ゆき丸の鉄道日記

鉄道旅行や雑記を綴ります。

相倉合掌造り

10月19日(金)。

母との小旅行2日目は、五箇山白川郷の合掌造り観光です。

1995年(平成7年)12月に、ユネスコ世界文化遺産に登録された場所として、有名ですね。

五箇山とは、もともと赤尾谷、上梨谷、下梨谷、小谷、利賀谷の5つの集落を由来とし、現在では旧平村、旧上平村、旧利賀村がこの範囲です。(3つともすべて南砺市に統合された)

このうち、世界遺産に登録されている合掌造りは、旧平村の相倉集落と、旧上平村の菅沼集落の2つです。

今回は富山県側の相倉集落と、岐阜県側の白川郷の2か所を巡ります。








午前8時に家を出発し、あいの風とやま鉄道、高岡駅城端線へと乗り継ぎ、9時53分、城端駅です。


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この駅に来たのは1年半ぶりですが、駅前にバスロータリーが整備されていました。

ただ、ローターリーの向こう側で道路工事を行っているらしく、ドリルによって削られた粉塵がこちらへと飛んできました。






10時15分、白川郷(荻町)行きの[世界遺産バス]がやってきました。

観光バスタイプで、乗客数は10人ちょっとと少なめ。

平日だとこんなものでしょう。

きっぷは「五箇山白川郷フリーきっぷ」を使います。

このきっぷがあれば、高岡駅前・新高岡駅から白川郷まで2日間乗り降り自由ですから、いちいち車内清算する必要がありません。

本来なら高岡駅から城端線に乗るより、このバスに乗った方が運賃を安く済ませられたのですが、帰りに高岡駅前まで直行するつもりですから、行きも同じだとおもしろくない。

だから、行きと帰りでは、別々のルートにしました。

けれども、城端線内では今旅行とまったく関係のない話をし続け、なんだか乗った効用が無いように思いました。







小京都の町並みを抜け、バスは山の方へと上っていきます。

車窓右手には、砺波平野が広がり、「おお、いい景色」と母も興味津々。

やがて、全長3070mの五箇山トンネル、深い谷を渡ってまたトンネルを通り、五箇山(旧平村)へと入りました。

くねくねと坂道を下り、10時38分、相倉口停留所で降ります。

道路を渡って、登り坂が続く小道を歩くこと5分、相倉集落に到着しました。






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世界文化遺産に指定された観光地ですが、実際は住宅街という生活空間でもあります。

住民が暮らしているので、早朝と夜は観光できません。

母は、三角の藁葺き家をはじめ、周囲の山々を見て、「まるで五家荘みたい」と呟きました。

五家荘とは、熊本県八代市(旧泉村)にある山あいの5つの集落の総称で、この五箇山と同じ平家の落人伝説があります。

熊本出身の母は、何度も五家荘には行ったことがあるらしく、どこか懐かしい風景に思われたのでしょう。

私は五家荘に行ったことがなく、両方を重ね合わせられる母が、ちょっぴり羨ましく思いました。







一般開放されている「勇助」に入り、炉端で熱々のお茶をいただきます。

真ん中には鉄瓶が吊るされ、その下に火が付いてて、暖をとる。

10月下旬なので、まだ寒いというほどではないにしろ、山間部だから昼前でも少し冷える。

だから、お茶を飲んだり、火にあたったりして一服すれば、たちまち体がポカポカしてきました。

2階には、和紙の歴史や養蚕の様子の展示がされていて、屋根裏部屋といった趣です。







次に、相倉伝統産業館に入りました。

こちらも和紙作りの民具などが展示されていますが、とりわけ目を引くのは民謡の楽器。

こきりこを打ち鳴らしたり、ささらをぐるりとねじって結んでみたりできます。

管理人のおばあちゃんがこの近くの出身で、現在は城端から車で通勤してるみたいだけど、こきりこ節を歌い踊っていたそうです。

だから、これらの楽器の使い方はお手の物で、私達に使い方を丁寧に教えてくれました。







相倉伝統産業館をあとにし、バス停に戻ります。

地面に咲く赤い植物を見て、私が母にこれは何の花かなと訊ねると、「サルビアだよ。あんたそれぐらい知りなさい。常識!」となじられる。

その道路脇は一段低くなっていて、小さな畑があり、大根はわかったけど、他は何をつくっているんだろうと訊くと、「う~ん、知らない」と言った。

ところへ、12時3分発、白川郷(荻町)行きのバスが来て、観光客がポツポツ降りて行きました。

私達はバスに乗り込み、白川郷へと目指します。(続く)