沖縄都市モノレール[ゆいレール]1
偶然、行きのバスで同乗した若い男女2人と会い、車内でいろいろと話をしました。
2人は沖縄アビリンピック全国大会の選手で、大分県の代表としてやってきました。
男性が受ける競技内容は、部屋の掃除、片付け、衣類をたたむなどで、速さや正確さがポイントになるそうです。
どういう試合形式なのか想像できませんでしたが、「全国代表」ですから、とても立派に見えました。
こんどは、東京から1人で観光に来たおばちゃんに、那覇バスターミナル方面のバスはどこなのか訊ねられたことをきっかけに話が弾み、車中ではそれで時間が過ぎていきました。
今日はたくさんゆいレールに乗るつもりなので、1日乗車券(800円)を購入します。
昨日もそうでしたが、ゆいレールの自動改札機は、券面に印字されているQRコードを読み取る仕組みになっています。
首里行きに乗車です。
県内では現存する唯一の鉄道で、2003年(平成15年)8月20日開業しました。
少人数だったとはいえ、団体行動ですから、1人乗りつぶしのために抜け駆けするわけにはいきません。
首里城に行くときはタクシーを使ってしまい、とうとう乗れずじまいでした。
またいつか乗りに来なければと思いつつ、ズルズルと時が過ぎ、やっと今日を迎えられたわけです。
このために、わざわざ再び沖縄に来るのも阿保らしいですが、完乗という目標を掲げた以上、避けて通れません。
2両編成の車内は、観光客で混んでいました。
このため、おもろまち駅までは立っていましたが、その先でようやく席が空き、座ることができました。
やはりゼミ旅行の時と同じ、固い席でした。
外は雨が窓に打ち付けて、ご覧の通り、歪んでいます。
これではちっとも景色を楽しむことができません。
そうこうしているうちに、終点、首里駅に到着です。
ひめゆりの塔から同行していたあの男女2人に、ケーブルカーを除く鉄道を完乗したことを伝えると、「おめでとう!」との言葉をかけ、しかも男性とツーショットの写真まで撮ってくれました。
1人で終わるつもりでいたのが、まさか祝福の言葉をかけてくれるとは思わず、これは嬉しいものでした。
久しぶりに味わった沖縄そばは、薄味で身体に優しい気がして、あっという間に平らげました。
事実上、これで私が目標としていた「ケーブルカーを除く鉄道完乗」を達成したわけですが、しかし、あの2人には申し訳ないのですが、私としては満足に景色を見ることができなかったため、心の底から乗った気がしませんでした。
終着駅で2人との出会いが残るだけで、ゆいレールそのものを味わえないまま中途半端に終わるのは、鉄道好きの私としては許しがたいものでした。