京急久里浜線・本線
逗子・長井方面からのバスを降りた私は、京急線の三崎口駅に入ります。
改札口から階段を下りた所にホームがあります。
当駅は京急久里浜線の起終点ですが、かつてはその先の油壷まで延伸計画がありました。
結局、計画は凍結され、油壷まではバスで行くことになります。
2番線に14時56分発の折り返し電車が入ってきました。
車内座席は、関東地方では珍しい転換クロスシート(車端部は4人がけボックス席)。
ただし、座席の前後間隔を極力詰めたため、自由に転換することはできません。
そのため、当駅にて全自動で座席を進行方向に転換させ、あとは終点まで固定されるという仕組みです。
それでも、関東大手私鉄としては、乗車券だけで景色を眺めるには十分すぎる設備でしょう。
私が乗車した2号車には、土曜休日の一部時間帯に「ウイングシート」という座席指定が設けられています。
これを利用するには、座席指定料金自体は一律300円で良いものの、「KQuick」に会員登録する必要がある等、購入手続きがちょっと面倒くさそう。
駅の自動券売機や窓口で購入することができませんし、乗車駅も指定されていますから、京急を滅多に利用しない人にとってはほぼ利用する機会はありません。
ただ、14時56分発の当電車は該当しませんので、乗車券だけで利用することができます。
まあ、確実に座れる以外は、他の号車とは大差ありませんが。
昼食をとり損なったため、やっとありつけます。
甘めのたれが酢飯とよく合い、パクパクと6切れを平らげました。
定刻通りに三崎口駅を出発した電車は、見晴らしのよい高架橋を渡ります。
久里浜線は途中の京急久里浜駅までは単線と複線が入り混じるため、反対電車との待ち合わせもありますが、長時間待たされることはありません。
京急久里浜駅でたくさんの乗客が乗ってきました。
堀之内駅で浦賀方面からの本線と合流します。
実際の運用面から見れば、久里浜線の方が「本線」のようで、浦賀へ行く本線が支線のような格好になっています。
横須賀中央駅でさらにどっと乗ってきて、座席の8割方は埋まりました。
横浜駅までは丘陵地帯を走るため、トンネルが多く、またカーブも多いため、快特といえど、速度はあまり出しません。
それでもJR横須賀線よりは立地面で有利な所を走っていますから、ほとんど一人勝ちしています。
ところが、横浜駅からは「ライバル」と称される並行路線(JR東海道本線)があるため、これまでのんびりとしたムードとは一転、高速鉄道へと変貌します。
最高速度は120kmで、しかもすぐ脇には民家が立ち並んでいる様から、「路地裏の超特急」と呼ばれたりしています。
東海道本線とは違い、同じ線路に普通電車やエアポート急行電車も走っているため、相当な企業努力というか、無理をして走らせている感じがします。
それでも私は利便性においてつい最近まで評価していたのですが、昨年9月の神奈川新町駅付近でのトラックとの踏切衝突および脱線事故で、京急の運行体制を見ていると、非常ブレーキをかけない慣習だったり、信号が極めて確認しづらい位置にあったりと、一歩間違えれば大惨事になりかねないことが分かり、不安になりました。
安全のためには120キロ運転を止め、かつ今回のようにやむを得ない場合には躊躇なく非常ブレーキをかけてほしいですが、そうするとJRに乗客を取られるでしょうから、京急としては止められないのでしょう。
神奈川新町駅手前から子安駅にかけては、以前よりゆっくりとした速度で通過していきました。
それでも高架化がずいぶんと進んではきているので、踏切事故のような危険性は減るでしょう。
とはいえ、人口がまだまだ東京に集中することを考えれば、高架化または地下化は避けられないのでしょうね。
品川駅の南に位置しているのに、なぜか駅名が「北品川」を通過し、渋滞を引き起こしている踏切を渡ってJR線をまたぐと、品川駅の到着です。
時刻は16時1分だから、1時間5分の乗車でした。
これで年始の旅行は終わり、翌日は再び富山へと帰りました。(終わり)