いすみ鉄道1(急行「そと房」)
2018年(平成30年)最後の鉄道旅行は、千葉県のいすみ鉄道と小湊鐡道です。
いすみ鉄道に関しては、以前から前社長の鳥塚亮氏のブログを読み、いつか再乗車したいなと思ってました。
折しも、国鉄型ディーゼル車「キハ52系」が修繕の必要に迫られ、年明けからクラウドファンディングで資金を募ったそうですが、「乗り鉄」の私としてはネット上での支援より、やはり乗って支援する方が性に合うので、それで勘弁してくださいませ。
※キハ52系の修繕についての説明と支援については、こちら↓↓
小湊鐡道は、上総中野駅でいすみ鉄道から乗り換えられる路線で、有名どころとしては「養老渓谷」がありますが、今回の旅程でそれを組み込むと、乗ってる最中に日没を過ぎてしまい、景色が見れなくなってしまうので、それ以外の駅で降りて散策してみようと思います。
なお、この日は母は同行せず、私1人だけの旅行です。
小湊鐡道にも乗るので、ひとまとめになった「房総横断記念乗車券」(1700円)を買います。
この乗車券は大原駅から五井駅までの片道乗車券なのですが、後戻りしない限り、途中下車が可能であるという利点があります。
少なくとも、大多喜駅で下車するつもりなので、今回の旅に一番都合の良いきっぷと言えます。
それから、大原駅11時48分発の列車が急行のため、別途急行券(300円)も必要です。
車両は手前側がキハ28系、奥が修繕に迫られたキハ52系で、いずれも1960年代製造と古いディーゼル車です。
こういう昭和の貴重な遺産が見られるということなのでしょう、たくさんのお客さんが来ています。
しかもこの時期、観光施設類はお休みの所が多いはずですから、ということは、純粋に鉄道に乗りに来たのでしょう。
鉄道だけでこれだけのお客さんがいるのには、人口の多い東京圏から引っ張ってきたことを考えても、驚きです。
座席は本来4人がけボックスになぜか大型テーブルが設けられ、2人しか座れないようになっていますが、レストラン列車などのイベントや貸切で使われるためなのでしょう。
掲示物や中吊り広告も昭和時代の物を使う徹底ぶりです。
「ここには、『何もない』があります。」といういささかパラドキシカルなキャッチコピーが示す通り、車窓からの見所は本当に何もありません(笑)
それらを急行列車は、とくに急ぐこともなしにのんびりと走っていく。
身も蓋もない言い方をすれば、それだけです。
それだけなのですが、喧噪とした都会とは正反対の風景を見せてくれますから、ぼんやりとしたい心地で乗るのには最適な路線でしょう。
しかも田舎の原風景に昭和の車両と来れば、懐古趣味にも浸れます。
もっとも、これだけ人気を博してしまえば、もはや完全なる田舎の日常に触れることは不可能に近いですが、ローカル線が次々と廃線へと追いやられている現状からすれば、たくさんの乗客で賑わうのは喜ばしいことです。
当駅発車が12時14分で、それまでの間、ホームに出て写真を撮ったり、駅舎内の売店で土産物屋を買ったりすることができます。
出雲大社に行けずとも、隣の国吉神社とともにこちらにお参りすればじゅうぶん縁結びが叶うのでは。
春には桜、秋には秋桜が咲き乱れるのでしょうね。
反対方面の普通列車が入ってきました。
こちらも車内はたくさんの乗客で賑わっていました。
国吉駅からはキハ52系(全身朱色の車両)に移ります。
こちらの車内はほとんど改造されておらず、ほぼ原形を留めています。
ただし(先ほどのキハ26系もそうですが)、さすがにエンジンは最新のものに取り換えたようで、フオーーーンとちょっと軽めのエンジン音を響かせながら快走していきます。
※追記
エンジンについては、最新のものではなく、従来のままです。
乗っているうちに、やっぱりこの古い車両がなくなってしまうのは惜しい気がしてきます。
最新型車両に比べて保守に大変手間がかかることは、素人の私でも想像が付きますが、いずれ廃車の時期がやって来るにせよ、安楽死させるよりできるだけ延命させてくれ方がいいなと、願わずにいられません。
沿道に当列車を撮影している人もたくさん見かけましたが、田舎の風景と古い車両の組み合わせが、いすみ鉄道の魅力なのでしょう。
駅を出て昼食をとりに行きます。(続く)