この駅は、道の駅九頭竜も併設され、車で来た家族連れやドライバーなどにとっても憩いの場となっています。
ログハウス風の建物には、軽食コーナーもあって、腹ごしらえをするにはちょうどいいでしょう。
もっとも、私は先ほどの列車内で駅弁を食べてしまったし、10時58分の折り返し列車に乗らなければならないので、何もせずにホームに戻ります。
自動券売機はないので、窓口で駅員さんにきっぷを発券してもらいます。
越美北線とは
福井駅で乗り換えられますが、そこまで戻るのには骨が折れます。
実は、途中の
越前大野駅から
勝山駅までバスが出ていて、これに乗ることで時間を大幅に短縮することができます。
一種のショートカットですが、
越前大野駅には11時27分に着き、
勝山駅前経由の福井勝山総合病院行きが11時36分と、良好な接続です。
かつて、
長良川鉄道の
北濃駅とつなげる計画があり、地図を見ると、どうも
九頭竜湖(
九頭竜ダム)沿いに行くのではなく、北側の石徹白ダムの方へ回り込んで
北濃駅へ抜けるようでしたが、真相は定かではありません。
また、
国鉄時代には、バスが
九頭竜湖、油坂峠を経由して
長良川鉄道の美濃白鳥駅まで運行されていて、鉄道紀行作家の
宮脇俊三も使っていました。(『時刻表2万キロ』(角川文庫)の第1章より)
当駅から美濃白鳥駅まではおよそ30kmの道のりで、現在はバスの直通便はなく、途中の家族旅行村停留所から県道127号線で8kmほど歩き、
郡上市自主運行バス・石徹白線の下在所停留所で乗り継ぐ必要があります。
ホーム寄りの改札口付近には水車がくるくる回っています。
地元では「芋車」と呼ばれていて、
大野市名物、「上庄里芋」の水洗いに使われていたそうです。
当駅は
越美北線の途中駅で唯一の有人駅であり、また
大野市を代表する駅です。
長屋風の駅舎は、ここが「越前の小京都」の玄関口であることを示しているのでしょう。
11時36分発、福井勝山総合病院行きのバスがやってきました。
車内には地元客や高校生など8人ほど乗っていました。
隣の
勝山市とは山を隔てているわけではなく、地続きですから、トンネルはなく、広々とした所をトコトコ走ります。
九頭竜川を渡り、東岸に移ると、右手に城のような建物が見えます。
勝山城博物館で、本物の勝山城でありませんが、かつてこの地方にも藩が存在したという雰囲気を残すために建てられたそうです。