山陽本線(小倉~岡山)
11月6日(火)。
九州・沖縄鉄道旅行最終日です。
といっても、今日は小倉駅から自宅のある富山まで列車に乗って帰るだけです。
散々金を使い果たし、財布の中身はスッカラカン。
したがって、できるだけ新幹線を使わず、在来線で帰ることになります。
今日中に帰らなければならないので、岡山駅から新幹線を使わざるを得ませんが、それも自由席。
何度も乗った経路なので、ほとんど味気ないですが、我慢していこうと思います。
7時48分発、下関行きは4両編成。
これも関門トンネルのおかげでしょう。
8時1分に下関駅に着き、8時11分発、岩国行きの列車に乗り換えます。
山陽本線の車窓で海が見えるのは一部だけで、基本的に平坦な所や丘陵地帯が続きます。
だから、景色に抑揚がなく、なまじ陽射しの温もりもあって、居眠りにもってこいの路線です。
30分も待つとはけしからぬ運用に思えますが、そこはちゃんと考えられていて、隣の4番のりばから9時27分発、岩国行き3322M列車に接続しているのです。
したがって、私もその列車に移って、岩国駅を目指します。
富海付近で、はじめて瀬戸内海とのご対面です。
といっても、線路脇の防波堤によって、あまり長い時間見ることができません。
陽射しが強くなってきました。
一度は復旧しかけたのですが、2度目の土砂流入で、また運休を余儀なくされた難所です。
路盤が固まるまでは徐行運転ということで、当列車もそろりそろりと慎重に進みました。
徐行区間を抜けると、列車は緊張感から解放されたかのように、息を吹き返します。
岩田駅を出発してすぐ、線路脇でおばあちゃんが当列車に向かって手を振っていました。
これまで4回ぐらい通り、その全てが快晴という好天に恵まれています。
そんなことで、私の中で瀬戸内海はいつも晴れているというのが刷り込まれ、だからこそ、あんな災害級の大雨が続いたのが信じがたいのです。
11月というのに季節外れの陽気で、車内に冷房が効いていました。
玖波駅から、瀬戸内海を挟んで宮島が見えてきました。
宮島口駅で観光客が一斉に乗ってくるようで、このまま座っていては、隣の席をキャリーバッグで塞いでいるため、1人座ることができません。
席を荷物で塞いでいるなんて恨みは買いたくないので、立っていきます。
長く座り続けて、お尻も痛くなってきた頃なので、ちょうどいいタイミングでした。
12時15分、昼食休憩するため、いったん広島駅で降ります。
で、再びホームに下りて、列車に乗ります。
3両編成と短く、車内はたくさんの立ち客がいるほど混雑していました。
広島近郊は、日中でも利用者が多い割に、だいたい短い編成を持ってくるんですね。
14時4分、糸崎駅の1つ手前、三原駅で降ります。
始発駅の方が座れる確率が高いというわけです。
尾道駅から再び瀬戸内海が顔を出します。
しまなみ海道の下をくぐり、また平坦な地へと戻ります。
倉敷駅から下校する高校生たちが乗ってきました。
下関駅で登校する様子を見て、それからもうそんな時間が経ったのですね。
また席取りで恨まれぬよう、立っての乗車になります。
15時48分、岡山駅に到着。
小倉駅を出発して、ちょうど8時間乗り続けたことになり、我ながら本当に呆れる旅行っぷりです。
が、これで終わりません。
さらに、あいの風とやま鉄道線で最寄り駅まで帰る行程が残っています。
いくら鉄道好きの私でも気が狂いそうで、最後まで正気でいられるか不安になってきました。(続く)