与那国島1(那覇空港~与那国空港~祖納)
11月4日(日)。
九州・沖縄鉄道旅行7日目です。
今日のスタートは那覇空港で、時刻は午前6時20分です。
しかし、それではどうも凡百な鉄道旅行に終わってしまい、どうもおもしろくない。
せっかく一世一代の長い休暇をいただきましたから、今しか行けない所に行きたい。
事前に旅程を組んでいる最中にそういう考えが浮かび、あれこれ思案した結果、日本の最西端である「与那国島」に行くことに決めました。
鉄道では、一応、最東端の根室に行ったことがあるので、その反対があってもいい。
そういうわけで、与那国島へ行くことにしました。
私が乗る与那国空港行きの飛行機は、7時20分発です。
那覇空港からはこの便しか飛んでおらず、おかげで午前5時に起きることになりました。
夕べの泡盛の酔いがまだ抜け切っていないし、十分な睡眠もとれていないから、コンディションは良くないです。
それでも、早起きしてなんとかここまで来ることができましたから、良しとしましょう。
それにしても、なぜ早い便しか設定されていないのか疑問ですが。。。
与那国行きの便は、琉球エアコミューター(RAC)と小型機ですから、搭乗口からバスで乗り場まで移動します。
プロペラが丸出しで、このタイプに乗るのは、10年前の屋久島に行ったとき以来です。
私の席は9Kと窓側の席です。
景色を見るのに絶好の位置かと思いきや、すぐ横には壁。。。
少し前寄りに窓があったので、覗くと、ちょうど翼の中央部分でした。
ええ、完全に「修行席」です。
17名の乗客に、客室乗務員1名を乗せて、7時20分定刻通りに離陸しました。
糸満港周辺の海は青白くて綺麗でした。
そのうち、雲を抜けて高度1万メートルに達しました。
ドリンクサービスは、沖縄名物シークワサーのジュースで、すっきりします。
海上には、平たい雲が広がっているほか、所々で積乱雲が発達していました。
機長によれば、与那国島の天気はくもりで、気温が26℃だそう。
天候はあまり期待できなさそうです。
左へ旋回すると、翼が上に傾きますから、時おりこうした空を見ることができます。
どんなに天気が悪くても、上空に行けば青空が望めますから、これは飛行機の良いところですね。
ハッチが開き、タイヤが出てきました。
むき出しのプロペラに、頼りなさそうなタイヤや細い脚を見るたびに、無事で済むのか心配になります。
「パイロット」ですから信用していますが、何しろつい先日、アルコール検査に引っかかった件がありましたから、余計に不安が募ります。
ま、そういう自分も二日酔い気味なので、人のことは言えませんが。
ガタガタガタガタと無事に着陸し、急ブレーキ。
与那国空港へは、予定より5分早い8時40分に着きました。
案外、晴れていましたが、さすが南国とだけあって、夏のようなむしむしとした気候ですね。
陽射しがあるぶん、余計にそう感じます。
空港前には駐車場と、少し歩いた所に最西端観光(レンタカー・バス会社)があるほか、東西を走る道路のみで、建物は見当たりません。
これから、観光をしようと思いますが、実はどこを見に行こうかまだ決まっていません。
移動手段もまだ決めてないところですが、とりあえず荷物(とくにキャリーバッグ)を持ったままではどうしようもないので、今夜泊まる宿に預けてもらうことにします。
宿は祖納(そない)集落にあり、ここからは3kmぐらいありそうです。
幸い、9時10分に祖納に行く路線バスがあるので、それに乗って行くことにしました。
空港の出入り口にバス停の案内表示(矢印)があったので、行ってみましたが、バス停らしい衝立が見つからず、どこにあるのかと思ったら、カラーコーンのようなものに時刻表を貼り付けただけの簡素な置物がありました。
そこでしばらく待っていると、灰色のワゴン車がやって来て、前面に「代行バス」と書かれていました。
乗客は私以外誰もおらず、運転士さんに、泊まる宿の名前のことを言うと、ありがたいことに、そこで降ろしてくれるとのことでした。
だんまりとした雰囲気のまま、5分ほどで着き、お礼を言って降りました。
ちなみに、この島の路線バスはどこまで乗っても無料です。
中へ入って女将さんを呼び、荷物を預けてもらうついでに、レンタルサイクルの店を教えてもらいました。
「レンタカーで行かないの?」と念を押されましたが、アルコールが抜けたとはいえ、まだ気分がすぐれません。
そんな状態で事故でも起こしたら、私と与那国島の沽券にかかわります。
しかも、日本最西端という最果ての地で。
自転車は、24時間利用で1500円でした。
女将さんの話では、祖納から東崎(あがりざき)までは5kmほどだという。
5kmぐらいなら、不調な私でもなんとかなりそうだ。
それで、東崎を目標に見据えて走り出すことにしました。(続く)