京阪鋼索線(男山ケーブル)、石清水八幡宮
ICカードが使えないため、券売機できっぷを買うことになります。
私は往復分を買いました。
自動改札機に、行きのきっぷを通すと回収されますが、男山山上駅には自動改札機が設置されていないのでしょう。
13時45分発、男山山上駅行きのケーブルカーに乗ります。
先頭席が空いていたので、そちらに座ります。
先頭席と乗務員スペースの間に、可愛らしい子ブタの形をした蚊取り器が置いてありました。
と、後ろの方でなにやらガヤガヤとした声が聞こえてきました。
振り返ると、女性添乗員の案内で、どうも校外学習で来たらしい女子高校生たちがホームにやってきて、次々と車内に乗り込んできました。
36名分の席は、私のとなりを除いてすべて塞がり、立っている人もたくさんいました。
少なくとも50人以上はおり、それに引率教員3人が付いていました。
車内が華やかなムードに包まれ、ケーブルカーは定刻通り出発しました。
短い距離にもかかわらず、トンネルが2カ所と108.7mの男山橋梁があります。
橋梁に差しかかると、左手に南山城平野が見えてきます。
ほんのわずかですが、眺めはいいですね。
橋を渡り終えると2つ目のトンネルに入り、それを抜けると、男山山上駅に到着。
わずか3分の乗車でした。
無人駅なので、そのまま外へ出ます。
駅前に設置してある境内案内図を見ると、御本殿はここから歩いて5分ぐらいの所にあるようで、帰りのケーブルカーを14時15分発にすると、見学時間は25分しかありませんが、せっかくですので、それだけでも見に行きます。
高校生たちは先に行ったようですね。
参道(西ケーブル参道)は主にブナ林に覆われていますが、こちらも先日の台風で、細い木や枝葉がたくさん倒れていました。
木の柵もこの通り、すっかり崩れてしまっていますが、これは台風なのか、それとも6月の大阪北部地震が原因なのか分かりませんが、どちらにせよ被害の大きさを物語っています。
これらを見ると、参道も男山ケーブルカーもやっぱりよく無事で済んだな~と思います。
南総門にたどり着きました。
左に手水舎があり、手順に従ってお清めを済ませ、中へと入ります。
御本殿の二棟は、現存する中で最古かつ最大の八幡造りを誇っています。
なにしろ伊勢神宮に次ぐ国家第二の宗廟(そうびょう)ですから、皇室をはじめ、全国の武士たちも厚く崇敬したそうです。
厄除けとしても名高く、今年の日本は厄災の多い年だから、これ以上被害が出ないでほしいと願うばかりです。
参拝を終え、裏手にある他の重要文化財の社に気付かず、そのまま南総門へと引き返します。
このまま真っ直ぐ延びるのは「表参道」で、麓の方には頓宮殿というこれまた立派な建物があります。
だから、仁和寺の法師は(自分の勘違いで)山上の御本殿を見ずに帰り、私は(時間が足りなくて)麓の高良社を含む頓宮殿+(気付かずに)御本殿の裏手の社群を見ずに帰るというわけです。。。
「少しのことにも、先達はあらまほしきことなり。」
とはいえ、やはりそのまま引き返すのでは面白くないので、先ほど手に入れた境内案内マップを開いて見ると、展望台へと続く小道があるのを見つけ、さっそく行ってみようとしましたが、あいにく台風による倒木で立入禁止となっていました。
仕方ないので、元来た道から回り込んで、展望台に行きます。
駅の目の前に展望台へ上がる石段があり、こちらは通れそうです。
が、この石段、至る所にひびが入っていて、なんとも心許ないものでした。
これはさすがに台風によるものではなく、元々なのか、はたまた大阪北部地震によるものでしょう。
展望台はちょっとした広場になっていて、楓の葉っぱが青々としています。
秋が深まれば、赤・黄に染まった風景に彩られるのでしょう。
京都市街地の方を眺めます。
木津川が流れ、市街地、さらに遠くにうっすらと山並みが見えます。
比叡山も見えるはずですが、薄い雲で隠れ、どれがどれだかはっきりしませんでした。
京阪線の上下線が木津川を渡る鉄橋付近でちょうど行き違いました。
こうして見ると、実在線を150分の1に縮尺したNゲージのようで、時速100kmぐらいの速さが、さもゆっくりと走っているようです。
駅に戻ると、賑々しい声が聞こえ、ホームに入れば、やはりあの女子高生たちがもう車内にいました。
見学時間が私と同じ25分で、校外学習にしてはずいぶん慌ただしいスケジュールだなと思いましたが、すでに席は占領されていて、私は後ろのドア付近に立つことになりました。
14時15分発のケーブルカーで下山し、女子高生たちと共に外に出ると、私は先ほど気になっていた手作りパン屋に入り、あんパンとハムデニッシュをおやつに買いました。
店を出ると、一群はもう駅のロータリーの方へと歩いており、やがてその姿が見えなくなりました。
当方は京阪線の改札口を抜け、京橋方面のホームにあるベンチに座り、買ったばかりのパンをもぐもぐ食べて、一服。