ゆき丸の鉄道日記

鉄道旅行や雑記を綴ります。

上信電鉄1

その夜、東京で所用を済ませた私は、つい2週間前にお世話になったばかりの実家で1泊。

明くる日は富山に帰るため、午前10時に実家を出発し、浦和駅から今月3度目の高崎線高崎駅へ向かいます。

東十条と赤羽間で線路内に人立ち入りが発生したため、高崎線の電車も7分ほど遅れてやってきました。

昨晩も用事が終わって埼京線に乗ろうとしたら、東武東上線北池袋駅付近で人身事故が発生し、そのあおりを受けて埼京線も遅れましたが、東京ではこういう事故が毎日のように起こっており、鉄道で移動するにも一筋縄ではいきませんね。。。

そもそも東京には人が溢れんばかりに過剰に多く、そういう事故が出てもおかしくないと思います。

昨日も用事の前に、新宿駅で降りて紀伊国屋書店に寄ろうとしたら、東口のロータリーは歩道どころか車道にも人で溢れかえっていて、周りの空気を読んで群集にぶつからないよう細心の注意を払って歩かなければならないほどでした。

ホームにも人でいっぱいになっていて、駅の中も外もあれだけ多いと、(理由はどうあれ、あってはならないことだけど)一人ぐらい線路に侵入する人も出てくるだろうなと納得してしまいます。

そのおかげで電車が立ち往生し、待っている乗客にもストレスを与える。。。

土日でこの有様ですから、平日の朝夕方のラッシュ時なんていったいどうなるのか、そしてこの状況のままオリンピックなんて開催したら、東京の交通機関はいったいどうなるんだと想像しただけでも恐ろしくなってきます。








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前置きが長くなりましたが、結局5分遅れで高崎駅に到着した私は、そのまま富山へ帰るのではなく、上信電鉄に寄ることにしました。

なんだか最近、群馬県の鉄道ばかり贔屓(ひいき)しているように思われるかもしれませんが、なにぶん通過地点ですから、寄り道しやすいという事情があります。

それに昨年まで群馬県の鉄道をまともに取り上げたことがなかったものですから、各地域のバランスを取るためにも、乗ることにします。








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JR高崎駅西口から少し南に離れた所に、上信電鉄のきっぷ売り場があります。

例によって、一日全線フリー乗車券(2000円)を購入。

これで乗り降りが自由にできます。








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0番線に停車中の12時13分発、下仁田行きの普通電車に乗車です。

ロングシートには7割方ふさがりました。








上信電鉄高崎駅下仁田駅を結ぶ33.7kmで、全線開業が1897年(明治30年)と、伊予鉄道に次いで古い私鉄線です。

沿線には、世界文化遺産に登録された「富岡製糸場」や「荒船風穴」があり、鉄道側もそちらの宣伝に力を注いでいます。

私はこの路線に乗るのは3回目で、1回目の時に富岡製糸場に行きました。

だから、今回は富岡製糸場ではなく、たとえば上州福島駅で降りて、レンタルサイクルで楽山園やこんにゃくパークに行きたいなと思ってましたが、なにぶんスーツにコートを着て、しかも荷物が多いものですから、その格好のまま自転車に乗って観光するわけにはいきません。

それで、ネットで時刻表やら沿線情報やらを付き合わせて、いろいろ検討してみたのですが、妙案が出てこず、結局、また富岡製糸場に行くことに落ち着きました。







さて、上信線は高崎の住宅街を通り、上越新幹線の高架下で行き違い用の信号場を抜けると、「佐野のわたし駅」に着きます。

3度目にして初めて見た駅ですが、駅自体はホーム1面と屋根が付いているだけの簡素なつくりです。

駅名の由来が、そばを流れる烏川(からすがわ)で、かつ渡し船があったことによります。

駅を出発してすぐに烏川を渡り、向こう岸に出ます。

右手には低い山が迫ってきていますが、トンネルはありません。

山名駅で向きを西に変え、鏑川が沿うようになります。







マンナンライフの工場が目の前の上州福島駅を過ぎ、いよいよ富岡製糸場の最寄り駅である上州富岡駅が近づいてきました。

私はまだお昼ごはんを食べてませんが、さすがに世界遺産のある所に食堂はたくさんあるでしょう。

だから上州富岡駅で降りるのが妥当ですが、ここでひねくれものの性格が出てきたのか、降りずに終点の下仁田駅まで乗り通すことにしました。

というのも、2回目に乗った時に下仁田駅前を歩いたことがあるのですが、意外にも食堂が多いことに印象が残っていて、富岡製糸場周辺よりそちらの方が間違いなく人が少なくて落ち着いて食べられると思ったからです。

それに、ひょっとしたら、名産の下仁田ネギにありつけるかもしれませんから、昼飯は下仁田で済ませ、折り返して富岡製糸場に行くという即興プランができました。








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予想通り、乗客のほとんどは上州富岡駅で降り、車内には私を含めて2,3人しか残らなくなりました。

オリヒロの工場を見ながら、電車はのんびり走っていきます。

難読駅名である南蛇井(なんじゃい)で、乗客はとうとう私1人になりました。







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千平駅(せんだいらえき)を出ると、にわかに険しい区間へと入ってきました。

上信線は崖すれすれの際どい所を通り、カーブが続いてスピードが落ちます。

深く切れ込んだ谷のようですが、枯れ木が続いて、視界はあまり良くありません。

途中、赤津信号場で上り電車と行き違いました。

やがて、下仁田の町並みが現れ、住宅街の中で、13時14分、下仁田駅に到着です。






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上り電車が13時35分と14時13分がありますが、ゆっくり昼食をとることを考えて、14時13分発を目処にしましょう。(続く)