ゆき丸の鉄道日記

鉄道旅行や雑記を綴ります。

富山ガラス工房

10月18日(木)、午後2時。

富山駅新幹線改札口前で我が北の方と落ち合いました。

1週間前に母から連絡をもらった時、北陸新幹線富山駅には(午後)1時台に着くとあって、てっきり13時16分着の「はくたか559号」かと思ったら、まさかの13時57分着の「はくたか561号」だということを2日前に知って、慌ててガラス工房に時間変更の連絡を入れた次第。

おかげで、体験時間が30分減ることになりましたが、なんとか対応できるとのことで、このままガラス工房へと向かいます。







富山市が最近、ガラス工芸に力を注いでいることは、たぶん県の内外問わず、あまり知られていないように思います。

私はガラス美術館で作品を観たことがあり、それでひょっとしたら体験もできるのではと思って調べてみたら、こちらのガラス工房で体験コースがあるのを初めて知りました。

富山在住の私ですら、この程度ですから、母はもちろん知る由もありません。

だからこそ、富山のガラスを知ってもらう絶好の機会なわけです。






富山駅からガラス工房までは、車で15分しか掛からないのですが、あいにく私は車を持っていないので、バスで行くことになります。

14時20分発、富山大学附属病院経由の循環バスです。

この系統は、日中でも30分に1本は出ているから、さほど不便というわけでもありません。

最寄りの停留所はファミリーパークですが、なにしろ生活路線という性格上、こちらの都合に合わせて真っ直ぐには行ってくれず、あちこちに寄るため、30分以上かかります。

したがって、最寄りのバス停には14時53分で、そこから7分ほど歩いて、午後3時に到着という寸法です。

運賃は450円。

ただし、私はICカード「ecomyca(エコマイカ)」を持っているため、10%の割引です。







バスは呉羽丘陵周辺をぐるりと回り、14時53分、定刻通りに着きました。

ところが、ここで少しばかり厄介な問題が起きました。

スマホの地図アプリを見ても、ガラス工房へ行く道が見つからない。。。

私が当惑した様子を見るなり、母はすぐにファミリーパークの従業員の方に道順を訊ねました。

教えてもらった道(細い小道)を辿ると、「六泉池」に出ました。

「ここでボートに乗っても良かったなぁ」と、ぼやく母。

意外にも、母のファミリーパークに対する反応は良く、こんど富山に来た時は、ここに連れてこようと思う。

その池を過ぎ、ようやくお目当てのガラス工房らしき茶色の建物は見えたものの、今度はそちらへ抜ける出口が分からず、乗馬広場にいた係の人にまた訊ねる。

広場を突っ切ると、北口が見え、やっと工房にたどり着きました。

しかし、受付で体験の旨を伝えると、職員の人が

「ここではやっていません。体験は第2工房で受け付けていますので、そちらへ行ってください」

旅行ガイドも形無しです。







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受付を済ませ、さっそく作業に取り掛かります。

服装は、工房から長袖とスニーカーで来るようにと事前に言われていたので、バッチリです。

今回体験するのは、開催期間中の特別体験コース「光るガラスオブジェ」。

台の上に手作りのガラス玉を載せ、台のスイッチを入れると、LEDランプがキラキラと光る仕組みです。

ちょうど「ハロウィーン」の飾り(?)にも好いので、こちらのコースにしました。






工房に行く前に、まずは受付隣りの丸テーブルで完成図を下書きします。

下書きと言っても、まったく一から自分で考えるのではなく、全ての段階で選択肢があり、その中から自分の好みに合わせて選んでいくという段取りです。

第一段階は、ガラスの形。

これは丸型か、卵型かの二者択一です。

私は迷わず卵型を選びましたが、母はこの段階でもう迷っており、先が思いやられます。。。

第二段階は、ガラスの中心部に入れる模様と色。

模様は水玉やマーブル状、泡泡などがあり、色はスタッフが提示してくれたリストの中から選びます。

第三段階は、その外側に入れる模様と色。

第四段階は、さらに外側と続きます。

条件はあるものの、これらの段階になると選択肢や組み合わせが非常に多く、考えれば考えるほど迷い森に入り込みます。

こういう時は、かえって自分の直感に頼るのがいちばん良く、私は中心部に青のマーブル、真ん中の層に無色透明の泡泡、さらにその外側は黄色とオレンジを散りばめた水玉にしました。

