鉄道に乗る楽しみ(前編)
全国いろんな鉄道を見たり乗ったりしていると、「乗って楽しむ」列車が多くなったなぁと実感します。
<写真① JR東日本のクルーズトレイン「四季島」>
これらの列車は早く目的地にたどり着くのではなく、その行程も含めて豪華な旅行を楽しめます。
でも、料金が高く、ウン十万円から何百万円もするわけですから、まさに「選ばれた者」しか乗れない・・・、まではいかないまでも、まあお金を相当持っていないと乗れませんよね。
それで、もう少し落とした料金で楽しめる列車はないかといえば、もちろんあります。
例えば、名古屋・京都・大阪難波と三重県の賢島を結ぶ近鉄の観光特急「しまかぜ」は、運賃と特急料金を合わせても、せいぜい6000円から7000円で利用できますから、手に届きやすいですね。(車内販売や食事サービスは別料金)
<写真② 近鉄観光特急「しまかぜ」>
<写真③ 「しまかぜ」のプレミアムシート ゆったりとした座席が特徴。電動で背もたれを倒したりレッグレスを上げたり、なぜかカーテンも上げ下げできる>
<写真④ おしぼりと記念乗車証がもらえる>
<写真⑤ 和風個室は掘りごたつ風で3~4名で利用できる。子供を連れても周りを気にすることなく楽しめる>
<写真⑥ サロン席 4~6名で利用できる>
<写真⑦ カフェ車両では食事しながら景色を眺められる>
「しまかぜ」はだいたい週6で運行されているので、乗りやすい列車だと思います。
<写真⑨ 車内は4人がけボックスシート、ソファ、ベンチ、横向き展望席、カウンター、ベビーサークルなど多彩な設備だ。木材を使用したレトロ風>
<写真⑩ アテンダントさんが沿線案内をしてくれたり、オリジナル飴ちゃんを配ってくれたりする>
<写真⑪ 横向き展望席から眺める富士山>
「しまかぜ」や「富士登山電車」は乗車駅から降車駅まで行け、かつ車内でいろいろなサービスを受けられるという点で、「乗って楽しい」と思います。
また、イベントタイプの列車もあって、これは乗車中にイベントを楽しむための列車です。
運行日が限定され、抽選になることもありますが、乗れたらラッキーですね。
私は昨年11月に、あいの風とやま鉄道の「ワイン列車」に乗りましたので、それを紹介します。
<写真⑫ あいのかぜとやま鉄道「ワイン列車」。国鉄型車両を簡易改造した「とやま絵巻」で運行>
<写真⑬ 車内にはソムリエが厳選したワインが飲み放題。ワインリストも付いていて、それを見ながら好きなワインを楽しむことができる。>
<写真⑭ 県内の料亭が出すおつまみセット。おつまみという質・量じゃないだろう(笑)レベルです>
車内の座席は、4人がけボックスシートがメインですから、4人グループでない限り、必ず見知らぬ乗客と向かい合うことになります。
だけど、酒が入れば、緊張がほぐれるもので、すぐに打ち解けます。
私は隣のグループともおしゃべりを楽しみ、ついに2次会へと行ってしまいました。
この料金でワインとおつまみを堪能し、乗客とも交流できますから、まさに「乗って楽しい」わけです。
ただし、この時は64名の募集人数に対して、応募総数180名余りで、倍率は3倍でした。
今年はどうなるでしょう。
「乗って楽しめる」のは、なにも有料列車ばかりではありません。
乗車券だけで乗れるのもあります。
津軽鉄道手作りの金木観光マップももらえますから、少しばかり地域のことを知ることができますね。
<写真⑱ 壁や窓にも七夕の飾りつけでいっぱい。眺望に欠けてしまうが、見てて温かくなる>
<写真⑳ 矢島駅で折り返しの列車に乗ると、ホームでお見送りをしてくれる>
普通列車なのに、至れり尽くせりのサービスで、また来たくなりますね。
ここで紹介したほかにも、すてきな列車はたくさん走っていますが、だいたい地方の路線が多いですね。
その理由は、このまま放っておけば利用者数が減って廃線の危機になるためで、鉄道会社としても観光を通して、お客さんを増やしていこうとしているのです。
21世紀に入って、次々と赤字路線がなくなっていって、路線部を見るたびに寂しい思いをしましたが、一方で、既存路線で乗る楽しみが増えたこともあり、これはこれでいい時代になったな~と感じます。
こういうサービスもどんどん利用して、鉄道旅行を楽しみたいですね。