ゆき丸の鉄道日記

鉄道旅行や雑記を綴ります。

近鉄鳥羽線・志摩線、観光特急「しまかぜ」

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宇治山田駅から1km弱歩き、伊勢神宮(外宮)を見に行きました。

日曜日にもかかわらず、思ったより観光客は多くなかったですね。



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勾玉池のほとりには、アヤメ(?)などの花を観賞できるスペースがありました。

あまり関心がないのか、人が少なかったです。




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正宮の豊受大神宮です。

衣食住や産業の守り神である豊受大御神が祀られています。
(中は撮影禁止)

袴姿の2人の若い男女が、結婚式(というか結婚報告?)を済ませていました。






・・・12時30分を過ぎ、ぼちぼち宇治山田駅へと引き返します。

外宮前のバス停には、内宮へと向かう観光客で行列ができ、また伊勢市駅へ向かう観光客も大勢いました。

対して、私が向かう宇治山田駅へは1人もいませんでした。。。





駅前で「蜂蜜ぱんじゅう」というパンとまんじゅうを足して2で割ったようなお菓子を買い、駅のホームへ。


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12時58分発、特急「伊勢志摩ライナー」で、終点の賢島駅まで行きます。




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ぱんじゅうを頬張りながら、鳥羽線の景色を眺めます。

伊勢神宮(内宮)の最寄りである五十鈴川駅を過ぎると、鳥羽線は山岳地帯を高架やトンネルで容赦なくぶち抜いて快走します。

並行するJR参宮線は、二見浦といった観光地や池の浦シーサイド駅(臨時駅)より先の伊勢湾上を走ったりと、見所があるのに対し、鳥羽線は素っ気ない所を走る生活路線といった感じです。

鳥羽駅を過ぎると、「志摩線」へと路線名が変わり、急カーブや急こう配が多くなります。

これは志摩線が元々、志摩電気鉄道という小規模のローカル線として開業したからで、特急といえども至る所で速度制限を強いられます。

景色は海沿いを走る区間がわずかで、大半は内陸部を走ります。

志摩磯部付近だったか、志摩スペイン村の案内放送が流れ、海側の方を見ると、遠くに小さい洋風の建物が確かに見えました。

志摩神明駅を過ぎ、英虞湾(あごわん)を渡って、13時39分、終点、賢島駅に到着。



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駅名の通り、賢島上の駅で、本州ではありません。

もっとも、本州へは道路が通っていて、すぐに行くことができますが。。。

駅前は、2016年に「伊勢志摩サミット」が開催され、それに合わせて整備されたと思われます。





折り返しが14時50分ですので、その間、駅近くの「志摩マリンランド」という水族館へ。


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入り口を出ると、ペンギンが迎えてくれます。

館内には、マンボウなど水族館には珍しい海の生き物が飼育されていますね。




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展望台から英虞湾が一望できます。

こうして見渡すと、志摩は陸続きの半島だけでなく、小島や岩が点在する複雑な地形をしていることが分かります。






・・・再び駅に戻り、14時50分発の京都行きに乗ります。



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近鉄の観光特急「しまかぜ」です。

非常に人気のある特急列車で、4日前、チケット取れないだろうと近鉄のホームページ(http://www.kintetsu.co.jp/senden/shimakaze/)を見ていたら、日曜日の帰りの列車にもかかわらず、ガラ空きではありませんか。

迷わずポチって、2日前の夜、松阪駅の窓口でチケットを購入しました。




賢島駅からは、名古屋、大阪(難波)、京都の三方面の特急列車が出ており、私が在住する北陸へは名古屋で特急しらさぎに乗り継いだ方が早いのですが、京都でも特急サンダーバードに乗り継いで帰ることができます。

しかも、走行距離は京都駅がいちばん長く、2時間48分もかけて走りますから、「しまかぜ」の旅をたっぷり味わえるわけです。




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私が利用するのは、プレミアムシートという席で、特急列車のグリーン席より上等で、新幹線のグランクラスに相当します。

本革張りでまるでソファのごとく、ゆったりしています。

ひじ掛けの下にスイッチ類のパネルがあり、リクライニングやふくらはぎを支えるレッグレスト、背面部のエアクッション、しまいにはカーテンまでスイッチで調整でき、なんでも電動にすると、かえって故障せぬか不安にもなりますが、とにかく豪華な座席です。



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他にも、4人用・6人用の個室やサロンがそれぞれ用意されていて、小グループには周りを気にすることなく楽しめます。(特に子連れの家族とか)

