相倉合掌造り
10月19日(金)。
このうち、世界遺産に登録されている合掌造りは、旧平村の相倉集落と、旧上平村の菅沼集落の2つです。
この駅に来たのは1年半ぶりですが、駅前にバスロータリーが整備されていました。
ただ、ローターリーの向こう側で道路工事を行っているらしく、ドリルによって削られた粉塵がこちらへと飛んできました。
観光バスタイプで、乗客数は10人ちょっとと少なめ。
平日だとこんなものでしょう。
だから、行きと帰りでは、別々のルートにしました。
けれども、城端線内では今旅行とまったく関係のない話をし続け、なんだか乗った効用が無いように思いました。
小京都の町並みを抜け、バスは山の方へと上っていきます。
車窓右手には、砺波平野が広がり、「おお、いい景色」と母も興味津々。
くねくねと坂道を下り、10時38分、相倉口停留所で降ります。
道路を渡って、登り坂が続く小道を歩くこと5分、相倉集落に到着しました。
住民が暮らしているので、早朝と夜は観光できません。
母は、三角の藁葺き家をはじめ、周囲の山々を見て、「まるで五家荘みたい」と呟きました。
熊本出身の母は、何度も五家荘には行ったことがあるらしく、どこか懐かしい風景に思われたのでしょう。
私は五家荘に行ったことがなく、両方を重ね合わせられる母が、ちょっぴり羨ましく思いました。
一般開放されている「勇助」に入り、炉端で熱々のお茶をいただきます。
真ん中には鉄瓶が吊るされ、その下に火が付いてて、暖をとる。
10月下旬なので、まだ寒いというほどではないにしろ、山間部だから昼前でも少し冷える。
だから、お茶を飲んだり、火にあたったりして一服すれば、たちまち体がポカポカしてきました。
2階には、和紙の歴史や養蚕の様子の展示がされていて、屋根裏部屋といった趣です。
次に、相倉伝統産業館に入りました。
こちらも和紙作りの民具などが展示されていますが、とりわけ目を引くのは民謡の楽器。
こきりこを打ち鳴らしたり、ささらをぐるりとねじって結んでみたりできます。
管理人のおばあちゃんがこの近くの出身で、現在は城端から車で通勤してるみたいだけど、こきりこ節を歌い踊っていたそうです。
だから、これらの楽器の使い方はお手の物で、私達に使い方を丁寧に教えてくれました。
相倉伝統産業館をあとにし、バス停に戻ります。
地面に咲く赤い植物を見て、私が母にこれは何の花かなと訊ねると、「サルビアだよ。あんたそれぐらい知りなさい。常識!」となじられる。
その道路脇は一段低くなっていて、小さな畑があり、大根はわかったけど、他は何をつくっているんだろうと訊くと、「う~ん、知らない」と言った。
ところへ、12時3分発、白川郷(荻町)行きのバスが来て、観光客がポツポツ降りて行きました。
私達はバスに乗り込み、白川郷へと目指します。(続く)