高野山ケーブルカー、金剛峯寺
極楽橋駅のケーブルカーにつながる通路上に、風鈴と短冊がつるされていました。
行ったのが七夕前でしたし(7月4日)、チリンチリンと鳴る音が涼をもたらしてくれますが、一方で、不動川の急流の音でかき消されるのが少し残念に思いました。
さて、10時1分発の高野山行きに乗ります。
この車両は1964年(昭和39年)に運用して以来、54年にもわたって使われ続けてきました。
このたび、来年2019年(平成31年)3月に新型車両を導入することが決まり、当車両は11月をもって終了となります。
2両編成の車内は、ケーブルカーにしては広めです。
高野山ケーブルカーは全長0.8kmを5~7分かけて登っていきます。
ずいぶんのんびりした速度だと思われますが、何しろ高低差330m、最急勾配が29度もありますから、慎重になるのも分かります。
後ろの景色。
鬱蒼(うっそう)とした森の中を登ります。
10時7分、高野山駅に到着。
今回は時間がないので、金剛峯寺だけを見学しに行きます。
大土砂降りで躊躇(ちゅうちょ)しましたが、世界遺産ですから、ぜひともこの目で見ておきたい。。。
駅で観光パンフレットと地図をもらい、それらを手に南海りんかんバスに乗ります。
残念なのは、バスは交通系ICカードに対応していないこと。
高野線やケーブルカーは対応しているのに、あとバスも対応してくれたら、降りるのがどんなに楽なことか。。。
10時20分発、大門南駐車場行きのバスは、まず細い道を右へ左へと曲がりながら下っていきます。
人家は全くなく、ひたすら山道を行きます。
また一般車の往来もありません。
女人堂からポツポツと建物が現れ始め、マツ(杉?)に囲われた寺院とかも見えてきます。
警察署あたりまで来ると、町らしい風景になってきました。
ここは標高800mの盆地で、総面積110余haもある宗教都市です。
高野線やケーブルカーで見た、霧に包まれた森しかないような所の先にあるとは思えないほどの賑やかさです。
15分の乗車で、金剛峯寺前停留所で下車。
もはや折りたたみ傘など役に立たないに等しいのですが、とにかく中へ進みます。
実は豊臣秀吉が、1593年(文禄2年)亡き母の追善菩提のために、応其上人に建てさせたという。
右手に入り口がありますので、入ってみます。
さすがに展示品は撮影NGですが、通路とか石庭とかは撮影できます。
とりわけ四季折々の襖絵(ふすまえ)が目を引きます。
私も小さい頃は、襖に落書きしたことがありますが(そして両親に怒られましたが)、こういう芸術品に仕上げられたら、文句も出ないどころか大絶賛されるのでしょうね。
それと、やはり石庭ですね。
雲海の中に雌雄一対の龍(岩)が、奥殿を守っているように表現されています。
石庭としては、日本一広い2340㎡もあるのだとか。
赤いじゅうたんがストライプ状に敷かれた新別殿で、お茶をいただきました。
まったりしている暇はないのですが、まあ落ち着きます。
最後に、かまどとかの昔ながらの生活用品が並んでいる所を見ました。
ひと通り見て回りましたが、意外と中は広く、1時間は取っておいた方がいいでしょう。
雨は相変わらず降り続いていました。(続く)