さらに、ロッカーが設置されていて、キャリーバッグなどの荷物を収納することができます。





駅の停車時などで、車内にクラシック風の音楽が流れます。

そういえば、東京メトロ日比谷線にも車内に音楽を流すとかで、賛否が起こりましたが、「しまかぜ」でそのような論争が起こったという話はあまり聞きません。

同じ列車でもこうも違うのかと思わされます。






志摩駅からの乗客はほとんどおらず、ガラガラのまま賢島駅を発車。

大きな窓ガラスのおかげで、上まで視界が効きます。

私が乗車したのは、先頭車(6号車)5Aで、前面展望を期待したのですが、それぞれの席の座高が高く、前はほぼ見えませんでした。

おまけに運転席から機械の音がダダ洩れで、この点を気にするなら、中間車両の方が良いかもしれません。




行きも帰りも席が山側で、海側の景色をじっくり眺めたいので、3号車のカフェ車両へ移動します。

狭い通路を通り抜け、専属アテンダントに2階席をお願いして、海側を向いた席へと座る。

1階・2階ともフリースペースなので、席は自分で選ぶことができます。
(混雑時は空いている席しか利用できませんが。。。)

荷物を置くかごも用意されています。



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さほどお腹は空いていなかったので、地ビールと牡蠣のしぐれ煮だけを注文しました。

急カーブで列車が揺れ、アテンダントが運びにくそうな様子で、こんな時に注文したことに対して少々申し訳ないと思いましたが、暑い外からのビールは身体に染みわたります。


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鳥羽の海沿いの景色を眺めながら、鳥羽産の牡蠣のしぐれ煮をつまむと、景色と牡蠣の相乗効果でより深い味わいがあります。

鳥羽駅でもそれほど乗客は多くなく、引き続き、池の浦付近の伊勢湾を眺めました。

そして、宇治山田駅に到着する前にお会計を済ませ、自分の席へと戻りました。



伊勢市駅でやはりたくさんの観光客が乗ってきて、たちまち満席に。

カフェ車両も混雑しただろうと思います。




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アテンダントからおしぼりと記念乗車証をもらいました。

それにしても、アテンダントの人数が多く、乗客1人1人にきめ細やかなサービスを提供してくれます。

1編成6両でたしか18億5000万円で、これにたくさんの人件費が上乗せされますから、近鉄としてはそれだけこの列車を通して、お客様に最高のおもてなしをするんだという姿勢が伝わってきます。





ちょっと前に通った伊勢中川駅から、近鉄大阪線へと入り、いよいよ布引山地の青山高原へ。

・・・と、西日と列車の心地よい揺れのせいで、ウトウトと眠りへ落ちました。。。






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・・・気が付くと、伊賀盆地を過ぎて、列車は奈良県へ。

車内を見回すと、他の乗客もすっかりお休みモードで、列車や座席の心地よさがよく表れています。

やがて、笠置山地を抜けて、市街地へと入り、16時39分、大和八木駅に到着。

この駅から近鉄橿原線に入りますが、その橿原線大阪線をアンダークロスした形で通り、そのままでは乗り入れることができません。




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列車は大阪線と分かれ、単線の連絡線を通ります。

住宅街をゆっくり抜け、次第に進行方向右手から京都線が近づいてきて、新の口駅手前で合流します。

こういう連絡線は、めったに通れるものではなく、鉄道好きとしては非常にワクワクします。




17時5分、近鉄最大の複雑な配線を有する大和西大寺駅に停車。

ここから京都線へと入りますが、この駅から乗車してくる人がいました。

短い区間でも、「乗った」という事実に価値を置きたいのでしょう。

車内放送で、カフェの利用が17時10分までという案内が流れました。




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東寺の五重塔が見えてきました。

17時38分、終点の京都駅に到着。



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2時間50分弱という長時間のくつろぎを味わうことができました。

これで特急料金は、プレミアムシートで3030円(通常の特急料金が1900円)。

運賃は2530円ですから、計5560円と6000円はいきません。(車内メニューは別料金)

なお、運賃については、今回「3日間全線フリーきっぷ」(4000円)を使いました。

この2日間で乗車した近鉄名古屋線湯の山線鈴鹿線、山田線、鳥羽線志摩線などを合計すると、通常5400円ですから、1400円もトクをしたことになります。






さて、この3日間の旅を振り返ると、三重県(特に北勢地域)は、意外にも鉄道を大事にしているんだなと思いました。

廃線の話が出るたびに、鉄道を残す運動を起こし、第三セクターに変わってからも利用者はそれなりにいて、自動車社会だと思っていたので、ちょっと意外な感じがしました。

人口減少が続くこのご時世、まだまだ予断は許されませんが、個人的な気持ちとして、ぜひ残してほしいなと思います。

鉄道の存廃を最終的に決めるのは、やはり住民なのですね。