ゆき丸の鉄道日記

鉄道旅行や雑記を綴ります。

いすみ鉄道2(大多喜駅~上総中野駅)

イメージ 1

12時26分、大多喜駅で途中下車し、昼食をとりに町へ繰り出します。






イメージ 2

イメージ 3

坂を下って県道(城下通り)に出ると、城下町らしい古い町並みが姿を現します。

陽射しに恵まれて、歩いていると年末なのに温かく感じました。

城下通りを少し進んだ所のそば屋に入り、天丼ざるセットを注文。

エビ天丼に味噌汁、サラダ、漬物、そして刻みのりがたっぷりかかったそばが、空いた腹を満たしてくれます。

最後にそば湯を飲んで落ち着きました。

レジに向かうと、厨房でお子さんも店の手伝いをしていて、とても立派だなと感心しました。







イメージ 4

昼食を美味しくいただいたところで、時刻は午後1時を回り、次の上総中野行きの列車までまだ30分ほど時間があります。

大多喜の観光地と言えば、大多喜城や渡辺家住宅、商い資料館などがありますが、年末なのでどこもお休みです。

ですが、もとより、そんなことははじめから分かっていたことなので、ガッカリしません。

残り時間も短いので、プチ町歩きに留めます。






イメージ 5

イメージ 6

城下通りから外れて寺町通りには、石畳といくつもの寺があります。

古い風情を残した雰囲気は、個人的には見ているだけでも好もしく映ります。






イメージ 7

上に上がって、青龍・日吉神社

ちょっとした広場にもなっていますね。









イメージ 8

イメージ 9

大手門といすみ鉄道の車庫。

大多喜駅いすみ鉄道の本社も併設されています。






イメージ 10

駅前の観光案内所もお休みです。

時刻は午後1時25分と出発までもう少し時間があるので、駅の売店に入り、何か買おうと思います。

というのも、当駅と国吉駅売店が2019年1月末で閉店になってしまうからです。

それで、最後の記念に何を買おうかと店内をぐるぐると回った末、いすみ鉄道の小さな写真集に決めました。

かつて線内を走っていたレールバスから見た車窓が、数年前に乗った記憶と重なります。

もっとも、あの頃は写真集のように誰も乗ってないガラガラの車内ではなく、かなり混雑してましたが。

閉店前に(ちょっとだけど)お土産を買うのは、まもなく運用が終了する車両に乗ったり撮ったり見送ったりする「葬式鉄」のようですが、売店のおばちゃんに閉店のことを話すと、

「なんか駅前の観光案内所がこっちに入って何かするみたいだよ」と言われました。








イメージ 11

13時35分発、上総中野行きの列車が入ってきました。

国吉駅ですれ違った車両です。

前面が先ほど乗った急行列車のキハ52系(朱色)にそっくりで、いかにも古そうなイメージがありますが、2013年(平成25年)に新造されました。

前社長の鳥塚亮氏のブログによれば、新造車なのにわざわざ古めかしい前面(顔)にしたのは、車内設備がロングシートにトイレ無しではあまりにも味気なく、それらを補うだけのインパクトが欲しかったそうだからです。

これは鉄道ファン的発想ですが、こういう遊び心があるのも良いですね。

車内には30人ほどのお客さんが座っており、ローカル線の普通列車としては多い印象です。







イメージ 12

一方、13時47分発大原行きの急行列車も入ってきて、再びご対面です。

急行列車は立ち客が出るほどの乗客でいっぱいです。






イメージ 13

大多喜駅より先は住宅が減り、「何もない」もここに極まれりです。

「何もない」と言っても、超絶秘境地帯を行くわけではなく、例えば久我原駅秘境駅ランキング四十何位と運転士さんから案内されます。

なんとも中途半端な順位をよくぞ案内したなと逆に感心しますが、その久我原駅前の駐車場には観光バスがズラリと停まっていました。

山深い所を突き進み、13時55分、終点の上総中野駅に到着です。







イメージ 14

イメージ 15

無人駅で、駅前にはちょっとした住宅街があるぐらいです。

にもかかわらず、いすみ鉄道と小湊鐡道からの乗客のみならず、車やバイクで来た観光客もたくさんいて、中には外国人もおり、めいめい列車や駅の写真を撮っていました。






私は今回失礼ながら、この時期いすみ鉄道沿線は観光シーズンでもないから、乗客はさほど多くないだろうと見込んでいました。

ましてや「青春18きっぷ」のシーズンですから、特に鉄道好きであればきっとJRの方に流れるのだと思っていました。

それが大原駅からここまで乗車してきて、鉄道好きも含めて終始観光客の多さに驚き、さらには沿道でたくさんの人が列車の写真を撮っていることに、なんだか嬉しい気持ちになりました。

訪れた人々はきっといろんな魅力を感じてここに来ているのでしょう。

私は東京から少し足を延ばせば、田舎の風景と国鉄ディーゼル車に出会えることに魅力を感じました。

古いようで新しい動き。

懐かしい未来」が到来する予感さえしました。

ここから、小湊鐡道14時4分発、五井行きに乗り継ぎます。(続く)