日帰り立山登山1
「遠くへいくばかりが『旅』ではない」(宮脇俊三『鉄道旅行のたのしみ』関東の巻より)
しからば、富山在住の私にとって、究極の近所旅行はどこになるのか。
立山へは、春は今年の5月に「日帰り立山黒部アルペンルート」を通り、夏は前の勤め先で行ったことがありますが、秋だけは一度も行ったことがありませんでした。
室堂あたりはちょうど見頃を迎えているらしく、訪ねるのには絶好のチャンス。
そしてどうせなら、立山のてっぺんにまで登ってみたくもなります。
そんなノリで、10月3日(水)、県外の人には真似できない「日帰り立山登山」を行うことにしました。
朝早くからすでに観光客でいっぱいで、立山ケーブルカーの改札口付近では長い列をつくっていました。
私はきっぷ売り場で室堂までの往復きっぷ(4310円)を買います。
その際、ケーブルカーの乗車時刻は指定され、券面には7時50分と記されていました。
定員120名に対して、満員に達するほどの盛況ぶりです。
中国ではちょうど国慶節に入っていますが、このケーブルカーに限っては、むしろリタイアした日本人観光客の方が多かったです。
これほど乗客が多ければ座れるはずはなく、私は向こう側のドアに立つことにしました。
続いて、高原バスに乗り継ぎます。
大勢の観光客がいますから、平日とはいえ、臨時便は走っているようで、私は8時ちょうど発の室堂行き直行バスに乗ります。
一方、途中の弥陀ヶ原や天狗平に寄る人は、8時20分の定期便に乗ることになります。
始めは立山杉やブナ林を通ります。
この地点での葉はまだ緑が多いです。
次第に背の高い木々は見えなくなり、草原が姿を見せるようになってきました。
ススキが並んでいたり、ナナカマドの赤い実がついていたりします。
葉も緑だけでなく、赤や黄などグラデーションを飾るような景色になってきました。
よく澄んでいて、時おり富山平野が見えます。
茫漠と広がる弥陀ヶ原も見事な彩を見せています。
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5ヶ月前は一面雪景色でしたから、この変わり映えには驚かされます。
もちろん雪の大谷はなく、原野や山の風景が広がるのみでした。
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8時50分、標高2450m、室堂ターミナルに到着。
いよいよここから、標高3003mの雄山への登山を始めます。(続く)