常磐線3(いわき~富岡)
外は相変わらずの本降りだし、どこか近くの建物に入って見て回るのにも中途半端ですから、仕方なくしばし待合室でスマホいじり。
出発10分前になって、3番線のホームに下りると、いつの間にか富岡行き4両編成の列車が到着していました。
この普通列車は元特急「スーパーひたち」で使われていた車両で、車内も当然、特急の頃のままですが、乗車券だけで乗ることができます。
なんだかトクしたような気分になりますが、車内に入ると、座席は4人がけのボックス席のような向きになっていました。
終着駅で係員がいちいち席を前向きに回転させる手間を省くためと思われます。
隣の4番線に10時23分着の特急ひたち3号から乗り継ぐ客も入ってきましたから、見知らぬ人と向かい合わせにならぬよう、私が座る前の、後ろ向きになっている席を回転させました。
3連休初日とあってか、車内はなかなかの混雑ぶりでした。
反対側の列車も到着して、あちらは通常の5両編成の車両ですが、車内は立ち客がいるほどの盛況ぶりでした。
とくにこれといった景色はなく、広々とした草原や丘陵、川とかを渡ったりトンネルをくぐったりと。
富岡駅手前で、工事が進められていました。
この辺りは海が近く、護岸工事なのでしょうか。
建物の壁には施工会社の名前と、「がんばろう 富岡町!🌸」というメッセージが描かれていました。
減速し、11時9分、富岡駅着。
跨線橋から浪江方面を眺めて見ると、線路や架線の支柱は新しくなっていて、工事も進められています。
津波で駅舎ごと流されましたからね。
予定では、2020年3月までに浪江駅までの区間の運転再開を目指すそうです。
駅員も常駐してて、この線量を気にしながら業務を進めているのでしょう。
なお、現在の富岡駅の位置は、震災前より北へ100mほど移した所にあります。
そういえば、10年前に通った時は、海がほぼ目の前にあったもんな。
同時に駅舎も新しいものに建て替えられ、駅前もちょっとした広場になっています。
駅には「さくらステーション」というお店が併設されており、うどん・そばが食べられるほか、売店「キオスク」もあります。
「さくら」という名前にしたのは、桜の名所、夜ノ森桜並木から来ているのでしょう。
次の代行バスまで30分ありますから、腹ごしらえにそばを食べます。
私はかき揚げそばを注文しました。
つゆは見た目濃そうですが、飲んでみると思ったほどではありませんでした。
かき揚げは揚げたてでサクサク、そばとともに箸が進みました。
窓際には、木でできた蒸気機関車の模型が置いてあります。
外に出ると、うすら寒く、雨が降り続いています。
次は代行バスに乗って、帰還困難区域を通り抜け、浪江駅を目指します。(続く)