福島県只見町にて1
代行バスで只見駅に着いた私は、旅館でチェックインを済ませ、ちょいとお散歩に出掛けました。
「特別豪雪地帯」なので、本来ならこの時期雪がまだたくさん残っているらしいのですが、ご覧の通り、残っておらず、暖冬だったことをうかがわせます。
駅の裏に、ちょっとした神社が。
手を合わせ、今日1日存分に列車の旅を満喫できたことを感謝。
神社をあとにし、町の中心街へと繰り出します。
お土産を買おうと思い、土産屋に入ったのですが、明日(3月20日)の午前9時に開店するということで、列車の出発に間に合いそうでしたので、買わずにそのまま歩き続けます。
残念ながら、「ふるさと館田子倉」はもう閉まっていたようなので、別の所へ。
SLが静態保存されていました。
C58-244という車両で、只見町内外の人々がボランティアで塗装したそうです。
鉄道を大事にしていることが分かります。
只見川にやってきました。
河原には誰もいませんでしたが、川沿いに遊歩道が整備されています。
只見川は尾瀬沼に端を発し、奥只見湖、田子倉ダムを経て只見町、さらに先ほど只見線や磐越西線に沿って下って、最後は新潟県新潟市へと注ぐ長い河川です。
ここは会津地方の中でも「奥会津」と呼ばれ、また「自然首都」をキャッチフレーズに掲げています。
「自然首都」とはうまいネーミングで、確かに自然に囲まれているのはもちろん、交通も新幹線や特急はなく、高速も通っていません。
ここへ来るには、JR只見線か会津田島方面からのバスがありますが、どちらも悲しいほど本数が少ない。
あとはマイカーしかありません。
そういう秘境地域だからこそ、変に「観光地化」されていない良さが残っていると思うのですが。
只見川を渡った先にも、住宅街は続いてそうです。
住宅街は結構広がっているようです。
もちろんこの先行く用事はないので、宿へ引き返します。
宿に着いた後、部屋でゆっくりしていると、ふとカレンダーに目を移しました。
JR東日本のカレンダーではありませんか。
これ非売品で、おそらく宿の方はJR職員から譲り受けたものなのでしょう。
さて、午後6時半から夕食タイム。
今宵の宿泊客は私1人しかいないため、ほとんど貸切状態です。
白ご飯と味噌汁の他、茶碗蒸し、焼き魚(イワナ)、ジャガイモのグラタン、すき焼き、煮物、こんにゃくの味噌和え、田子倉湖でとれたワカサギ、漬物、会津産のそば粉を使った十割手打ちそば、そして明日はお彼岸なので、牡丹餅など。
派手さはないけど、地元の食材をふんだんに使った和食料理は、観光客にとって嬉しい。
ボリューム満点ながら、身体に負担を感じさせず、優しい味です。
それから私は、「ねっか」という米焼酎をいただきました。
米焼酎はあまり飲んだことないのですが、只見産のお米でつくった蒸留酒で、アルコール度数25度と濃くて辛いけど、日本酒のような上品な味わいが広がりました。
香りもよく、ちびちびと飲むのに最高のお酒でした。
と、ここで外から只見線の警笛の音が聞こえてきました。
18時35分発、小出行きの最終列車が出発しました。
見送りに行った女将さんからは、「誰も乗っていなかった」とのこと。
その夜、外から雨の降りだす音が聞こえました。
明日の天気は大荒れだそうで、はたしてどうなるのか、不安と期待が入り混じる思いで眠りにつきました。(続く)