しなの鉄道
ホームは1面しかない簡素なもので、隣の北陸新幹線の立派なホームとは大違いです。
ホームに限らず、改札口も、新幹線は自動改札機を何基も設置しているほど広いのに対し、こちらは自動改札機はおろか、いまだに駅員さんに検印のスタンプをもらうもので、それが1カ所しかなくて小ぢんまりとしています。
設備面では相対的に軽い扱いを受けているような印象ですが、しかし利用者は多く、座席の6割方は埋まった感じでした。
ここでもやはり外国人観光客が多かったです。
外国人たちは次の中軽井沢駅でことごとく降りて行きました。
星野温泉とかのリゾート地へ行くのでしょう。
軽井沢町の中心街で、かつては「沓掛(くつかけ)」という駅でした。
その後、列車は右手の浅間山を見ながら西へと進んでいきます。
群馬県から長野県に変わっても、天気は良好のままで、雪が青空に映えています。
小海線からの乗り換え客が多く、座席はほぼ塞がりました。
小諸から長野までは沿線人口が多く、したがって住宅街もそれなりに形成されています。
利用者も多く、駅に着くたびに乗る人が増えて、席は完全に塞がり、通路に立つ人まで出るほどでした。
そのような状況の中、私が座っている4人がけボックス席では、男性3人が缶ビールやおつまみを広げ、飲食しながら仕事のことや家族のことについて談笑していました。
こうなると、私の方では足がのばせないこともあって、肩身の狭い思いをします。
そんなのが1時間強続き、14時49分、長野駅に到着です。
朝8時に埼玉の実家を出発して、基本的に乗りっぱなしですから、さすがに疲れてきました。
だが、帰路はまだまだ続きます。
利用者が最も少ない区間で、車内の乗客数はまばらでしたが、ガラガラというほどではありません。
そして、豊野駅を過ぎて山に入ると、一気に雪がどっさり積もっていました。
白銀の世界に入った心地です。
黒姫まで来ると、さらに雪深くなってきました。
豪雪地帯で見るからに寒そうですが、そんな厳しい気候においても、列車に向かって写真を撮る人がいるものですから、「撮り鉄」の執念というのは凄まじいものを感じます。
まだ午後3時半だというのに、太陽が山並みすれすれまで傾き、この分だとあと30分で日没を迎えるのではと思ってしまいます。
長野県を抜けて、やっと新潟県に入りました。
この日は運よく日本海側も晴れていました。
15時56分、妙高高原駅に到着です。
途中の二本木駅では上り列車と同時入線をしました。
当駅では全国でも珍しいスイッチバックを行います。
同じ「えちごトキめき鉄道」なのに、この乗り換えの不便さはいったい何なんだと、いつもながら思ってしまいます。
2両編成の車内は、ほぼ満席。
しかし、地元客はたいてい能生や糸魚川で降りてしまい、終点の泊まで乗り通す人は観光客ぐらいです。
18時48分、泊駅に着き、この日10回目(ブログ上では8回目)の乗り換えとなる、あいの風とやま鉄道。
平日なので、18時50分発の「あいの風ライナー」が運行されています。
ライナー券300円を払わなければなりませんが、疲れて1秒でも早く帰りたかった私は、迷わず飛び乗ります。
車内でライナー券を発券してもらうのですが、乗務員は私がもうじき下車する頃に来て、ギリギリで支払うことができました。
このシステム、やっぱり不便だよな~と思いつつ、最寄り駅に降りると、幸いにも雨や雪に降られずに帰着することができました。(終わり)