人改札口で、1日乗車券(780円)を買います。

どうせ貴志駅までを往復するだけですが、乗り降り自由な乗車券のほかに、「貴志川線観光ガイド」と「沿線グルメ&寄り道ガイド」も付いてきます。

手作りなうえに、沿線のお店の紹介もされており、地域で貴志川線を盛り上げようとする気概が感じられます。





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15時25分発の電車は、2016年6月に登場した「うめ星電車」です。

沿線に梅干しの特産地はありませんが、和歌山県には「南高梅」というブランドがありますね。




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内装は木材を多用した和のテイストで、工業デザイナーの水戸岡鋭治氏の手によります。

木の香りが車内を覆い、なかなか心地良いです。

シートは梅の花をあしらっています。

また、窓は格子状に張り巡らされた木が周りを囲い、お洒落である反面、眺望には少し欠けます。

強度が頼りないので、とくに子供が誤って壊してしまいそうです。



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円柱形のベビーベッド(?)も備わっていますが、それにしては小さい。。。





乗車率60%ほどの電車は、和歌山駅を出て、のんびりとした速さで走ります。

沿線に学校が多いのか、学生の乗り降りも多いです。

と、私の斜め向かい側に座っていた女子高生が、なぜか私の対面に移ってきました。

左右両側のスペースに、まだ余裕があります。

一般に、車内の空席が目立つ場合、とくに若い女性は進んで男性の近くには行きません。

同姓の近くに座ることがほとんどで、男性の近くに行くのは混雑している時ぐらいで、ある意味仕方なく利用しているのです。

だから、空席に余裕があるのに、この女子高生はわざわざ私の真ん前に移したというのは、私のこれまでの経験上、不思議に見えました。

私は視線を窓の外に移し、あらぬ嫌疑をかけられぬよう気を遣うことになりました。。。






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列車は山東駅を過ぎると、果樹園のような所を走ります。

山東みかんでしょうか。



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その先は大池を低い鉄橋で渡ります。

遊園にもなって、春はサクラ、秋は紅葉が楽しめます。

甘露寺駅の南側には平池がわずかに見え、ここは多くの水鳥や渡り鳥が生息・飛来するそうです。





15時58分、終点、貴志駅に到着。



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駅舎は、猫の顔をデザインしたものです。

檜皮葺(ひわだぶき)と呼ばれる日本独特の屋根工法を採用し、これはヒノキの樹皮で葺くのだそうです。



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駅の中には、スーパー駅長なる三毛猫「ニタマ」が勤務しています。

先代の駅長「タマ」は、和歌山電鐵の経営に貢献し、2015年(平成27年)6月に「名誉永久駅長」になりました。

ニタマは思ったよりふっくらとした大物で、貴志駅長としての風格が出てきたように思います。

写真を撮ろうとしても、5,6名の中国人グループが囲んでいるため、私はあとにしようと、駅に併設されている「たまカフェ」に入り、ホットコーヒーとみかんのジェラートを注文しました。

一息ついたところでカフェを出て、さあ写真を撮ろうとすると、すでにニタマの姿は無く、代わりに札が立っていました。




・・・「本日のニタマの勤務は終了しました。」(続く)