ゆき丸の鉄道日記

鉄道旅行や雑記を綴ります。

郡上八幡3(酒屋、宗祇水)

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郡上八幡博覧館を出た私は、職人町・鍛冶屋町の古い町並みを散策します。

この辺りは、国選定重要伝統的建造物群保存地区で、風格ある木造の民家が連なっています。

シーズン外とあって、観光客はおらず、静寂に包まれていますね。






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遠くの高台には、郡上八幡城がそびえています。





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通りをしばらく下っていくと、右手に酒屋が見えました。

昨夜、地酒にありつけなかったし、ここに来てお土産を買わないのもいささか勿体ない気がするので、少しのぞいてみました。

すると、400円で試飲ができるそうで、それならばと中へお邪魔しました。

店内にはいろんな酒が取り揃えられていて、カウンターには樽とお薦めの酒の瓶が置いてあります。

奥から主人が出てきたので、試飲をお願いすると、樽からぐい飲み用のカップに注いでくれました。

「塩をなめてから飲んでみてください」

塩をなめてから?

主人によれば、塩をなめてから飲むと、味が変わっておもしろくなるのだとか。

試しに、まずは普通にひと口飲み、続いて塩をなめて飲んでみると、たしかに味が変わりました。

どう変わったかというのは、なかなか言葉で説明できないのですが(味オンチなもので・・・)、とにかくはっきりとした違いはありました。

「四角い升の隅に塩をつけて飲むのが、本来の角打ちなんですよ」とご主人。

ただひたすらガバガバ飲んできた身としては、こんな楽しみ方があったとは知らず、また一つ勉強になりました。

でもよく考えてみれば、お酒のつまみには塩っ辛い物と決まっており、そのもととなる塩と一緒にいただくのは、ある意味当然と言えば当然ですね。

今のは甘口で、今度は辛口の酒をいただく。

やはり私には辛口が合うなと思っていると、「実は、日本酒の辛口も甘口も本来は区別無いんですよ」と衝撃的な発言が!?

あれは「ブランド」によってラベリングされたもので、極論すれば、好みの問題に帰着するという。。。

すっかり辛口甘口の情報に踊らされ、呆然とした私に、さらに市場に出回っている日本酒は、アルコール度数21度を超えないように水で薄めてあるという、とどめの情報が!!?

なぜなら、21度を超えてしまうと、酒税法に引っかかってしまうためで、それで20度以上の日本酒を見かけないんだなと納得しました。

それが分かったところで、さらに別のお酒をもう一杯いただき、お土産用に300mlの「郡上踊」という地酒を買いました。

お土産と言っても、プレゼント相手は自分しかいないのですが、3杯もいただいたわりに小さい瓶でケチ臭く、お店に申し訳ないなぁと後ろ髪が引かれる思いです。






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市内の鍾乳洞にある湧き水から取り、さらにその水をわざわざ岐阜県の川辺町の蔵元まで運んでいるそうです。

大規模な蔵元が川辺町にしかないため、大変手間のかかる行程ですが、そこで造られてまたこちらの店へと運ばれます。

鍾乳洞由来の水ということで、ミネラル成分を多く含んだ硬水と、軟水ばかりの日本酒の中では珍しいお酒です。

硬度が高いと味わった時の伸びが良くなるのだとか。

こういうお酒の豆知識を惜しげもなく教えてくれるご主人は、さぞや大の酒好きかと思いきや、まったくの正反対だということも驚きました。

日本酒が苦手ということは、かえって舌が鋭敏になって、味の細かな区別がつきやすくなるという利点があるのです。

なるほど、そういう考え方もあるのかとまた納得し、主人にお礼を言って、お店をあとにしました。
(そういえば、試飲した分の料金を払った覚えがないのは気のせいか。。。)









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さてさて、こんどは「宗祇水」(そうぎすい)という所にやってきました。

1471年、連歌宗匠飯尾宗祇が、郡上の領主:東常縁(とうつねより)から古今伝授を受けて京に戻るとき、2人がこの泉で歌を詠み交わしたそうです。

宗祇がよく愛用したということでこの名が付き、環境省「日本名水百選」にも指定されました。

環境省が指定するぐらいだから、どんな名水なのだろうと期待してみたら、なんのことはない、泉がちょろちょろと湧き出ており、あとは祠が立った小ぢんまりとしたものでした。

由緒正しいスポットだからといって、規模まで期待してはいけません。








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宗祇水のそばには、赤い橋「清水橋」がかかっています。

古い町並みにピッタリですね。







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残念ながら、時刻は10時半になり、観光はここまで。

10時36分発、青ルートのまめバスに乗って駅へ向かいます。

乗客はお年寄りが8名ほどで、ほとんどが市民病院で降りて行きました。

わずか10分の乗車で、郡上八幡駅に到着。

11時21分発の列車が来るまで、しばらく駅舎で待つことにします。(続く)