ゆき丸の鉄道日記

鉄道旅行や雑記を綴ります。

豊肥本線3(阿蘇~肥後大津)

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阿蘇駅、16時10分発、肥後大津行きの代行バスがやってきました。

観光バスタイプです。

客層は高校生数人だけで、観光客は私1人だけでした。






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内牧駅(うちのまきえき)前には入れないため、乙姫交差点にあるコンビニの駐車場が代わりの駅です。

1人降りて行きました。





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千切れ雲となって、晴れ間から陽射しが届きます。

外輪山もくっきり見えるようになってきましたね。




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赤水駅もやはり駅前に入れないため、物産展で乗降扱いします。

車の往来は多いものの、誰もいないため、夕暮れ時とあって、寂しさを漂わせていました。






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外輪山には熊本寄りに1箇所切れ目があり、豊肥本線の線路や国道57号線はそちらを突き抜けます。

が、2016年(平成28年)4月の熊本地震による被災で通れないため、遠回りして越えることになります。

いよいよ山並みのてっぺんまで見えるようになりました。





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道を登り切った辺りは一面ススキが広がっています。

夕陽に照らされ、黄金色に輝くようで、清少納言が秋の野にススキを絶賛したのも分かります。

こういうしみじみとした情緒は、ススキに代わって跋扈しているセイタカアワダチソウなんかには表れないでしょう。





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山道を下りて再び国道57号線と合流すると、ロードサイド店が並び、大津市街地に入ったようです。

17時15分、肥後大津駅前に到着です。





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これで終わりではなく、まだ続けます。

この後、17時30分発(最終便)の「南阿蘇ゆるっとバス」で、高森駅前を目指します。

今宵の宿は、高森町に取ってあるからです。

バス乗り場に、熊本方面からの列車から降りた高校生たちが並んでいましたから、まさかと思い、しばらく待っていると、やはり私と同じバスに乗るのでした。






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やや小型のバスで、高校生による車内密度が高く、キャリーバッグを持っている私なぞ変わり者に写るでしょう。

定刻通り出発したバスは、途中まで先ほどと同じ道を通ります。

豊肥本線代行バスは、瀬田駅と立野駅には停まりませんでしたが、このバスは立野には停まります。

停まると言っても、勝手が分からない私には、鉄道駅とどのぐらい離れているのか分かりませんでしたが、とりあえず国道57号線のどこかで停まったようです。

次に立野病院は比較的近い所でしたが、その先はいよいよまた山の中へと入ったようです。

すっかり暗くなりましたから、バスがどの辺りを走行しているのか、まったくつかめません。

このバスは降車ボタンを押すと、牛の鳴き声を出すようで、年頃の人達にはいい思いはしないでしょう。

1時間の乗車で、18時30分、終点の高森駅前に着。







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駅前は静かで、駅舎内はまだ明かりが灯いています。

中には高校生が溜まっていましたが、これはあとで宿の人からの話では、部活帰りで家の人の迎えを待っているのだそうです。

宿はここから遠いので、タクシーを使う必要があります。

が、その前に腹はあまり減らないにしても、せめて一献はしておきたい。

それで、駅前をウロウロ探してみましたが見つからず、結局、駅前の月並みなラーメン店で、ラーメンと焼酎をいただきました。







ラーメン店と駅の間にタクシー営業所があり、運転手は中で煙草をふかしていましたが、私の呼びかけに応じ、すぐに出してくれました。

市街地を抜け、山の方へと突き進みます。

宿らしい所に着き、お礼を言って、中へ入ろうとしました。

ところが、なにか様子がおかしい。

私がネットで見た宿とは違うのだ。

たまたま外に出てきた人を捕まえて、宿の名前を訊ねると、やはり違うことが分かりました。

つまり、タクシーの運転手は間違った所で私を降ろしたわけだ。

それで、私が泊まる宿の場所を訊ねると、ここからさらに10分歩いた(上がった)所にあるという。

「大丈夫ですか?」と心配してくれましたが、大丈夫もなにも、行かねば宿に泊まることができません。

宿泊できなければ、一晩野宿することになる。

それだけは避けなければならないと思い、お礼を言って、歩き始めました。






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とはいえ、灯りもない夜道を進むのは、さすがに心細くなってきます。

時々車が通り、その時はヘッドライトで一瞬明るくなります。

しかし、ドライバーから見れば、こんな夜道(それも山道)に一人キャリーバッグを引いて歩いている姿を見れば、たちまち気味悪く思うでしょう。

ここは本県高町。。。

字面を見れば、いかにも何か出てきそうな勢いです。

そういう気持ちを引きずったまま、歩くこと10分。

明かりが見え、敷地に入ると、ネットで見たとおりの宿がそこに立っていました。

中へ入って、女将さんに事の顛末を話すと、驚いた様子で「大変だったでしょう」と労ってくれました。

旅慣れた身としては、徒歩10分ぐらい、へのへっちゃらですが、山林が続く闇道にはまいりました。

荷物を置いて湯船につかり、部屋に戻ると床暖房がついていて、ポカポカしてきます。

床暖房とは初めての経験ですが、床のみならず、床付近の空気も暖かくなるんですね。

ベッドにつけば、たちまち眠りへと落ちていきました。(続く)