ゆき丸の鉄道日記

鉄道旅行や雑記を綴ります。

鉄道に乗る楽しみ(前編)

全国いろんな鉄道を見たり乗ったりしていると、「乗って楽しむ」列車が多くなったなぁと実感します。

その究極的な形で体現しているのが、2013年(平成25年)に登場したJR九州の「ななつ星 in 九州」をはじめ、JR東日本の「四季島」、JR西日本の「トワイライトエクスプレス瑞風」でしょう。



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<写真① JR東日本のクルーズトレイン「四季島」>

これらの列車は早く目的地にたどり着くのではなく、その行程も含めて豪華な旅行を楽しめます。

でも、料金が高く、ウン十万円から何百万円もするわけですから、まさに「選ばれた者」しか乗れない・・・、まではいかないまでも、まあお金を相当持っていないと乗れませんよね。

それで、もう少し落とした料金で楽しめる列車はないかといえば、もちろんあります。

例えば、名古屋・京都・大阪難波三重県の賢島を結ぶ近鉄の観光特急「しまかぜ」は、運賃と特急料金を合わせても、せいぜい6000円から7000円で利用できますから、手に届きやすいですね。(車内販売や食事サービスは別料金)


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<写真② 近鉄観光特急「しまかぜ」>

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<写真③ 「しまかぜ」のプレミアムシート ゆったりとした座席が特徴。電動で背もたれを倒したりレッグレスを上げたり、なぜかカーテンも上げ下げできる>

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<写真④ おしぼりと記念乗車証がもらえる>

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<写真⑤ 和風個室は掘りごたつ風で3~4名で利用できる。子供を連れても周りを気にすることなく楽しめる>

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<写真⑥ サロン席 4~6名で利用できる>

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<写真⑦ カフェ車両では食事しながら景色を眺められる>

「しまかぜ」はだいたい週6で運行されているので、乗りやすい列車だと思います。



山梨県大月駅河口湖駅を結ぶ富士急行線の快速「富士登山電車」はもっと安く、乗車券と200円の着席券だけで乗れてしまいます。

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<写真⑧ 富士急行線の快速「富士登山電車」>

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<写真⑨ 車内は4人がけボックスシート、ソファ、ベンチ、横向き展望席、カウンター、ベビーサークルなど多彩な設備だ。木材を使用したレトロ風>

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<写真⑩ アテンダントさんが沿線案内をしてくれたり、オリジナル飴ちゃんを配ってくれたりする>

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<写真⑪ 横向き展望席から眺める富士山>

「しまかぜ」や「富士登山電車」は乗車駅から降車駅まで行け、かつ車内でいろいろなサービスを受けられるという点で、「乗って楽しい」と思います。




また、イベントタイプの列車もあって、これは乗車中にイベントを楽しむための列車です。

運行日が限定され、抽選になることもありますが、乗れたらラッキーですね。

私は昨年11月に、あいの風とやま鉄道の「ワイン列車」に乗りましたので、それを紹介します。



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<写真⑫ あいのかぜとやま鉄道「ワイン列車」。国鉄型車両を簡易改造した「とやま絵巻」で運行>

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<写真⑬ 車内にはソムリエが厳選したワインが飲み放題。ワインリストも付いていて、それを見ながら好きなワインを楽しむことができる。>

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<写真⑭ 県内の料亭が出すおつまみセット。おつまみという質・量じゃないだろう(笑)レベルです>

車内の座席は、4人がけボックスシートがメインですから、4人グループでない限り、必ず見知らぬ乗客と向かい合うことになります。

だけど、酒が入れば、緊張がほぐれるもので、すぐに打ち解けます。

私は隣のグループともおしゃべりを楽しみ、ついに2次会へと行ってしまいました。

「ワイン列車」は富山駅福岡駅をおよそ2時間往復し、料金は5500円。

この料金でワインとおつまみを堪能し、乗客とも交流できますから、まさに「乗って楽しい」わけです。

ただし、この時は64名の募集人数に対して、応募総数180名余りで、倍率は3倍でした。

今年はどうなるでしょう。





「乗って楽しめる」のは、なにも有料列車ばかりではありません。

乗車券だけで乗れるのもあります。

青森県津軽五所川原駅津軽中里駅を結ぶ津軽鉄道は、ストーブ列車で有名ですが、普通列車アテンダントさんが乗務し、沿線観光案内をしてくれます。(すべての列車ではない)



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<写真⑮ 津軽鉄道普通列車

津軽鉄道手作りの金木観光マップももらえますから、少しばかり地域のことを知ることができますね。


それから秋田県羽後本荘駅矢島駅を結ぶ由利高原鉄道鳥海山ろく線には、「まごころ列車」というのを毎日1往復走らせていて、着物を着たおばこ姿のアテンダントさんが沿線の案内をしてくれます。


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<写真⑯ 由利高原鉄道のまごころ列車。今年6月下旬に行ったばかりで、車両が七夕列車でした>

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<写真⑰ 車内はロングシートに長机が設けられている。上には沿線の人々が書いた短冊がいっぱい並んでいる>

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<写真⑱ 壁や窓にも七夕の飾りつけでいっぱい。眺望に欠けてしまうが、見てて温かくなる>

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<写真⑲ 観光パンフレットやしおり、折り紙で作った織姫と彦星、金平糖がもらえる。繰り返しますが、乗車券だけで乗れる普通列車です>

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<写真⑳ 矢島駅で折り返しの列車に乗ると、ホームでお見送りをしてくれる>

普通列車なのに、至れり尽くせりのサービスで、また来たくなりますね。



ここで紹介したほかにも、すてきな列車はたくさん走っていますが、だいたい地方の路線が多いですね。

その理由は、このまま放っておけば利用者数が減って廃線の危機になるためで、鉄道会社としても観光を通して、お客さんを増やしていこうとしているのです。

21世紀に入って、次々と赤字路線がなくなっていって、路線部を見るたびに寂しい思いをしましたが、一方で、既存路線で乗る楽しみが増えたこともあり、これはこれでいい時代になったな~と感じます。

こういうサービスもどんどん利用して、鉄道旅行を楽しみたいですね。