一方、我が北の方は、予想通りというか、いまだに丸か卵かで迷っていました。。。

「早く決めないと、時間切れになっちゃうよ」と急かすが、「どっちにした方がいいか分からないの」と嘆くばかり。

どっちも良いに決まってるでしょ!と突っ込みたくなりましたが、スタッフが決めるわけにはいかないので、私の考えを述べ、結果、卵に決まりました。

でも、まだ三層の模様と色が残っており、母には360度地平線が見えるだけの所で、どっちに向かって進めばいいのか分からず、呆然と立ちつくしているようでした。

もう時間が迫ってきているので、模様は捨て、色だけに絞って決めていきました。。。







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下書きができたところで、いよいよガラス細工づくりです。

なかなか広い円形の工房に移ります。

その中央部に窯が2台あり、母が手前、私が奥に行き、スタッフの手ほどきを受けながら、つくっていきます。






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細い金属棒を窯の中に入れ、ガラスを纏わせながらくるくる回します。

窯の中は1200℃にも及び、しかも金属棒を持ってみると、意外に重たい。

私は中心部をマーブル状にするので、回し方がさらに変則的です。

緊張しながらも、ある程度ガラスが棒に引っ付くと、外に出して、別の調整機のようなもので形を整え、取り出してさらに綺麗に形にしていきます。






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何重にも折りたたんだ新聞紙にガラス玉を当て、形を整えながら冷やしていきます。

この時、火傷を負わぬよう、体の姿勢や手の位置、回し方など、スタッフの指示は絶対厳守です。

厚手の新聞紙で覆っても、ほんのり熱さが伝わりますが、それにもまして、回した時にガラス玉から火の粉が飛び散るというのに驚きました。

形が整い、固まったら、また窯にガラスを注入です。

気泡はスタッフの方でつくってくれました。

で、調整機で形をある程度整え、また新聞紙でくるくる回しながら冷やします。

ただし、こんどは黄色とオレンジのチップを振りかけます。

これが三層目の模様になるのです。

そして、固まったら、また窯へ・・・と、あとは同じ行程です。

「上手ですねー」「いいですよー」と、子どもを褒めるように言うのは、スタッフがまだ学生で、褒め方の経験値が浅いからでしょう。

手順をこんな風に書いたのですが、如何せんガラス細工づくりについては素人で、たぶん誤植はいっぱいあると思います。

それに、時間がひっ迫していたためか、ほとんどスタッフがつくってくれて、ガッツリ体験というわけにはいきませんでした。

逆に言えば、難しい箇所はスタッフがやってくれるので、初心者でも安心して取り組めます。






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三層まである程度固まった物を、ハサミで押さえながらくるくる回すと、だんだんくびれてきて、しまいには金属棒から切り離されました。

あとは大きな金属箱に入れて保存です。

1週間後に自宅に届くそうなので、出来上がりが楽しみです。

母も、初めての体験に、なんだかんだで満足した様子でした。








・・・それから、1週間後の25日(木)。




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作品が自宅に届き、さっそく台の上にガラス細工を置き、スイッチを入れてみました。

LEDライトが緑からオレンジ、赤、紫、青と変化していき、頂上部から光を放っていました。

(動画はこちら → https://twitter.com/i/status/1055304470127493120

母の作品も無事に実家に届き、父に見せると「お、いいじゃん」と言ったようで、今はリビングに飾ってるとのことでした。

ちなみに、私は28日(日)から九州・沖縄鉄道旅行で10日間留守にするので、家に眠らせておくにはもったいないと思い、近所のラーメン店のマスターにお願いして、一時置いてもらうことにしました。

すると、お客さんの中にはやはり気になる人もいたようで、ライトを点けた様子を見て、

「なんか雰囲気がスナックみたい」と言ってたそうでした。(続く)