ゆき丸の鉄道日記

鉄道旅行や雑記を綴ります。

平成筑豊鉄道門司港レトロ観光線

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平成筑豊鉄道門司港レトロ観光線は、九州鉄道記念館駅関門海峡めかり駅を結ぶ2.1kmの路線で、3月から11月までの土日祝日やゴールデンウィーク、夏休みのみに運行される季節列車です。

このあたりは、もともと鹿児島本線から延びる貨物線がありましたが、使われなくなった線路を北九州市が買い上げ、運行を平成筑豊鉄道が担っているのです。

季節運行ですから、私の完乗記録には入らないのですが、せっかく九州に来た折、どうせなら運行している間に乗りつぶそうと思い、旅行初日を日曜日に充てたわけです。






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門司港駅で買った「旅名人の九州満喫きっぷ」を係員のお姉さんに提示し、判子をもらってホームに入場します。

12時40分発の関門海峡めかり行きの「潮風号」は、両端にディーゼル機関車があり、その間に客車2両をつないでいるサンドウィッチのような編成です。





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車内にはアテンダントさんも乗り、沿線の見所を説明してくれます。

常に時速15kmと超低速走行なので、話を聞きながらでも、聞いた後でも十分に景色を楽しむことができます。






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進行方向左側を見ると、広場に露店がひしめき合い、大勢の人で賑わっています。

この日は、「門司港グランマーケット」が開催されていて、昨日は強風で一部のテントが飛ばされたとかあったそうですが、今日は空模様も風もバッチリで、十分に楽しめたことでしょう。

最初の駅、出光美術館前駅には、たしかにレンガ調の建物がそびえ立つ「出光美術館」があります。

改札は、アテンダントさんがホームに出て行います。






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第二船だまりに係留している白い小船が並び、やがて列車は関門海峡に沿って走ります。

海峡の向こう側に見える街は、山口県下関市で、ずいぶん近い印象です。

泳いで渡れそうな距離ですが、関門海峡は潮流が速く、速度はこの列車と同じでだいたい15kmだそうです。

列車の速度がゆっくりなものだから、あまり大したことのないように思われますが、後々、目の前で見せられた時は、確かに流れが速いと感じました。

そのうち関門橋が見えてきて、写真を撮ろうかと思いましたが、ピントが合わず、断念せざるを得ませんでした。






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関門橋の真下あたりで、和布刈(めかり)トンネルに入ります。

この時、車内の天井の明かりで、門司港のレトロな街並みや魚たちが映し出されます。

トンネル自体はさほど長い距離ではありませんが、見るのには十分な時間でしょう。

トンネルを抜けると、左手に和布刈公園が見え、子ども達が遊んでいます。

10分の乗車で、12時50分、終点の関門海峡めかり駅に到着です。





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ホーム前の入場口には、すでに行列をつくっていて、行きは比較的空いていたけど、帰りは覚悟しなければならないなと思いました。

もちろん、そのままトンボ返りするような愚かな行為はせず、次の13時40分発までに駅周辺を散策します。

散策と言っても、重いキャリーバッグをゴロゴロ引いていくわけですから、あまり遠くへは行けませんが、とりあえず、和布刈神社の方へ行ってみます。





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駅前には、「EF30 1号機関車と客車1両が静態保存されています。

この客車はカフェにもなっていて、中へ入ることもできます。

私は先ほど門司港駅前で焼きカレーを食べてしまったので、入りませんでしたが、また来たら利用してみたいですね。





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海峡沿いには遊歩道が整備され、歩きながらゆっくりと景色を楽しむことができます。

先ほどのアテンダントさんが説明してくれた通り、潮の流れが速く、まるで川のように西へと進んでいます。

これでは下関との距離が短くても、もし海に飛び込んでしまえば、たちまちにして潮に飲み込まれそうな勢いです。

この遊歩道で釣りを楽しんでいる人も多かったですね。






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ちょうど関門橋の下を、貨物線が通過していきました。

小型船が走っている姿は結構見かけますが、こういう大型の船が勇ましく通過していく様を見ると、なんだか貴重な光景を目の当たりにしたんだなと思います。

私が喜々と写真を撮っていると、その様子を見た釣り人のおっちゃんが、「そんなもん撮っても、いい写真にならんだろう」と声をかけてきました。

というのも、貨物船はわりと行き交いがあってさほど珍しくもないそうで、それよりはフェリーを狙った方が良いと言います。

フェリーが通過するのはいつ頃なのかと尋ねると、早朝だと応え、朝からじっとカメラを構えている人がいるぞと教えてくれました。

さすがに朝早く起きてまでフェリーを狙おうとは思わないし、そもそも県外の身にとっては、関門海峡を目の前で見ることができただけでも、貴重な経験です。

「ありがとうございました」と、またしてもお道化の挨拶をして、和布刈神社へと向かいました。







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神社名にもなっている和布刈とは、「め」(ワカメ)を刈り取るという意味から来ています。

毎年旧暦の元旦に、3人の神事が松明(たいまつ)、手桶、鎌をそれぞれ持って海に入り、ワカメを刈り取って、神前に供えるという行事があります。




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この和布刈神社で、壇ノ浦の戦いの前夜、平家一門は酒宴を開いたと伝えられています。

その壇ノ浦はちょうど関門橋の向こう側、下関市の方で、ここで平家は源氏に敗れて滅亡したんですね。





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現在、関門トンネルは3本通っており、うち2本は鉄道線(山陽本線山陽新幹線)で、残りの1本が国道2号線です。

歩道は国道とつながっているわけではなく、独立したトンネルですが、エレベーターで降りていくと、海底を通行することができます。

だいたい15分ほどで渡れるそうで、本州との近さがうかがえます。







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そろそろ頃合いだろうと、駅に戻ってみると、予想に反して大して並んでいませんでした。

13時40分発の九州鉄道記念館行きの列車で戻り、13時50分に到着。

降りると、やっぱり入場口は観光客(とくに外国人)でごった返して、係員が「次の便は立っての乗車が出まーす」と呼び掛けていました。






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門司港駅から、鹿児島本線、14時7分発の区間快速、二日市行きに乗って、小倉駅へと戻ります。

14時19分、小倉駅で降り、次は北九州高速鉄道北九州モノレール)です。(続く)