スカイレール
目的を果たし、意気揚々と帰ってきて、あとで乗りつぶし帳を開いてみたら、瀬野駅からちょこんと出ているこの路線の存在にはじめて気が付いたのです。
そうやって私の目をくらました路線ですから、印象は悪く、放っておいていいかなと思ったりしましたが、だんだんと乗りつぶしを進めていくうちに、やはり乗らなければならないという妙な誠実さというか、義務感みたいなのが出てきて、今回、四国へ行ったついでに乗っておこうと思った次第です。
改札口を出て右へ折れ、連絡通路を通るとその駅はありました。
窓口はなく、2台置いてある自動券売機でみどり中央までのきっぷを買い、自動改札機にきっぷのQRコードを読み取らせて、先へ進みました。
ホームに上がると、スキー場とかで見かけるゴンドラの車両が待っていましたが、すでに学生達で満席になっており、これ以上乗ることができません。
14時45分発、みどり中央行きのゴンドラが出発してしまいましたが、すぐ後ろからゴンドラが来て、扉が開きました。
時刻表はあるものの、乗り残しがあった場合の救済措置はとられているようです。
車内には制服姿の男子中学生3人と、主婦が1人乗り、職員が頃合いを見計らって出発させます。
高低差が160m、最急勾配が263‰とかなりきつく、終点まで5分で登りきるわけですから、便利といえば便利です。
ずっと高い所を走るため、見晴らしは非常に良く、眼下には新興住宅街が形成されています。
見た感じでは、西日本豪雨の被害は少なそうでなによりですが、下の瀬野駅周辺が冠水で大変だったようです。
乗っていて思うのは、とにかく揺れが激しく、座っていてもバランスが崩れそうです。
落ちるのではと心配になってきますが、5分だけの乗車ですから、これぐらいは辛抱の範囲です。
1人の中学生がポケットからスマホを落としていったため、渡してあげました。
いったいスカイレールの職員はどこにいるのかと疑われるほど人が見当たらず、ガランとしたコンコースが目立ちます。
外へ出ると、西日が街を照らし、風がさらさらと吹き、梢や葉がそよいでいました。
反対側に回り、スカイレールの方へ仰げば、建物の大きさに圧倒されます。
ちょっとした広場に車いすに乗った年配の人たちと、介助のおばさんがいて、おばさんが「どう?きれいな景色でしょう。」とゆっくり車いすを押しながら、下界の瀬野市街地やその向こう側の山並みを見せているようでした。
あとは自宅に帰るだけです。