八戸線
続いて、八戸駅15時15分発、八戸線の久慈行きに乗車します。
IGR線と同じ2両編成で、最近導入されたばかりのディーゼルカーです。
どこか電車っぽく見えるのは、京浜東北線に似ているからでしょうか。(ラインカラーが同じ!)
車内の座席は4人がけと2人がけのボックス席が中心。
私は海側の2人がけ席に座りました。
席の区画に必ず1人以上は座り、乗車率で言えば50%はあると見られますが、地元客の方がやや多い印象でした。
海沿いを走るため、上の荷物棚には緊急避難用の道具が置いてあります。
青い森鉄道の大湊行きの列車が先に出発し、その後すぐに当列車がゆっくりと走り始めました。
貨物線と並行します。
馬淵川を渡る手前で1本、渡る途中でまた1本と線路が分かれます。
前者は八戸臨海鉄道という貨物線で、数キロ先の三菱製紙まで延びています。
後者も貨物線だが、現在は休止中だそう。
川の前後で2本もの貨物線が分岐するというのは珍しい光景ですね。
橋を渡ると、そのまま高架が続き、本八戸駅です。
八戸駅と本八戸駅では、どちらが中心地か紛らわしいですが、本八戸が中心地です。
基本的に住宅街ですが、山側にビルや繁華街があります。
したがって、当駅で乗り降りする人が多く、車内の雰囲気がガラッと変わりました。
昔ながらの町並みを残した陸奥湊を過ぎ、海が見えると同時に工場群が出現しました。
鮫駅で反対列車との待ち合わせです。
観光列車「TOHOKU EMOTION(東北エモーション)」で、車内を見ると、たくさんの乗客で賑わっていました。
本来なら喜ばしいことですが、このご時世、はたして感染対策は大丈夫なのかと、複雑な気持ちにもなりました。
列車はいよいよ本格的に海沿いを走行します。
ウミネコの繁殖地「蕪島(かぶしま)」を見ながら、ゆっくり進みます。
やはり天気が良くなることはなく、雲に覆われた太平洋はどこか寂しい雰囲気を感じさせます。
しかも、夕方ですから、だんだんと暗くなって、一層寂しさを増すばかりです。
3年前に乗った時も、午前中とはいえ、やはり真っ白な曇り空でしたから、これで曇天の印象が強力に印象付けられました。
三陸の海岸は周知のとおり「リアス式海岸」ですから、砂浜は少ないです。
まして鉄道から見られる所はもっと少ない。
波はなかなかの大きさですが、そんな状況でも砂浜から釣りをしている人も見られました。
海が見られるのも陸中中野までで、そこからは山の中に入っていきます。
これがなかなかの秘境っぷりで、駅前を除くと、ほとんど民家が見えず、森の中を進む印象でした。
新型車にもかかわらず速度も遅く、険しいところなのかなと思いました。
陸中夏井まで来ると、住宅街に出ます。
待合室が北海道の無人駅で見られる客車の改造ですね。
久慈市街地に入りました。
16時57分、久慈駅に終着。