ゆき丸の鉄道日記

鉄道旅行や雑記を綴ります。

おわら風の盆

富山県で9月1日から3日までの一大イベントといえば、「おわら風の盆」。

というわけで、昨夜、「おわら風の盆」(以下、風の盆)を見に行ってきました。





19時15分、富山駅南口。

越中八尾駅へ行く高山本線に乗りますが、利用者があまりにも多いため、整理券をもらいます。



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整理券と同時に、越中八尾駅までの往復乗車券も買えますが、私はすでに片道分の乗車券を持っているため、そのまま集合場所に行きます。



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集合場所では、すでに行列をなしていました。

専用改札口から入り、2階の2番のりばへ。




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19時49分発、高山本線、猪谷行きの普通列車

通常は2両で運転されていますが、「風の盆」期間中なので、4両でした。

定期便ですが、そのうち前1両が地元客用で、あとの3両が「風の盆」へ行く観光客用と振り分けられていました。

激混みを予想していましたが、遅い時間帯とあってか、わりとすんなり座ることができ、立ち客はポツポツいる程度で、乗車率は110%ぐらいと思われました。





列車は西富山、婦中鵜坂、速星、千里と各駅に停まり、その度に私が乗車した3両目(つまり観光客用)に地元客も乗り降りしていました。

どうも途中駅では振り分けは徹底されていないようで、しかし、数が少ないから別に問題ないのかもしれません。

20時15分、越中八尾駅に到着。



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ホーム上に「歓迎」と書かれたぼんぼりが吊るされています。




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専用出口から駅前に出ます。

入り口には帰る人達で列をつくり、入場規制が行われていました。

駅前にテントを張った観光案内所があり、そこでパンフレットをもらいます。

「風の盆」の由来については、「越中八尾 おわら風の盆」のホームページ(http://www.yatsuo.net/kazenobon/)を参照してくれれば十分ですが、なんにせよ、めでたい時は踊りたくなるのでしょうね。




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駅前の通りは、露店がびっしり並んでいて、食べ歩きができます。

車を完全に締め出していますから、歩行者は思うままに歩き楽しむことができますね。

私は以前に一度だけ、シーズンオフに来たことがありますが、地方によく見られる人通りの少ない、眠った町なのかと思うほどで、「風の盆」には10万人も来るなんて信じられませんでした。

八尾はこの3日間のためにあるようなもので、これで1カ月、場合によっては1年分の売り上げを稼ぐという。

この町は2005年(平成17年)4月に、富山市に合併・吸収されましたが、力の入った宣伝は富山市の方で行ってくれるそうです。




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さっそく、踊っている姿を見ることができました。

編み笠で顔を隠していますが、これは照れや恥ずかしさから人目を忍ぶもので、いかにも富山県民(越中人)らしいなと思います。




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井田川を渡り、いよいよ山手の方へ。



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「風の盆」は11の支部から成っていて、それぞれが独自の特徴をもった踊りを披露します。

これは下新町支部の踊りです。

道中で練り歩いている時は、原則、路側帯まで下がって見学することになります。



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こちらは今町にある聞名寺での踊り。

司会者が、なにやらお囃子詞(はやしことば)の「上の句」と「下の句」を聞き分けられないと、踊れないみたいなことを言っていましたが、それだけこの民謡が難しいのでしょう。

三味線の音と歌に合わせて、男女それぞれが見事な踊りを披露していました。




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さらに上がって、「八尾ふらっと館」では、2階のバルコニーで踊っていました。

踊り手とその影が連動して、面白みが増しますね。





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三味線の生演奏もありましたが、その背後には、地元の人々が宴会を開いているという、なんとも奇妙な図を目にしました。

地元民にしてみれば、この3日間はプライバシーも減ったくれもないわけですが、今日び、こういうプライベートな風景が観光資源になってしまうんですね。




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諏訪町の道は石畳となっていて、その上で踊る姿は、情緒あふれています。

振り付けは、今や観光客に見せる(show)ためのもので、男踊り・女踊りに分かれています。

伝統的な踊りは男女の区別がなく、もっと素朴なものらしいですから、今の方が振り付けの難度は上がっています。

それにしても、女性の踊り手はみんな美人さんですね。




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22時以降、上新町で輪踊りが行われていました。

地元の人だけでなく、観光客も中に入って踊りを体験できるもので、放送で「見ている人もぜひ輪の中に入って踊ってみてください。10分ぐらい見よう見真似でやれば大体踊れるようになります。さあ、どうぞ!」と誘っていました。

輪の中には、簡易ステージ上で踊っている男女、それにパイプ椅子に座って三味線を演奏する人々がいて、地元と観光客との一体感を生み出していました。






かように種々様々な踊りを見て満足したので、駅に戻りましたが、途中、練り歩く一団に阻まれたりして、いちばん奥の山手から駅まで45分もかかりました。



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それで、23時25分発の臨時快速、富山行きに乗ることになったのですが、この列車、時刻表上では富山駅までノンストップなのに、途中、速星駅と西富山駅で反対列車との待ち合わせなんてしましたから、結局、行きの普通列車よりも所要時間がかかるという逆転現象に遭いました。



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富山駅では23時36分発、泊行き定期便最終列車が行ってしまったため、「風の盆」期間限定の臨時便で帰ることになりました。



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私は0時40分発、黒部行きの列車で帰りますが、反対の金沢行きは1時17分なんですね・・・

40分も駅で待つのは退屈極まることで、眠気に負けぬようそこらをウロウロしていました。



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利用者はあまりいませんでしたが、0時36分着の高山本線から移ってきた3人組が、席に座るなり、

「いや~、まさかまだ電車があったとは、拾う神ありだね~。」

「おかしいな。最終は23時36分発なんだ。」

「まあまあ、いいじゃないの~。」

「う~ん・・・、おかしいなぁ。期間中の臨時列車なのかなぁ。。。」

という会話を交わして、どうやら臨時便が走ることを知らず、たまたまいいタイミングで乗れたみたいな様子でした。

もし臨時便がなかったら、いったいどうするのかと思いましたが、なんにせよ、私は車中ひと眠りして、それから最寄り駅に降り、そのまま家に帰らず、馴染みのラーメン店に寄って、八尾に住んだことのある店主に「風の盆」のことを話しました。(終わり)