伊予鉄道市内電車1
10月12日(金)は、松山市の繁華街である大街道から始めます。
繁華街と言っても、午前7時45分の時点では、人通りが少なく、開いているお店も牛丼チェーン店ぐらいです。
そのため、昨夜のような勧誘は一切なく、停留場まで直行することができました。
環状線タイプは細切れにされてずいぶん煩雑ですが、利用者にとってはこんな情報はどうでもよく、むしろ運転系統によって乗り分けます。
しかし、その運行系統にしても6つあって、初めて利用する人にとってはややこしいです。
と同時に、複線から単線に変わり、平和通一丁目から専用軌道に入って、民家の路地裏のような所を通ります。
乗客数は立ち客がいるほど多く、市民によく利用されているのが分かります。
古町停留場は、郊外電車、高浜線との平面交差です。
高浜線が市電の環状を串刺しする形で入るため、古町と大手町の2カ所の交点があります。
普通鉄道と路面電車が2か所も平面交差するのは極めて珍しく、全国でもここだけしかお目にかかれません。
5分遅れの8時20分に松山駅前に着き、地下道を通って、反対方面に乗り換えます。
1系統、つまり逆回りの電車で本町六丁目まで戻り、本町線に乗り換えるわけです。
8時20分発の電車が行ったばかりで、10分後の8時30分発に乗り、8時40分に本町六丁目で降ります。
この時、運転士から乗継券をもらい、次の本町線で降りる際に提示することで、本町線の分の運賃は免除されます。
運転士から乗継券をもらう際、なぜか怪訝な表情をされましたが、気にせず降ります。
本町線の線路は城北線の手前で途切れ、不完全なT字型となっています。
見るからに、会社から気の毒な扱いを受けてそうな路線ですが、そうはいっても愛媛県庁の市電に変わりませんから、少し待てば電車はやって来るでしょう。
ところが、その考えは非常に甘いものでした。
なんと本町線は日本一運転間隔の長い路面電車で、日中でも40分間隔だったのです。
市電の時刻なぞ調べもしなかった私には衝撃的な時刻表で、あの運転士が怪訝な表情をしたのもうなずけます。
しかも、まずいことに、このままでは今日の旅程を消化できなくなります。
もしこのフェリーに乗れなければ、次の呉経由が13時ちょうどと2時間も開き、これで未乗線のスカイレールに寄れば、今日中に富山の自宅に帰れなくなります。
この最大級のピンチに、いったいどうすればいいのでしょう・・・(続く)