高尾登山電鉄(エコリフト)、薬王院
高尾山口駅から歩いて5分、ケーブルカーとリフトの駅に着きました。
駅にはケーブルカーとリフトそれぞれに券売機があります。
幸い、いま雨は降っていませんから、行きはリフト、帰りはケーブルカーに乗ることにしましょう。
行きと帰りが別々だと往復割引が効きませんが、せいぜい数十円の差なので、気にしません。
券売機にはICカードをタッチしてきっぷを購入します。
リフトの山麓駅は、階段を上がった築堤上にあります。
地味にしんどく、前にいた観光客グループが隣のケーブルカーに流れていったのも分かります。
リュックを降ろして前に抱え、係員の指示に従って、ベルトコンベアの上に立ちます。
後ろからぐるりとリフトがやってきて、タイミングよく座ります。
高尾登山電鉄のリフトは「エコリフト」と呼ばれ、全長872mを12分かけて、海抜462mの山上駅を目指します。
平日だからか、誰も乗っておらず、空のリフトが次々と行き違いました。
高い所は落下防止の網と渡り板が張られています。
これで人が落ちても大惨事にはなりませんが、物を落とすと取り返しがつなかなくなるので、用心しなければなりません。
私もこうしてカメラを持ってますが、カメラに付いているひもを手に通して落とさぬよう気を付けました。
左右には背の高い杉が立ち並び、香りが漂います。
前方には霧雲が立ち込め、真っ白の空気に包まれます。
そういえば、高野山に行った時もこんな天気でしたが、あちらは電車に乗ったまま山奥へと進んだ感じでした。
※南海高野線についてはこちら → https://blogs.yahoo.co.jp/sunflat192/14560579.html
それに比べて、今回は直接「結界」に入り込むという形になります。
時折、上から滴(しずく)が落ちてきますが、リフトには庇(ひさし)にかかっていて、濡れることはありません。
やがて、体の近くでも霧が見え、遠くの方は真っ白ではっきり見えませんでした。
直接、森林浴をいただけるのは良いのですが、さっきから蚊が私にまとわりついて、うっとうしいです。
いくら手で振り払っても、すぐに狙ってきますから、たまったものではありません。
しかもリフトの動きが非常に遅く、いつまでも付きまとってきますし、こちらとしても身動きが取れないから、始末が悪いです。
しばらくの間、私は蚊の動きに悩まされることになりました。
粘り強く振り払ったのが功を奏したのか、とうとう蚊は諦めてくれました。
降りる準備のアナウンスと注意書きの立て札を過ぎ、「着陸態勢」に入ります。
私はスキーで何度かリフトの乗り降りを経験しているため、降りる際に転ぶことなく、スムーズに左へと避けることができました。
とりあえず、展望台の方へ進みます。
少し歩くと、右手にケーブルカーの駅が見え、前方には香ばしいお団子の匂いがしてきました。
「三福だんご」と書かれた看板があり、火鉢のまわりにぐるりと串だんごが刺さっていました。
「三福」とは、「大福」「幸福」「裕福」の3つを意味するそうです。
1本いただき、スーパーボールほどの大きさの、焼きたてみたらし団子をモグモグ食べ、小腹を満たしました。
お店の前には、東京の街を一望できるスペースがあります。
が、ご覧の通り、真っ白な雲に覆われて、景色もへったくれもありません。
ここでも、「結界」にくるまれている気がしました。
これだけ雲が立ち込めているのに、雨はなぜか降らないのですから、いいんだか悪いんだかはっきりしません。
さらに歩を進めると、蛸杉(たこすぎ)という木がありました。
文字通り、蛸のように根本がいくつも分かれていることからこの名が付いたそうですが、樹齢は450年を超えています。
たしかコナラもあったと思いますが、残念ながら、それ以上、木々の種類については分かりませんでした。
あちこち鳥の鳴き声が聞こえてきます。
ところで、案内板を見ると、高尾山へは徒歩でおよそ40分はかかるとのこと。
さすがにそこまで往復するには辛いので、その手前の薬王院までにします。
浄心門をくぐり、参道を歩きます。
両脇には厳つい顔をした像が迎えてくれます。
手水舎でお清めを済ませると、その隣に「厄除開運」と刻まれ、真ん中が円状の空洞にした石があります。
輪をくぐり、先の鐘を鳴らせば、厄除けになるそうです。
階段を上り、仁王門をくぐれば御本堂です。
中から大勢の揃ったお経を唱える声が聞こえ、独特の雰囲気を醸し出しています。
高尾山自体は、以前に一度家族と行ったことがありますが、その時は休日で、人の多さにうんざりさせられました。
けれども、こうして観光客の少ない日に訪れると、東京近郊なのにこれほど森閑で神秘的な所なのかと認識させられました。
あとは天気が良ければ文句なかったのですが・・・
なお、杉苗の奉納者には、歌手の北島三郎も入っています。
八王子市在住でしたね。
時刻は午前11時半を過ぎ、ここらで切り上げて、下山することにします。
と、なにやら「九星に因る平成30年度の運勢」という表がありました。