ゆき丸の鉄道日記

鉄道旅行や雑記を綴ります。

ローカル線に乗るおもしろさ

ローカル線はおもしろい。

鉄道完乗を始めるまで気が付きませんでしたが、北海道から沖縄まで、ケーブルカーを除くおよそ560余りの路線に乗った経験から、そういう思いに至るようになりました。

多分に偏見が含まれますが、個人的にローカル線のおもしろさとして、次の3つが挙げられます。



①風光明媚な所を走る
ローカル線は山間部や海岸部の険しい地形を縫って走ることが多く、「ここは日本なのか?」と思わせる絶景ポイントがたくさんあります。

そういう景色を見て、日本の自然の多様さなり豊かさ、美しさ、厳しさに触れることができます。

美しい景色を見て、なぜ「美しい」と感動してしまうのかは解りませんが、きっと人間本来に備わっている原初的なものなのでしょう。



②速度が遅い
現代人の生活における時間感覚は、縄文時代の頃と比べて、およそ40倍もスピードが速くなっているそうです。

そこまで実感がわかないにしても、大量の仕事をこなすためにスピードがどんどん求められ、遅いと上司から叱られたり周囲から冷たい視線を浴びたりすることはあるでしょう。

仕事が速い人にしても、すぐにでも結果を出したいがために、遅い人を見るにつけイライラが募り、怒鳴り散らすことだってあるかもしれない。。。

こういうことが続けば、いつしか肉体的にも精神的にも疲れが溜まっていき、最悪、過労死に至ることもあります。

話が大きくなり過ぎましたが、ローカル線は(北越急行ほくほく線智頭急行など一部は除いて)、基本的にのんびりとした速度で走りますから、こういった速さを求められる社会とは対極にあります。

人間本来の時間感覚を取り戻す(までにはいかないしろ、疲れを軽減させてくれる)のに適しているのです。




③人との出会いがある
例えば、一緒に乗り合わせた地元の人に話しかけられたり、駅でも同様なことがあったりします。

それがきっかけで、地元の人との会話が弾み、地域の理解が進むのみならず、励ましの言葉をいただいて心が温まることがあります。

ローカル線には、そういうチャンスがあるのです。

私は自分からは積極的に話しかけられない極めて内向的な性格ですが、そんな私でも、例えば津軽鉄道津軽中里駅で、物産展のおばあちゃんから『姉と妹』という民話を津軽弁で朗読をしてもらいました。

また、大井川鐡道大井川線では、団体客もいましたが、年配の車掌さんからハーモニカ独奏「高原列車は行く」を聴かせてもらいました。

さらに南阿蘇鉄道では、乗客が私1人だったため、運転士さんと話をしながら乗ったということもありました。

いずれも、極上のおもてなしではないしろ、素朴で人間的な触れ合いではありませんか。





以上の3つすべてを満たす路線は稀にせよ、それでも必ず1つは当てはまると思います。

こういうことは、ある意味きわめて「人間的」であり、疲れた心を癒し、また温かい気持ちにさせてくれます。

そんな経験をたくさんしてきたため、私はすっかりローカル線に魅了され、完乗の目標を達成したにもかかわらず、また乗りたいという気持ちが強くなってきました。(決して新幹線や都市部の路線などを相対的に卑下しているわけではありませんが)

そういうわけで、次回から私の地元に比較的近い(?)岐阜県のローカル線、樽見鉄道長良川鉄道を中心に取り上げたいと思います。(続く)